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今年の1月に居酒屋海ぼうずさんへ伺いましたが、直後に帯状疱疹に罹患したため禁酒状態にありました。漸く完治したため、やっと2回目の海ぼうずさんとなりました。お相手は、昨年度も私に仕事を発注してくれたF君とその部下のK君です。新年度もお手柔らかにと乾杯しています。
3階は立派なお酒 1階2階は呑み放題
K君が少し遅れるという情報から、乾杯の練習として冷蔵庫3階よりお酒をチョイス。私は岩手銘醸の『奥六純米吟醸生酛仕込unite』を、F君は『十四代純米吟醸おりがらみ生』で声高らかに乾杯です。
奥六unite 緊張のK君(中央)
岩手銘醸の創業は安政5年(1858)で、本社はドジャース大谷の誕生の地、岩手県奥州市にあり、支店を一関市に設けています。岩手銘醸の主力酒は昭和30年に誕生した『岩手誉』で、支店では平成17年に『玉の春』を新銘柄として立ち上げています。そして昨年新ブランドとして立ち上げたお酒が『奥六』で、酒名の由来はこの土地からきており、岩手内陸を奥六郡と呼んでいたことから、当地産の酒米で醸すお酒に『奥六』と名付けています。また、ラベルは「川西大念佛剣舞」をデザインしています。
酒米は岩手が誇る酒造好適米の、奥州市産「結の香」を50%まで磨いた実質大吟醸のお酒で、酵母は杜氏の奥さんの出身地である秋田で誕生した協会6号酵母。仕込み水には日照りが続いても枯れた事のない「からめ井戸」から湧き出る軟水を使って醸した、ALC15度のお酒です。
グラスに注いでもらうと立ち香は仄かでフルーティさが。早速、口に含むと優しい甘さと酸味があり、生酛特有の強めの酸味は気になりません。逆に6号酵母と軟水仕込みで、口当たりがフルーティに感じられるのかも。充分に満足のいく乾杯酒となりました。
さて、漸くK君も到着合流したため、乾杯の練習の成果を出すことに。呑み放題のスタートのお酒は、三重県伊賀市で創業明治25年の大田酒造が醸す『花芽実(かがみ)特別純米にごり生原酒SILKY CLOUD』です。滓がらみの滓が沈殿していたので、先ずは澄んだ部分で乾杯して呑み干し、その後、撹拌して再度グラスへ注ぎました。
花芽実薄澄み 撹拌後の花芽実
大田酒造の主力酒は当地のレジェンド服部半蔵に因んだ『半蔵』で、年間600石を手作業に拘り醸しています。2019年に24歳で七代目の杜氏に就任した大田氏が「自分自身が仲間と呑みたい酒を妥協せずに造る」として誕生させたブランドが『花芽実』で、心に芽吹いた想いを咲かせ実らせたいとの想いから名付けられています。
『花芽実(かがみ)特別純米にごり生原酒SILKY CLOUD』の酒米は三重県産が新開発した酒造好適米「神の穂」で、酵母は吟醸酒に多く使用される、酸の生成が少ないそして香気の高い協会901号。それらを蔵内の井戸水で醸した、日本酒度-2、酸度2.2、ALC16のお酒です。
薄澄みを注いだグラスからは、仄かに甘さを湛える香りがします。口に含むと『奥六』よりもハッキリとした甘さで、果実のようなキレイな酸も感じます。F君と顔を見合わせ、「これは旨い!」と声が出ました。撹拌後に頂くとシルキーな呑み口で、甘さはそのままに酸味がより増幅しており、旨味という点で撹拌前の方が美味しかったと感じました。
さて、「『花芽実』美味しかったねぇ」といいながら、何気に冷蔵庫から取り出し、グラスに注いで呑んだらビックリ!。これが本日一だった『浦里純米吟醸ひたち錦』でした。驚いたなぁ、美味しくて。
浦里純米吟醸
このお酒を醸すのは、茨城県つくば市の創業が明治10年の浦里酒造店で、主要銘柄は『霧筑波(きりつくば)』です。六代目の蔵元兼杜氏が蔵に入り、二年目の2020年に誕生させたのが新銘柄の『浦里』で、2021年の「南部杜氏自醸清酒鑑評会」吟醸の部において、主席を獲得するという離れ業をやってのけました。杜氏の拘りは、「茨城生まれの小川明利酵母(協会10号)を使って醸す」ことで、醸造理念にも「小川酵母を極める酒造り」を掲げています。
『浦里純米吟醸ひたち錦』の酒米は酒造好適米の「ひたち錦」で、透明感の高いスッキリとした味に仕上がるお米です。このお米を50%まで磨いた実質大吟醸で、酵母は拘りの小川酵母を使い、中軟水の筑波山系伏流水を井戸から汲んで、仕込み水に使って醸した、ALC15度で1回火入れの原酒です。
グラスに注ぐと酒色は透明で、香りは果実のようにフルーティ。口に含むとジューシーな口当たりで、上質な甘さにビックリ!。呑み込むと心地よい渋味があり、微かな辛さが余韻となってキレました。酸をほぼ感じさせない手腕と味わいのバランスの良さに、驚きを隠せない我々でしたが、裏書を見て驚きました。これが何と1回火入れ。とても火入れと思えない、生酒のような旨さに驚いた三人でした。これは今年のランキングに入るなぁ。
亀治好日番外 麓井ジューシー
山本うきうき 流輝Morpho
鳳凰美田初搾り 紫宙スノー
萩の鶴生原酒 OCEAN99銀海
裏酒一筋
『浦里』をお代わりしてから次々とお酒を頂きました。山形県の『亀治好日番外編』は夏子の酒のイラストが。同じく山形の『麓井ジューシー純吟』、これも美味しかった秋田県の『山本純米吟醸生酒うきうき』、群馬県の『流輝純米大吟醸Morpho』、栃木県の『鳳凰美田純米吟醸初搾り生』、岩手県の『紫宙純米吟醸スノーラベル』、宮城県の『萩の鶴純米吟醸別仕込み生原酒』、千葉県の『OCEAN99銀海Departure無濾過生原酒』で、呑み放題の最後のシメは岡山県赤磐市の利守酒造が醸す辛口の『裏 酒一筋番外生酒』でお開きでした。F君もK君も十分満足したと思いますが、私は当日、献血したばかりなので、あまり呑むわけにもいかず、ペースを落として呑ませて頂いた次第です。
同級生と偶然再会
さて、昨年の10月に擦過傷で病院通いをしていた時、偶然同じ擦過傷で通院していた中学校時代の同級生と遭遇しました。お互い日本酒を呑んで転んだ話で盛り上がり、私が海ぼうずさんのお酒が凄いと言ったのを憶えていてくれて、当日来たとの事でした。さて、どうでしょう。気に入ってくれたでしょうか。それにしても偶然というのは恐ろしいものです。♪
\(。・_・。)ノ