2023年7月23日日曜日

 乾杯は『鍋島 NEW MOON純米吟醸しぼりたて生』H君F君と家呑み

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7月に入り梅雨空と蒸し暑さに鬱陶しさを覚えます。しかし、畑の野菜や花壇の草花は、降る雨に感謝しながら大きくなっているようです。

さて、いつもウチでお酒を一緒に嗜むH君F君と、2月以来の機会に恵まれ日本酒を三人で頂戴しました。当日はいつもの通り私が料理担当で、F君は稀少日本酒持ち込み担当、H君は帰りの車の準備担当と役割分担は完璧です。

今回用意したお料理は、「鰹のたたきユッケ風」「ナス炒り」「焼き鳥」「新玉とサバ缶のマヨポン」「キノコの梅シソごま油和え」「ブタ肉とニラもやし炒め」「お刺身」「焼き魚」と、体重を気にするF君に忖度したローカロリーメニューとしています。

料理はこんな感じ  鍋島でカンパ~イ

F君渾身の乾杯酒は、最近では入手の難しい『鍋島 NEWMOON純米吟醸しぼりたて生でした。このお酒は佐賀県鹿島市で約400石を造る富久千代酒造が醸しており、創業は大正末期です。平成に入った頃、酒類の小売り免許の規制緩和で、売り上げが低迷する事に危機感を抱いた蔵元は、九州を代表する酒を造りたいと一念発起して、新たな酒造りに挑戦しました。試行錯誤する事数年、平成10年にやっと納得のいく新たなお酒ができあがりました。新酒のネーミングは一般公募により、佐賀の江戸期の呼称であった鍋島藩に因み鍋島という名に決まり、新ブランドとして立ち上げました。その後、平成23年のIWC大吟醸部門でトロフィー(最優秀賞)を受賞し、現在では念願が叶って九州を代表するお酒となりました。

鍋島の『MOON』シリーズにはニュームーンサマームーン』『ブロッサムムーン』の3種類ありますが、特にジューシーな鍋島 NEWMOON純米吟醸しぼりたて生が一番人気のようです。酒米は富山県産酒造好適米「雄山錦」で、多良岳山系からの良質な地下水で醸し、日本酒度+3、酸度1.3のお酒に仕上げています。

鍋島NEW MOON  開封危険



裏書をどうぞ  酒色は透明

蛇の目に注ぐと酒色は透明で、香りは仄かですが爽やかな果実香。口に含むと完熟の果実のような重厚な甘みのジューシーさで、後からくる微かな酸味と辛さが側面をサポートし、キレに苦味をほんのりと感じました。さすがに『鍋島』は違うなぁ。旨味たっぷりだなぁ。因みに、苦みの残る内に料理を頂くと料理の美味しさが倍増します。また、苦味が残る内にお酒を頂くと甘さが倍増します。上手く造っていますねぇ。今年のランキングに入るなぁ。

鍋島の余韻が舌に残る中、次に開栓したのは大吟醸しずく取り寫樂でした。福島県会津若松市の鶴ヶ城の門前にある宮泉銘醸株式会社が醸しており、四方を山脈に囲まれた地域で、盆地特有の寒暖の大きさ、雪解けの水による水源の豊富さが、美味しいお酒造りに適しています。創業は昭和30年と比較的新しい蔵ですが、主力酒はかなり有名な『會津宮泉』と『寫樂』です。因みに『寫樂』は、現社長が蔵に戻って平成19年に立ち上げたブランドで、且つ爆発的にヒットしたお酒です。

寫樂大吟醸  裏書をどうぞき







酒色は透明

大吟醸しずく取り寫樂』の酒米は、酒造好適米の絶対王者「山田錦」を40%まで磨いた大吟醸で、仕込み水には磐梯山系伏流水を蔵の中にある井戸から汲み上げ仕込んでいます。出来上がった醪は袋に入れて吊るし、自重で滴り落ちる雫を集め壜に詰めた1回火入れの雫酒です。日本酒度は+2、酸度が1.4で、純米酒では無くアルコールが添加されています。

グラスに注ぐとこちらも無色透明で、香りは仄かに吟醸香が。口に含むと、先程の『鍋島』とは明らかに違って、スッキリとした甘さと、程好いジューシーさも感じます。上質できれいな酸味と仄かな辛さのバランスも良く、呑み込むと口腔には酸だけが残りました。三人で猛烈にお代わりをして、こちらもアッという間に空壜となってしまいました。

最後の1本は一升壜の『AKABU中獲六拾生』ですが、聞いた事ありますか?。このお酒は岩手県盛岡市の赤武酒造が醸していますが、前身は東日本大震災で被災した大槌町の酒蔵でした。蔵の息子さんが卒業後に杜氏として実家に戻り、被災した大槌町の酒蔵を諦めて、盛岡で2014年に赤武酒造を立ち上げました。今では『赤武』は全国規模の爆発的な人気で、入手困難酒にも近づいてきました。

今回の『AKABU中獲六拾生』は、ラベルも通常の『赤武』とは一線を画すシンプルラベルですが、実は品川の「かがた屋酒店」の別注品として仕込んだお酒で、このお店でしか購入できません。

酒米は岩手の誇る「吟ぎんが」で、柔らかで豊かな味わいになる酒米です。その「吟ぎんが」60%まで磨いて使い、北上川伏流水で醸した純米吟醸酒で、斗壜の中間部分を壜詰めした生酒です。なおスペックは非公表となっていますが、呑んだ感じでは日本酒度±0、酸度1.4くらいでしょうか。



赤武中獲六十生  別注ラベル



裏書をどうぞき  酒色は透明

グラスに注ぐと少しとろみがあるように思えます。酒色は透明で、香りは爽やかでフルーティ。口に含むと瑞々しくジューシーで、甘さと仄かな酸、落ち着いた辛さがバランスよく味わえます。酒質は重くは無く、華やかで淡麗といったところでしょうか。「吟ぎんが」の米の旨味をしっかり出し切った味わいに感動しっぱなしでした。なかなか買えないお酒を呑ませて頂き、F君には感謝の気持ちでいっぱいです。

 毎回の決まり事で、夕方18時から開始し21時でお開きとなります。一人6合ほど呑んだはずですが、二人は素面の人のように普通に帰ってゆきました。この後、「家庭料理ぼたん」に直行し、またお酒を呑んだと後日聞いて驚いた私でした。考えられん!。♪

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