2024年5月12日日曜日

新潟といえば『あべ』でしょう『あべ純米吟醸おりがらみ生原酒』

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先日、八戸白鷗ライオンズクラブが主催する献血に行ってきました。もうすぐ65歳になりますが、人の役に立ちたいという気持ちは未だ薄れてはおりません。今回の献血で累計59回目と、もう少しで60回の節目を迎えます。誰かの命を救う一助になればという想いと、「情けは人の為ならず」でいつかは自分が病気などでお世話になるかも知れません。皆さんも献血に御協力ください。

さて、元日に当ブログで発表させて頂いた【日本酒気に入りましたランキング2023】で、第2位に輝いたお酒が『あべ一本〆純米吟醸おりがらみ生原酒』でした。もちろんこれ程美味しいお酒なので、新潟県の日本酒ランキングでも第1位となっており、入手が困難になりかけています。しかし、仕事で世話になっているF君にお願いして、昨年に引き続き『あべ』を頂きましたが、今回は通称シルバーラベルの『あべ純米吟醸おりがらみ生原酒』でした。ありがたやー。

あべ滓がらみ  注意書き①

注意書き②  裏書をどうぞ

撹拌前は  撹拌後は白く

このお酒は、新潟県柏崎市で文化元年(1804)創業の小さな酒蔵、阿部酒造が醸しており、創業当時からの代表銘柄は『越乃男山』でしたが、2013年には五代目の蔵主が廃業を考えるほどお酒が売れず、経営が行き詰まっていました。そこで現在の酒造責任者である、当時全くの素人だった息子さんが六代目として蔵に入り、一から酒造りを勉強して見直し、「手間暇を惜しまずに、他社より10倍も100倍も努力して“圧倒的に”うまいを目指す」酒造りに舵を切りました。

その後、個性的で覚えやすい「あべシリーズ」、星座の名前が付いた「スターシリーズ」、地域の圃場の名前が付いた「圃場別シリーズ」などを世に出しました。今では「あべシリーズ」が大ヒット酒となっています。

あべ純米吟醸おりがらみ生原酒の酒米は新潟県産「五百万石」を60%まで精米して使っています。酵母は香露酵母とも呼ばれる協会901で、酸の生成が少なく香気が高い吟醸用の酵母を使用し、柏崎市の名山、米山からの伏流水で醸したALC14度のお酒です。なお、スペックは非公表となっています。

開栓するとプシュッと醗酵中の音がし、細かなバブルが壜の内側を伝って上ってきました。撹拌せずに蛇の目に注ぐと、青い輪が薄っすらとしか見えない滓がらみのお酒です。また、酒器の内側に細かなバブルがビッチリと張付き、ピチピチと音が微かに聞こえます。香りは爽やかな柑橘系のフルーティな香り。口に含むと微炭酸のピチピチ感が口腔に刺さります。仄かな甘さと苦み、酸味が総じて旨味となっており、呑み込むとシュワシュワと咽喉に流れ、苦味が残ってキレてゆきました。余韻にはビター感が残り「うっ、旨い!」と声が出ます。今度は壜を振って撹拌し蛇の目に注ぐと、青い輪がほぼ見えないくらいの滓が満ちています。甘さが増しており酸と苦みは弱くなって、旨味のバランスが変わります。この旨さに、さすが『あべ』は違うと思った次第です。

交換したアイテム  蓋を抑えます

前述の献血ですが、係りのお姉さんから「ポイントがたまっています。何かと交換できますよ」といわれ、カップヌードルの蓋の持ち上がりを抑えるアイテムと交換しました。土日の昼食は殆どカップヌードルなので、超が付くほど役立っています。♪

(。・_・。)ノ

2024年5月5日日曜日

居酒屋海ぼうずさんで乾杯『奥六純米吟醸生酛仕込unite』

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今年の1月に居酒屋海ぼうずさんへ伺いましたが、直後に帯状疱疹に罹患したため禁酒状態にありました。漸く完治したため、やっと2回目の海ぼうずさんとなりました。お相手は、昨年度も私に仕事を発注してくれたF君とその部下のK君です。新年度もお手柔らかにと乾杯しています。

3階は立派なお酒  1階2階は呑み放題

K君が少し遅れるという情報から、乾杯の練習として冷蔵庫3階よりお酒をチョイス。私は岩手銘醸の『奥六純米吟醸生酛仕込unite』を、F君は『十四代純米吟醸おりがらみ生』で声高らかに乾杯です。



奥六unite  緊張のK君(中央)

岩手銘醸の創業は安政5(1858)で、本社はドジャース大谷の誕生の地、岩手県奥州市にあり、支店を一関市に設けています。岩手銘醸の主力酒は昭和30年に誕生した『岩手誉』で、支店では平成17年に『玉の春』を新銘柄として立ち上げています。そして昨年新ブランドとして立ち上げたお酒が『奥六』で、酒名の由来はこの土地からきており、岩手内陸を奥六郡と呼んでいたことから、当地産の酒米で醸すお酒に『奥六』と名付けています。また、ラベルは「川西大念佛剣舞」をデザインしています。

酒米は岩手が誇る酒造好適米の、奥州市産「結の香」を50%まで磨いた実質大吟醸のお酒で、酵母は杜氏の奥さんの出身地である秋田で誕生した協会6号酵母。仕込み水には日照りが続いても枯れた事のない「からめ井戸」から湧き出る軟水を使って醸した、ALC15度のお酒です。

グラスに注いでもらうと立ち香は仄かでフルーティさが。早速、口に含むと優しい甘さと酸味があり、生酛特有の強めの酸味は気になりません。逆に6号酵母と軟水仕込みで、口当たりがフルーティに感じられるのかも。充分に満足のいく乾杯酒となりました。

さて、漸くK君も到着合流したため、乾杯の練習の成果を出すことに。呑み放題のスタートのお酒は、三重県伊賀市で創業明治25年の大田酒造が醸す花芽実(かがみ)特別純米にごり生原酒SILKY CLOUDです。滓がらみの滓が沈殿していたので、先ずは澄んだ部分で乾杯して呑み干し、その後、撹拌して再度グラスへ注ぎました。

花芽実薄澄み  撹拌後の花芽実

大田酒造の主力酒は当地のレジェンド服部半蔵に因んだ『半蔵』で、年間600石を手作業に拘り醸しています。2019年に24歳で七代目の杜氏に就任した大田氏が「自分自身が仲間と呑みたい酒を妥協せずに造る」として誕生させたブランドが『花芽実』で、心に芽吹いた想いを咲かせ実らせたいとの想いから名付けられています。

花芽実(かがみ)特別純米にごり生原酒SILKY CLOUDの酒米は三重県産が新開発した酒造好適米「神の穂」で、酵母は吟醸酒に多く使用される、酸の生成が少ないそして香気の高い協会901号。それらを蔵内の井戸水で醸した、日本酒度-2、酸度2.2ALC16のお酒です。

薄澄みを注いだグラスからは、仄かに甘さを湛える香りがします。口に含むと『奥六』よりもハッキリとした甘さで、果実のようなキレイな酸も感じます。F君と顔を見合わせ、「これは旨い!」と声が出ました。撹拌後に頂くとシルキーな呑み口で、甘さはそのままに酸味がより増幅しており、旨味という点で撹拌前の方が美味しかったと感じました。

さて、「『花芽実』美味しかったねぇ」といいながら、何気に冷蔵庫から取り出し、グラスに注いで呑んだらビックリ!。これが本日一だった『浦里純米吟醸ひたち錦』でした。驚いたなぁ、美味しくて。








浦里純米吟醸

このお酒を醸すのは、茨城県つくば市の創業が明治10年の浦里酒造店で、主要銘柄は『霧筑波(きりつくば)』です。六代目の蔵元兼杜氏が蔵に入り、二年目の2020年に誕生させたのが新銘柄の浦里で、2021年の「南部杜氏自醸清酒鑑評会」吟醸の部において、主席を獲得するという離れ業をやってのけました。杜氏の拘りは、「茨城生まれの小川明利酵母(協会10)を使って醸す」ことで、醸造理念にも「小川酵母を極める酒造り」を掲げています。

浦里純米吟醸ひたち錦』の酒米は酒造好適米の「ひたち錦」で、透明感の高いスッキリとした味に仕上がるお米です。このお米を50%まで磨いた実質大吟醸で、酵母は拘りの小川酵母を使い、中軟水の筑波山系伏流水を井戸から汲んで、仕込み水に使って醸した、ALC15度で1回火入れの原酒です。

グラスに注ぐと酒色は透明で、香りは果実のようにフルーティ。口に含むとジューシーな口当たりで、上質な甘さにビックリ!。呑み込むと心地よい渋味があり、微かな辛さが余韻となってキレました。酸をほぼ感じさせない手腕と味わいのバランスの良さに、驚きを隠せない我々でしたが、裏書を見て驚きました。これが何と1回火入れ。とても火入れと思えない、生酒のような旨さに驚いた三人でした。これは今年のランキングに入るなぁ。

亀治好日番外   麓井ジューシー

山本うきうき   流輝Morpho

鳳凰美田初搾り  紫宙スノー

萩の鶴生原酒   OCEAN99銀海








裏酒一筋  

浦里』をお代わりしてから次々とお酒を頂きました。山形県の『亀治好日番外編』は夏子の酒のイラストが。同じく山形の『麓井ジューシー純吟』、これも美味しかった秋田県の『山本純米吟醸生酒うきうき』、群馬県の『流輝純米大吟醸Morpho』、栃木県の『鳳凰美田純米吟醸初搾り生』、岩手県の『紫宙純米吟醸スノーラベル』、宮城県の『萩の鶴純米吟醸別仕込み生原酒』、千葉県の『OCEAN99銀海Departure無濾過生原酒』で、呑み放題の最後のシメは岡山県赤磐市の利守酒造が醸す辛口の『裏 酒一筋番外生酒』でお開きでした。F君もK君も十分満足したと思いますが、私は当日、献血したばかりなので、あまり呑むわけにもいかず、ペースを落として呑ませて頂いた次第です。



 



 同級生と偶然再会

さて、昨年の10月に擦過傷で病院通いをしていた時、偶然同じ擦過傷で通院していた中学校時代の同級生と遭遇しました。お互い日本酒を呑んで転んだ話で盛り上がり、私が海ぼうずさんのお酒が凄いと言ったのを憶えていてくれて、当日来たとの事でした。さて、どうでしょう。気に入ってくれたでしょうか。それにしても偶然というのは恐ろしいものです。♪

(。・_・。)ノ

2024年4月28日日曜日

久々の「ひろがる酒店」さんで『片野桜純米酒くらわんか うすにごり』

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今年の1月に堤町の「ひろがる酒店」さんで『町田酒造』他2本を購入後、帯状疱疹に罹患したためお酒が呑めなくなり、ご無沙汰でしたが漸く伺うことができました。うれし~。この酒屋さんは、市内で置いていないお酒を仕入れるという、誠に立派な根性をしており、未だ味わったことのない銘柄のお酒に出会うことができます。帯状疱疹の癒えた3月中旬に、八戸市体育館のトレーニング場へ行った帰り、「そうだ、ひろがる酒店に寄れる!」と思い立ち、早速立ち寄りました。

ひろがる酒店さんのオンラインショップを見て、購入するお酒を予め決めていたため速攻で購入です。そのお酒は大阪府交野市の山野酒造が醸す『片野桜純米酒くらわんか うすにごり』です。創業は江戸時代末期に泉州和泉で酒造りを営み、明治初期に現在の交野市に移転しています。母屋、長屋門、酒蔵は国の登録文化財という酒蔵で、500石程のお酒を造っています。主力酒は『片野桜』で、南部杜氏により、原酒への拘りを持って酒造りをする酒蔵です。

くらわんか  うすにごり




裏書をどうぞ  酒色は濁って

酒名の「くらわんか」は、江戸時代に大阪の淀川を伏見に行き来する三十石船へ、食べ物やお酒を販売した小舟が「枚方くらわんか舟」と呼ばれ、「酒くらわんか、餅くらわんか」と賑やかでした。その当時の「くらわんか酒」を現代に蘇らせたのがこのお酒です。

ラベルの中央に墨で描いたような模様は、「くらわんか舟」をイメージしたもので、ラベルの紙は淀川の葦(ヨシ)から作った紙を使用し、全体に桜の花びらが透かしで入っているという手の込み様です。

酒米は地元交野の「ヒノヒカリ」を65%精米して使い、酵母は新政酒造で発見された協会6号酵母で、醗酵力が強く香りは控えめな酒質となる酵母です。仕込み水は生駒山系の伏流水で醸した、日本酒度-8、酸度2.1ALC16度の粗く搾った無濾過の生酒です。

開栓すると爽やかで甘酸っぱい香りが。蛇の目に注ぐと酒色はけっこう濁っていて、微発泡感も感じられます。口に含むとピリピリとした口当たりで、スッキリとした中にも甘さと爽やかな酸が甘酸っぱさを演出しています。呑み込むと口腔に酸と苦みが残りました。しかし、ジューシーでぐい呑みの手が止まらなくなりそうな危険なお酒でした。

ひろがる酒店さんには未だ未だ知らないお酒がたくさんあり、これから発掘するのが楽しみです。しかし自宅の冷蔵庫の中のお酒を順調に呑み進めなければならず、体調を崩さないように、病気をしないように、転んでケガをしないように、深酒で時間厳守を破らないように、呑んで醜態をさらさないようになど、ハードルは高いのです。♪

(。・_・。)ノ