2023年4月23日日曜日

「弥生 美酒で一献」で『明鏡止水La vie en Rose Bouquet Rose純米吟醸』

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昨年の4月に八戸パークホテルの主催で開催された「第2回 如月 美酒で一献」に参加させて頂きましたが、10月開催の日本酒イベントとは違い、ほぼすべてのお酒が生酒という素晴らしい企画でした。今年も高善酒店様の協力により「第3回 弥生 美酒で一献」が、大勢の日本酒ファンの参加のもと、同会場で開催されました。小幡建設工業から御招待頂き、私も同社員で日本酒通の2(いつものH君・F)と御一緒して、いろんな地域の気合の入ったお酒を楽しみました。

当日のお酒は、高善酒店さんで取り扱っている銘柄で、地元青森県の豊盃・鳩正宗・陸奥八仙をはじめ、岩手から福岡県までの「酒門の会」に参加する21銘柄が揃っています。

弥生 美酒で一献  乾杯酒の八仙【赤】 

お酒のラインナップ  裏面にも

乾杯は「八戸パークホテル 弥生 美酒で一献」と彫り込まれたグラスに、今年も『陸奥八仙 特別純米赤ラベル生』が注がれ、乾杯の発生とともに頂きました。「美味しい!」。やっぱり『陸奥八仙』は特別なんだねぇ。

広い会場の真ん中の日本酒コーナーで、自分の呑みたいお酒を注いでもらいますが、お酒のラインナップの紙にある通り、①の岩手県紫波町の『あづまみね』より順次頂く事にしました。おやっと気になったのは、長野県佐久市の大澤酒造が醸す『明鏡止水La vie en Rose Bouquet Rose純米吟醸』でした。だってピンク色のお酒ですよ。

あずまみね美山錦  ゆきの美人愛山

墨廼江純吟生  麓井生酛山田錦

明鏡止水うす濁り 明鏡止水Rose

創業は元禄2(1689)で、酒名の『明鏡止水』は「静止した水面のようにきれいに磨いた鏡面」から、一点の曇りも無い穏やかで澄み切った味わいを求めて名付けています。

酒米は心白の発現率が高く、芳醇な含み香のある長野県産の酒造好適米「山恵錦」を55%に磨いて使っています。酵母には赤色清酒酵母を使い、仕込み水は蓼科山から流れる上水路の軟水の水を、管路で蔵に引いて醸した、アルコール度数11%の一回火入れをしたお酒です。

グラスに注ぐとピンク色でジュースの様。香りを利くと華やかにフルーティ。口に含むとイチゴのような甘酸っぱさと仄かな酸味。もうこれは日本酒ではありません。呑めば酔っ払う、米を使ったイチゴジュースです。岐阜の『射美』を思い出しました。

初亀うすにごり  正雪PREMIUM

瀧自慢滝流水生  気楽長新ばしり

九頭龍垂れ口   黒龍垂れ口

黒龍大吟醸しずく 美田辛醸山廃



庭のうぐいす  ホテルのTさんと

今回も福井県の『黒龍』が潤沢に準備されていて、且つ希少なお酒もあり確実に呑ませて頂きましたが、私が気になったもう一種類のお酒は、福岡県久留米市の創業天保3(1832)の山口酒造場が醸す『庭のうぐいす純米吟醸はなびえ』です。酒造業を許可した有馬藩の御用銘柄として、創業以来、毎年、篠山神社に奉納しています。庭のうぐいすの酒名の由来は、創業当時に北野天満宮の方角から毎日鶯が飛んできて、庭の湧水を飲むため、これは神様の化身に違いないと、五代目の当主が命名したようです。

庭のうぐいす純米吟醸はなびえ』の「はなびえ」は漢字で「花冷え」と書きますが、蔵主がその言葉の響きを聞いたとき、なんと美しい日本語だろうと思い酒名にしたそうです。お酒を楽しむ際の温度帯を表す言葉としても使われており、5℃~10℃の温度帯が「花冷え」です。何と素晴らしいネーミングセンス。

酒米は、麹米、麹米とも福岡県糸島産「山田錦」を50%まで磨いて使う実質大吟醸のお酒です。酵母は酒蔵に住み付いている自社培養酵母を使用し、仕込み水は筑後川の伏流水を蔵の井戸から汲み上げて醸しました。日本酒度±0,酸度1.7の1回火入れのお酒です。

酒色はほぼ透明で、香りは爽やかでフルーティ。口に含むと華やかでジューシーな旨味を感じ、直ぐに仄かな酸味がやって来て咽喉に入って行きました。鼻腔からは果実のような香りが抜け出て、その後スッキリとキレてゆきました。もう少しお酒の温度が冷え冷えだったら、もっと美味しかったのかなぁとも思った次第です。

ようやくお酒のイベントが復活してきて、楽しみが増したように感じます。今回も小幡建設工業の社長のご厚意で参加させて頂き、もう感謝しかありません。また八戸パークホテルのTさんに会えたのも嬉しく、本当に楽しいお酒の会でした。♪

(。・_・。)ノ

2023年4月16日日曜日

おまかせの日本酒で『咲耶美純米吟醸直汲みうすにごり生酒』

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今月末からゴールデンウィークとなります。愛知県在住の長男から、家族3人で帰省したいといってきましたが、当初の優先順位が①大学の時に住んだ仙台で遊ぶ ②青森県民憧れの函館で遊ぶ ③何も無い八戸の実家に帰る、と順位的には最下位で、孫との再会もどうなる事やらと思っていたら、おぼろげに行程が判明し、数日間八戸に滞在が決定したとの事で、ホッと胸を撫で下ろしています。

さて、久々に通販を利用させて頂き、『花陽浴』を購入した際の条件として「おまかせ日本酒2本」があり、一本が先週ご紹介した『浪乃音TetoTe吟吹雪純米吟醸生酒』でしたが、もう一本が今回ご紹介する『咲耶美純米吟醸直汲みうすにごり生酒』です。お任せして良かった~!。

咲耶美純吟  サクラのラベル

裏書をどうぞ しっかりと濁り

このお酒は、群馬県吾妻郡で創業が明治5年の貴娘酒造が醸しており、主力酒は蔵名を冠した『貴娘』で、現在の蔵元が平成19年に蔵を継いだ際に、新ブランドとして立ち上げたのが『咲耶美』です。日本の女神にして酒造りの神様「木花咲耶姫(このはなのさくやひめ)」から酒名を頂戴しています。

咲耶美純米吟醸直汲みうすにごり生酒』の酒米は酒造好適米の美山錦を使い、酵母はリンゴような香りのカプロン酸エチルを高生産し、且つ酸の生産性の少ない協会1801酵母、仕込み水には軟水で「わさび田」にも使われている「ぼくぼく弁天」の湧水で醸し、日本酒度-1、酸度1.7に仕上げた、うすにごりの生酒です。これでうすにごりかぁ。

先ず瓶の口元に「開栓注意」のラベルがあり、栓が飛ぶ恐れがあるようです。ゆっくりと丁寧に蓋を開けると「プシュー」っとガスの抜ける大きな音がします。二度三度と繰り返して、音がしなくなった事を確認してキャップを外しました。グラスに注ぐとシュワシュワと音がします。蛇の目の中は滓が舞っており、薄っすらと青い輪が見え、内側には炭酸ガスの泡が付いています。

香りを利くとフルーティで果実のよう。口に含むとガス感がありピチピチ口腔に炭酸が張付くよう。フルーティ&ジューシーな味わいと、甘ったるくさせない、舌へのうれしいジワジワ感があります。煌めくような酸味が咽喉にスーッと刺さり、良いキレを呼んでいました。今年のランキングに入りそうな気がするなぁ。

今回のおまかせのお酒は『浪乃音』も『咲耶美』も美味しいお酒で大当たりでした。酒屋さんが良心的としか思えません。また購入したいという意欲が湧いてきます。ありがとうございました。♪

(。・_・。)ノ

2023年4月10日月曜日

通販「おまかせ日本酒」は『浪乃音TetoTe吟吹雪純米吟醸生酒』

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先日、昨秋に収穫し土に埋めて保管していた大根を、4ケ月振りに掘り出して「ふろふき大根」で頂きました。大根は収穫した時のままの瑞々しい状態で、先人の知恵に驚かされました。







土から掘った大根

さて、久々に通販を利用させて頂き、運良く『花陽浴』を購入できましたが、その際の条件として「おまかせ日本酒2本」があり、何のお酒が入ってくるのか不安でしたが、『花陽浴』購入のために涙を呑んで「カゴに入れる」をクリック。後日、送られてきたお酒が今回紹介する浪乃音TetoTe吟吹雪純米吟醸生酒でした。嬉しい~!!。良かった~!!。以前、愛知の長男がお土産に東京駅の長谷川酒店より買ってきてくれたのを思い出しました。

このお酒は、琵琶湖の南西は滋賀県大津市で創業が文化二年(1805)の浪乃音酒造で、希少な能登流杜氏が醸しており、主力酒『浪乃音』は創業当時、比叡山の高僧より命名された酒名だそうです。

浪の音酒造の11代目は今29歳ですが、元々お酒が弱かったのですが、福島で『天明』を醸す曙酒造で4年間修行し、蔵に戻ってきました。この『浪乃音TetoTe』は、フルーティなお酒の好きな11代目が、日本酒の初心者にも楽しんでもらえるようにと造ったお酒で、フルーティ、アルコール度数15%、軽やかな吟醸酒を目指しています。また「TetoTe」は、丹精込め手仕込みしたお酒を、世界中の皆様と繋がりたい。蔵人の手からお客様の手へ、「手と手」が11代目のキーワードです。

浪の音吟吹雪  TetoTe

裏書をどうぞ 酒色は透明

浪乃音TetoTe吟吹雪純米吟醸生酒』の酒米は、滋賀県農業試験場が10年以上の歳月を掛けて造った「吟吹雪」で、「山田錦」と「玉栄」を交配しています。味わいは山田錦と遜色なく、吟醸酒に向いた酒米です。酵母は現在ある酵母の中で最も高い芳香性を持つ1801酵母で、比叡山の雪解け水を使って醸しています。スペックは非公表ですが、呑んだ感じでは日本酒度が+3、酸度が1.8といったところでしょうか。

蛇の目に注ぐと爽やかで果実のような吟醸香がします。酒色は透明で、待ちきれずに口に含むと、穏やかな甘さと旨味を感じます。ベタつかずスッキリとした酒で、酸はそれほど主張せずに、呑み込む際に咽喉がガッと辛さを感じ、苦みを伴いスッキリとキレてゆきました。起承転結を想わせるなかなかの美味しさに、11代目と手と手をつないだ様でした。

さて、「おまかせ」のもう一本は何と『咲耶美(さくやび)』が入っていて、これも美味しいお酒なので、箱を開けたときは超ハイテンションになりました。早く呑みたいぜ。♪

(。・_・。)ノ

2023年4月3日月曜日

居酒屋海ぼうずさんで『Hizirizm五百万石35活性酒』

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3月は年度末となり、令和4年度も私に仕事を発注してくれたお二人と居酒屋「酒と肴と男と女 海ぼうず」さんに伺いました。もちろん新年度も宜しくとの、営業も兼ねてのお誘いです。

3階は立派なお酒  1階2階は呑み放題

2月には所用方々が有り、呑みに来られなかったうっぷんを晴らすように、乾杯酒は冷蔵庫の最上段より選びましたが、壜のラベルを一見しても不明だったお酒をチョイス。裏書の酒蔵名を見てようやく群馬県渋川市で幕末天保十二年(1841)創業の聖酒造が醸すHizirizm五百万石35活性酒と判明。因みに「聖」とは良く澄んだ酒という意味だそうです。また『Hizirizm(ヒジリズム)とは造語でしょうが、「試験醸造」「挑戦酒」をメインとした数量限定の6種類のお酒の事で、6月までに順次発売されますが、数量が少ないため売り切れは必至でしょう。









Hizirizm活性酒

酒米は地元群馬県産の五百万石を35%まで磨き、酵母は酸味が少なく香気の高い1801号酵母、仕込み水には赤城山西南麓に流れる伏流水が、木曾三社神社の池から気泡を含んで湧き出す清水を使って、日本酒度-2、酸度1.5に仕上げています。

裏書には「噴出し注意」が明記されています。女将さんは壜を静かに上下に撹拌し、滓が混ざるようにしてから慎重に開栓しました。グラスに注ぐと炭酸ガスの気泡とともに薄濁りのお酒が流れ出ます。そして気泡はシュワシュワとグラス内に張り付き、美味しそうに感じたのは私だけではありません。乾杯の発声とともに口に含むと、スッキリとした甘さと滓の旨味が混じり、先日呑んで超美味しかった『而今特別純米にごり酒生』を思い出しました。これを乾杯酒に選んでしまった報いが、この後次々に災いとなってやってきます。

さて、ここから呑み放題がスタートし、次に頂いたお酒は昨年の世界酒蔵ランキングで第5位となった平和酒造の『紀土純米吟醸しぼりたて生』です。和歌山県海南市で創業が昭和3年の酒蔵で、コスパの良いお酒でも有名です。元々は大手酒造メーカーへの桶売り蔵でしたが、現在の社長になり自社ブランドにこだわった酒造りを試行錯誤しながら、平成19年に立ち上げたのが『紀土』でした。「紀州の風土」と「子供(KID)のように成長する」にと命名されています。









紀土純吟しぼりたて

紀土純米吟醸しぼりたて生』の酒米は五百万石を55%まで磨き、酵母は酸味が少なく香気の高い1801号酵母と協会901号をブレンドさせて使用し、仕込み水には高野山に浸透した伏流水を使って醸した、日本酒度-1、酸度1.7のお酒です。グラスに注ぐと酒色は透明で、香りは優しくフルーティな吟醸香が。口に含むと果実のような甘さもあり、キレイな酸に爽やかな辛さがバランスよく旨味に繋がっています。スッキリとしたキレも良く、海鮮料理にはピッタリと合うお酒でした。しかし、このお酒の前に頂いた『Hizirizm』が余りにも美味しかったため、先に『紀土』にすればよかったね・・・という発言まで出てしまい、お酒の順序は難しいと思いました。

気を取り直して次々に頂いたのが、宮城県は萩野酒造のうすにごり『日輪田生酛純米酒 生原酒』、次は佐賀県の五町田酒造が醸す『東一純米山田錦うすにごり』、群馬県牧野酒造の果汁のような味わい『大盃純米吟醸垂れ口しぼりたて生』、福井県吉田酒造の女性杜氏が醸す『白龍純米吟醸DRAGON WATER中汲み生』、山形県長沼合名会社の五百万石で醸す『惣邑冬純米吟醸生酒』、地元八戸の『陸奥八仙赤ラベル特別純米生原酒』と次々に頂きました。どれもこれも宝石のような味わいで、お刺身やアンコウ鍋が超美味しく戴けましたよ。

日輪田生酛  東一うすにごり

大盃垂れ口  白龍DRAGONWATER

惣邑冬純吟  陸奥八仙赤ラベル

愛山ファンの私とF君が冷蔵庫から見つけたのは、その愛山を使ったお酒『二兎純米大吟醸愛山四十八火入れ』でした。



二匹の兎が  ご満悦の三人

このお酒は、大河ドラマで現在放送中の徳川家康誕生の地、愛知県岡崎市にあって、創業は「花の元禄」といわれた元禄三年(1690)の丸石醸造が醸しています。主力酒は江戸時代から続くブランド『三河武士』や『萬歳』などで、『二兎』は2016年に新ブランドとして発売するや直ぐに人気のブランドになりました。裏書には「二兎追う者しか二兎を得ず」とあり、現在進行形でポジティブに頑張っている酒蔵なのだと分かります。

酒米は「幻の酒米」や「酒米のダイヤモンド」と呼ばれる酒造好適米「愛山」を惜しみなく48%まで磨いた大吟醸です。仕込み水は南アルプス明石山系の伏流水(軟水)で、その他のスペックは非公開。

グラスに注ぐと酒色はほんのりと濁って、香りは華やかでフルーティ。口に含むと愛山の甘さを感じますが、口明けはもっともっと甘かったんだろうなという印象です。スッキリとした酸にしっかりとした辛さでキレてゆき、間違いのない旨さのお酒でした。

その後には長野県南佐久郡の黒澤酒造が醸す『黒澤生酛純米直汲み生原酒』、シメには静岡県を代表するお酒『開運純米吟醸山田錦55』でお開きとなりました。

黒澤生酛生原酒  シメの開運山田錦

一年を通して列車見張員の仕事をさせて頂いておりますが、冬は物凄く寒いため早く春が来るようにと願っていました。しかし、ようやく迎えた気候の良い春には割と仕事が無く、酷暑の夏に忙しいという、なかなか上手くいかないものです。♪

(。・_・。)ノ