2024年5月12日日曜日

新潟といえば『あべ』でしょう『あべ純米吟醸おりがらみ生原酒』

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先日、八戸白鷗ライオンズクラブが主催する献血に行ってきました。もうすぐ65歳になりますが、人の役に立ちたいという気持ちは未だ薄れてはおりません。今回の献血で累計59回目と、もう少しで60回の節目を迎えます。誰かの命を救う一助になればという想いと、「情けは人の為ならず」でいつかは自分が病気などでお世話になるかも知れません。皆さんも献血に御協力ください。

さて、元日に当ブログで発表させて頂いた【日本酒気に入りましたランキング2023】で、第2位に輝いたお酒が『あべ一本〆純米吟醸おりがらみ生原酒』でした。もちろんこれ程美味しいお酒なので、新潟県の日本酒ランキングでも第1位となっており、入手が困難になりかけています。しかし、仕事で世話になっているF君にお願いして、昨年に引き続き『あべ』を頂きましたが、今回は通称シルバーラベルの『あべ純米吟醸おりがらみ生原酒』でした。ありがたやー。

あべ滓がらみ  注意書き①

注意書き②  裏書をどうぞ

撹拌前は  撹拌後は白く

このお酒は、新潟県柏崎市で文化元年(1804)創業の小さな酒蔵、阿部酒造が醸しており、創業当時からの代表銘柄は『越乃男山』でしたが、2013年には五代目の蔵主が廃業を考えるほどお酒が売れず、経営が行き詰まっていました。そこで現在の酒造責任者である、当時全くの素人だった息子さんが六代目として蔵に入り、一から酒造りを勉強して見直し、「手間暇を惜しまずに、他社より10倍も100倍も努力して“圧倒的に”うまいを目指す」酒造りに舵を切りました。

その後、個性的で覚えやすい「あべシリーズ」、星座の名前が付いた「スターシリーズ」、地域の圃場の名前が付いた「圃場別シリーズ」などを世に出しました。今では「あべシリーズ」が大ヒット酒となっています。

あべ純米吟醸おりがらみ生原酒の酒米は新潟県産「五百万石」を60%まで精米して使っています。酵母は香露酵母とも呼ばれる協会901で、酸の生成が少なく香気が高い吟醸用の酵母を使用し、柏崎市の名山、米山からの伏流水で醸したALC14度のお酒です。なお、スペックは非公表となっています。

開栓するとプシュッと醗酵中の音がし、細かなバブルが壜の内側を伝って上ってきました。撹拌せずに蛇の目に注ぐと、青い輪が薄っすらとしか見えない滓がらみのお酒です。また、酒器の内側に細かなバブルがビッチリと張付き、ピチピチと音が微かに聞こえます。香りは爽やかな柑橘系のフルーティな香り。口に含むと微炭酸のピチピチ感が口腔に刺さります。仄かな甘さと苦み、酸味が総じて旨味となっており、呑み込むとシュワシュワと咽喉に流れ、苦味が残ってキレてゆきました。余韻にはビター感が残り「うっ、旨い!」と声が出ます。今度は壜を振って撹拌し蛇の目に注ぐと、青い輪がほぼ見えないくらいの滓が満ちています。甘さが増しており酸と苦みは弱くなって、旨味のバランスが変わります。この旨さに、さすが『あべ』は違うと思った次第です。

交換したアイテム  蓋を抑えます

前述の献血ですが、係りのお姉さんから「ポイントがたまっています。何かと交換できますよ」といわれ、カップヌードルの蓋の持ち上がりを抑えるアイテムと交換しました。土日の昼食は殆どカップヌードルなので、超が付くほど役立っています。♪

(。・_・。)ノ

2024年5月5日日曜日

居酒屋海ぼうずさんで乾杯『奥六純米吟醸生酛仕込unite』

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今年の1月に居酒屋海ぼうずさんへ伺いましたが、直後に帯状疱疹に罹患したため禁酒状態にありました。漸く完治したため、やっと2回目の海ぼうずさんとなりました。お相手は、昨年度も私に仕事を発注してくれたF君とその部下のK君です。新年度もお手柔らかにと乾杯しています。

3階は立派なお酒  1階2階は呑み放題

K君が少し遅れるという情報から、乾杯の練習として冷蔵庫3階よりお酒をチョイス。私は岩手銘醸の『奥六純米吟醸生酛仕込unite』を、F君は『十四代純米吟醸おりがらみ生』で声高らかに乾杯です。



奥六unite  緊張のK君(中央)

岩手銘醸の創業は安政5(1858)で、本社はドジャース大谷の誕生の地、岩手県奥州市にあり、支店を一関市に設けています。岩手銘醸の主力酒は昭和30年に誕生した『岩手誉』で、支店では平成17年に『玉の春』を新銘柄として立ち上げています。そして昨年新ブランドとして立ち上げたお酒が『奥六』で、酒名の由来はこの土地からきており、岩手内陸を奥六郡と呼んでいたことから、当地産の酒米で醸すお酒に『奥六』と名付けています。また、ラベルは「川西大念佛剣舞」をデザインしています。

酒米は岩手が誇る酒造好適米の、奥州市産「結の香」を50%まで磨いた実質大吟醸のお酒で、酵母は杜氏の奥さんの出身地である秋田で誕生した協会6号酵母。仕込み水には日照りが続いても枯れた事のない「からめ井戸」から湧き出る軟水を使って醸した、ALC15度のお酒です。

グラスに注いでもらうと立ち香は仄かでフルーティさが。早速、口に含むと優しい甘さと酸味があり、生酛特有の強めの酸味は気になりません。逆に6号酵母と軟水仕込みで、口当たりがフルーティに感じられるのかも。充分に満足のいく乾杯酒となりました。

さて、漸くK君も到着合流したため、乾杯の練習の成果を出すことに。呑み放題のスタートのお酒は、三重県伊賀市で創業明治25年の大田酒造が醸す花芽実(かがみ)特別純米にごり生原酒SILKY CLOUDです。滓がらみの滓が沈殿していたので、先ずは澄んだ部分で乾杯して呑み干し、その後、撹拌して再度グラスへ注ぎました。

花芽実薄澄み  撹拌後の花芽実

大田酒造の主力酒は当地のレジェンド服部半蔵に因んだ『半蔵』で、年間600石を手作業に拘り醸しています。2019年に24歳で七代目の杜氏に就任した大田氏が「自分自身が仲間と呑みたい酒を妥協せずに造る」として誕生させたブランドが『花芽実』で、心に芽吹いた想いを咲かせ実らせたいとの想いから名付けられています。

花芽実(かがみ)特別純米にごり生原酒SILKY CLOUDの酒米は三重県産が新開発した酒造好適米「神の穂」で、酵母は吟醸酒に多く使用される、酸の生成が少ないそして香気の高い協会901号。それらを蔵内の井戸水で醸した、日本酒度-2、酸度2.2ALC16のお酒です。

薄澄みを注いだグラスからは、仄かに甘さを湛える香りがします。口に含むと『奥六』よりもハッキリとした甘さで、果実のようなキレイな酸も感じます。F君と顔を見合わせ、「これは旨い!」と声が出ました。撹拌後に頂くとシルキーな呑み口で、甘さはそのままに酸味がより増幅しており、旨味という点で撹拌前の方が美味しかったと感じました。

さて、「『花芽実』美味しかったねぇ」といいながら、何気に冷蔵庫から取り出し、グラスに注いで呑んだらビックリ!。これが本日一だった『浦里純米吟醸ひたち錦』でした。驚いたなぁ、美味しくて。








浦里純米吟醸

このお酒を醸すのは、茨城県つくば市の創業が明治10年の浦里酒造店で、主要銘柄は『霧筑波(きりつくば)』です。六代目の蔵元兼杜氏が蔵に入り、二年目の2020年に誕生させたのが新銘柄の浦里で、2021年の「南部杜氏自醸清酒鑑評会」吟醸の部において、主席を獲得するという離れ業をやってのけました。杜氏の拘りは、「茨城生まれの小川明利酵母(協会10)を使って醸す」ことで、醸造理念にも「小川酵母を極める酒造り」を掲げています。

浦里純米吟醸ひたち錦』の酒米は酒造好適米の「ひたち錦」で、透明感の高いスッキリとした味に仕上がるお米です。このお米を50%まで磨いた実質大吟醸で、酵母は拘りの小川酵母を使い、中軟水の筑波山系伏流水を井戸から汲んで、仕込み水に使って醸した、ALC15度で1回火入れの原酒です。

グラスに注ぐと酒色は透明で、香りは果実のようにフルーティ。口に含むとジューシーな口当たりで、上質な甘さにビックリ!。呑み込むと心地よい渋味があり、微かな辛さが余韻となってキレました。酸をほぼ感じさせない手腕と味わいのバランスの良さに、驚きを隠せない我々でしたが、裏書を見て驚きました。これが何と1回火入れ。とても火入れと思えない、生酒のような旨さに驚いた三人でした。これは今年のランキングに入るなぁ。

亀治好日番外   麓井ジューシー

山本うきうき   流輝Morpho

鳳凰美田初搾り  紫宙スノー

萩の鶴生原酒   OCEAN99銀海








裏酒一筋  

浦里』をお代わりしてから次々とお酒を頂きました。山形県の『亀治好日番外編』は夏子の酒のイラストが。同じく山形の『麓井ジューシー純吟』、これも美味しかった秋田県の『山本純米吟醸生酒うきうき』、群馬県の『流輝純米大吟醸Morpho』、栃木県の『鳳凰美田純米吟醸初搾り生』、岩手県の『紫宙純米吟醸スノーラベル』、宮城県の『萩の鶴純米吟醸別仕込み生原酒』、千葉県の『OCEAN99銀海Departure無濾過生原酒』で、呑み放題の最後のシメは岡山県赤磐市の利守酒造が醸す辛口の『裏 酒一筋番外生酒』でお開きでした。F君もK君も十分満足したと思いますが、私は当日、献血したばかりなので、あまり呑むわけにもいかず、ペースを落として呑ませて頂いた次第です。



 



 同級生と偶然再会

さて、昨年の10月に擦過傷で病院通いをしていた時、偶然同じ擦過傷で通院していた中学校時代の同級生と遭遇しました。お互い日本酒を呑んで転んだ話で盛り上がり、私が海ぼうずさんのお酒が凄いと言ったのを憶えていてくれて、当日来たとの事でした。さて、どうでしょう。気に入ってくれたでしょうか。それにしても偶然というのは恐ろしいものです。♪

(。・_・。)ノ

2024年4月28日日曜日

久々の「ひろがる酒店」さんで『片野桜純米酒くらわんか うすにごり』

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今年の1月に堤町の「ひろがる酒店」さんで『町田酒造』他2本を購入後、帯状疱疹に罹患したためお酒が呑めなくなり、ご無沙汰でしたが漸く伺うことができました。うれし~。この酒屋さんは、市内で置いていないお酒を仕入れるという、誠に立派な根性をしており、未だ味わったことのない銘柄のお酒に出会うことができます。帯状疱疹の癒えた3月中旬に、八戸市体育館のトレーニング場へ行った帰り、「そうだ、ひろがる酒店に寄れる!」と思い立ち、早速立ち寄りました。

ひろがる酒店さんのオンラインショップを見て、購入するお酒を予め決めていたため速攻で購入です。そのお酒は大阪府交野市の山野酒造が醸す『片野桜純米酒くらわんか うすにごり』です。創業は江戸時代末期に泉州和泉で酒造りを営み、明治初期に現在の交野市に移転しています。母屋、長屋門、酒蔵は国の登録文化財という酒蔵で、500石程のお酒を造っています。主力酒は『片野桜』で、南部杜氏により、原酒への拘りを持って酒造りをする酒蔵です。

くらわんか  うすにごり




裏書をどうぞ  酒色は濁って

酒名の「くらわんか」は、江戸時代に大阪の淀川を伏見に行き来する三十石船へ、食べ物やお酒を販売した小舟が「枚方くらわんか舟」と呼ばれ、「酒くらわんか、餅くらわんか」と賑やかでした。その当時の「くらわんか酒」を現代に蘇らせたのがこのお酒です。

ラベルの中央に墨で描いたような模様は、「くらわんか舟」をイメージしたもので、ラベルの紙は淀川の葦(ヨシ)から作った紙を使用し、全体に桜の花びらが透かしで入っているという手の込み様です。

酒米は地元交野の「ヒノヒカリ」を65%精米して使い、酵母は新政酒造で発見された協会6号酵母で、醗酵力が強く香りは控えめな酒質となる酵母です。仕込み水は生駒山系の伏流水で醸した、日本酒度-8、酸度2.1ALC16度の粗く搾った無濾過の生酒です。

開栓すると爽やかで甘酸っぱい香りが。蛇の目に注ぐと酒色はけっこう濁っていて、微発泡感も感じられます。口に含むとピリピリとした口当たりで、スッキリとした中にも甘さと爽やかな酸が甘酸っぱさを演出しています。呑み込むと口腔に酸と苦みが残りました。しかし、ジューシーでぐい呑みの手が止まらなくなりそうな危険なお酒でした。

ひろがる酒店さんには未だ未だ知らないお酒がたくさんあり、これから発掘するのが楽しみです。しかし自宅の冷蔵庫の中のお酒を順調に呑み進めなければならず、体調を崩さないように、病気をしないように、転んでケガをしないように、深酒で時間厳守を破らないように、呑んで醜態をさらさないようになど、ハードルは高いのです。♪

(。・_・。)ノ

2024年4月21日日曜日

青森を代表するお酒『田酒特別純米酒 生』

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春が来て穏やかな日が続く八戸ですが、桜もあちこちで咲いているようで、新井田川堤防、新井田公園、東霊園、こどもの国など名所はたくさんあります。在職中は家族で桜を見に行く事も叶いませんでしたが、今は桜を愛でる余裕もあり、先日も足をのばして十和田官庁街の桜並木を楽しんで参りました。

さて、いつも仕事でお世話になっているF君より、田酒の生酒がありますけど要りますか?と声を掛けてもらいました。それも今期の『田酒』の製造トップバッター『田酒特別純米酒生』で、もちろん喜んで分けて頂きました。

田酒』は青森市油川で創業が明治11(1878)の西田酒造店で醸しており、地元青森でも結構入手困難酒となっているお酒です。創業当時の主力酒『喜久泉』で、幾久しく喜びが続くようにと願い命名しました。『田酒』は日本酒の原点に立ち返り、本物の日本酒を造る事をコンセプトに、昭和45年に試行錯誤しながら完全手造りの純米酒造りを始め、三年の後に漸く思った通りのお酒が完成。昭和49年に『田酒』として販売しました。酒名の『田酒』は「大切な米の獲れる大切な田んぼ」を尊重して命名したようです。

昭和56年に「特選街」という雑誌の記事【旨い酒コンテスト】で、田酒が日本一に輝きました。それから火が付いたように売れ始め、現在の『田酒』人気に繋がっています。

田酒特純生酒  裏書をどうぞ







酒色は透明  

田酒特別純米酒生』の酒米は酒造好適米の「華吹雪」で、55%まで磨いて使っています。八甲田山系の伏流水(軟水)で醸した生酒は、日本酒度±0、酸度1.7ALC16度に仕上がっています。

開栓するとシュッとガスが抜ける音がします。蛇の目に注ぐと酒色はほぼ透明で、香りは仄かにフルーティ。口に含むと爽やかに瑞々しい口当たりで、ほんのりと甘さを伴いフルーティ。生酒ならではのコクが堪りません。舌がピリピリとする感触も瑞々しさを誘引しています。呑み込むと甘さが酸味に変わり、仄かな苦みへ変わっていきました。キレも旨味も申し分無く『田酒干支ラベル純吟生』を感じさせる豊かな味わいでした。

しかし、西田酒造店の蔵元は「田酒は永遠の未完成」と話しており、いつまでも酒造りを追求し続ける意気込みです。一所に留まらず、常に前進を常に変化を考えているようです。

因みに私は、西田酒造店のお酒の中では『田酒干支ラベル純吟生』を一番美味しいと思っています。しかし、仕込む量が僅かで酒屋さんにも多く並ばないため、なかなか購入できません。消費者の声を聞いて頂いて、もっと仕込み量を増やして頂けませんでしょうか。♪

(。・_・。)ノ

2024年4月14日日曜日

義兄が通販で購入した『大吟醸越乃松龜』

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4月も中旬となり暖かな日が続いています。ビオラ、パンジーの苗を購入し鉢に植えました。玄関が花で華やぐと、春が来たなぁと実感できます。

ビオラ  福寿草が咲き

さて、有難い事に義兄は、日本酒好きの私に時々お酒をプレゼントして下さいます。今回は通販で数本纏めて購入したとの事で、その内の1本をお裾分けして下さいました。ありがたやー。そのお酒とは酒どころの新潟県は長岡市で、創業が享保元年(1716)の関原酒造が醸す『越乃松龜大吟醸』でした。長岡市には16もの酒蔵があり、朝日酒造の『久保田』や諸橋酒造の『越乃景虎』など、有名なお酒が目白押しの地域です。

関原酒造は創業時に屋号を常陸屋と名乗っており、年貢米を使って『群龜』というお酒を醸し、令和の現在まで代表銘柄として、脈々と受け継がれているお酒となっています。俗に「鶴は千年、亀は万年」と云われ、その亀が群れになると数万年を意味するように、お酒を呑んで長生きしてほしいとの願いが込められています。その流れを受け継ぐ『越乃松龜大吟醸』も、同様に長生きのお酒なのでしょう。

細かなスキルは記載されていませんが国産の酒米を50%まで磨いて使った大吟醸で、アルコール度数15%、日本酒度-2、アルコール添加のお酒です。因みに私的には大吟醸は結構アル添が多い印象で、良くは分かりませんが、せっかくお米を50%以上の心白まで削って美味しいお酒にしたいと考えているのに、アルコールを足し増しするとは・・・うーん、チョット。

大吟醸越乃松龜  延壽千萬歳

スキルはココ  酒色は透明

蛇の目に注ぐと酒色は透明で、香りは穏やかで瑞々しくフルーティ。口に含むとスッキリと軽快な呑み口で、淡麗辛口の新潟らしい酒質。仄かに感じる甘さは醸造アルコール系のものでしょう。そして口腔が直ぐに濃い酸味に覆われます。呑み込むとその酸味とともにキレてゆきますが、キツ目の渋味がやって来ました。大吟醸も純米とアル添がありますが、前者はクセが無い印象で、後者はどうしても醸造アルコールの味わいが前面に出てくるように感じます。

新潟県の日本酒ランキングは、過去には淡麗辛口の『越乃寒梅』が上位でしたが、現在ではフルーティな酒質の『あべ』や『たかちよ』に変わっています。もう少しするとまた昔ながらの淡麗辛口が復活するのでしょうか。時代は巡り、流行も巡ります。♪

(。・_・。)ノ

2024年4月7日日曜日

久しぶりに弟と『清泉川オードヴィヌーボーエクストラホワイトにごり酒』

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昨年の11月に掘った大根を土中で保存しておきましたが、春になりおでんにでもと食する機会に恵まれ、早速掘り起こしました。種を植えるのが遅かったので小さな大根でしたが、味は格別でした。今年はもう少し早く大根の種を蒔きたいと考えています。







大根が10

さて、市内に住む弟とは、時々お酒を一緒に呑んだりしていましたが、孫ちゃんが誕生してからは忙しいらしく、なかなか日程が合いません。しかし、お彼岸に合わせて一緒に吞もうという事になり、家をきれいに掃除し、寝具を準備し、食材の買い物をし、そして腕を振るいお料理を準備しました。頑張るなぁ、俺。まぁお酒のためですが。

今回、弟と一緒に頂くために準備した手料理は「カボチャと豚肉のスタミナ炒め」「白菜の和風サラダ」「ささ身のしぐれ煮」「鶏チャーシューのラー油のせ」で、「焼き魚」「お刺身」は購入したものです。

弟はいつも乾杯にはビール。その後に米焼酎を頂き私はもちろん日本酒です。また、弟は毎回私のためにと日本酒を持参してくれるので楽しみにしているのですが、今回購入してきてくれたのは、山形県酒田市で株式会社オードヴィ庄内が醸す清泉川オードヴィヌーボーエクストラホワイトにごり酒でした。うれし~!。

この酒蔵は創業が慶応年間に味噌醤油を造っていましたが、明治8年に佐藤酒造場として日本酒造りを始めました。しかし昭和63年よりワイン・リキュール事業に着手し、それに伴い平成5年に社名をオードヴィ庄内に変更しています。「オードヴィ」はフランス語で生命の水。仕込みに使っている水は、毎年、鳥海山に降り積もる雪が大地に溶けて沁み込み、長い年月をかけて庄内砂丘より伏流水として湧き出す水で、まさしく生命の水です。また酒名の『清泉川』は、庄内砂丘に清い泉が湧き出ていたのを見た事から名付けられています。

清泉川にごり  デザインは学生




裏書をどうぞ  濁りが沈殿し







酒色は真っ白

清泉川オードヴィヌーボーエクストラホワイトにごり酒』の酒米は「雪若丸」で、山形県が「つや姫」に続くブランドとして、10年余りの歳月をかけ開発した食用米です。大粒で甘みが強く、耐倒伏性や病気にも強いのが特徴です。その「雪若丸」を60%まで磨いて使用し、酵母は10号系の山形県が独自に開発した麹菌。仕込み水は酒蔵の地下より汲み上げた、「オードヴィ」まさに生命の水で醸しています。日本酒度は何と-20、酸度1.4ALC11%のお酒で、通常のにごり酒より荒く搾る特殊製法のお酒です。

壜の底に滓が分厚く沈殿しており、開栓してガスを抜いてから壜を逆さまに振って撹拌します。蛇の目に注ぐととろみが強く酒色は真っ白。香りは仄かで無臭に近い感じ。口に含むと優しい口当たりで、コクのある甘さとピリピリした呑み口。呑み込んだ後も、口腔にピリピリが刺さるようでした。甘酒に近い感じでしょうか。これは女子に喜ばれるお酒ですねぇ。

ラベルのデザインは、東北公益文科大学の学生サークル「KOEKI日本酒同好会」が作成したもので、ゲームのキャラクターに出てきそうな、若者向けのデザインが反響を呼んでいます。まあ限定500本ならすぐにでも売り切れると思いますが。

弟は1泊していくため、帰りの心配が不要で、心置きなく呑む事ができます。しかし、弟に孫が次々にできると、次回の呑み会がいつになるか不明なのが私としては痛し痒しです。♪

(。・_・。)ノ

2024年4月1日月曜日

誕生日に長男から『白老初しぼり生酒』

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待ちに待った春。4月に入りました。お彼岸に降った大雪は消えており、花壇には雑草も生えてきました。茶色く枯れた冬から緑の萌える春となり、雑草さえも愛しい気持ちにさせてくれます。

さて、私と奥様の誕生日が1月なので、愛知の長男は二人分一緒に誕生日プレゼントを送ってくれました。今年、長男から届いたお酒は彼の地元愛知県のお酒で、常滑焼で有名な常滑市の澤田酒造が醸す『白老初しぼり生酒』でした。酒蔵の創業は江戸末期の嘉永元年(1848)で、主力酒がこの白老です。一度呑んでみたかったよ~。

酒名の由来は、「より良い原料を丁寧に扱い、米を白くまで磨く」から「白」。そして「延命長寿を願い、老成した技」から「老」をとって『白老』と、初代蔵元が命名しています。また、経営理念は「働き手良し、売り手良し、買い手良し、世間良し、自然良し」という五方良しとして受け継がれてきました。

白老初しぼり  お酒の詳細







酒色はほぼ透明

白老初しぼり生酒』の酒米は、愛知県知多半島常滑産「若水」です。愛知県が、「愛知の米で愛知の酒を造る」をコンセプトに1983年に奨励品種登録した酒造好適米の第1号です。稲高が低く強風で倒伏しづらく、大粒で心白が大きいお米です。その酒造好適米「若水」を65%まで磨いて使用し、酵母は真澄酵母とも呼ばれる協会7号で、仕込み水は蔵から2kmほど離れた知多半島の中央丘陵部に湧き出る水を、施設の水道を引き使って醸しています。日本酒度は-1、酸度1.7ALCは高目の19%で、加水していない搾ったままの無濾過の生原酒です。

蛇の目に注ぐと酒色は無色透明で、香りは爽やかで微かに酸味の香りがします。口に含むとパイナップルの甘さを感じ、直ぐに心地よい酸味が。口腔に苦味を残しキレてゆきました。肴はいらないなぁ。いや、これは肴を食べてはいけないお酒です。そして酔うまでグイグイ呑んで、日本酒の旨味をじっくりと味わうお酒でした。また、メロンやラムネのような味わいのお酒は呑んだ事がありますが、パイナップルの旨味は初めてでした。これはランキングに載るお酒だなぁ。それにしてもアルコール度数がやけに高くて、結構早めに酔うお酒です。

有難い事に、長男は私が呑んだ事のないお酒を選って送ってくれます。ブログの事を考えてくれているのでしょう。しかし過去には『花陽浴』を何回か送ってもらっており、まぁ『十四代』や『而今』『花陽浴』とかなら、何回貰っても嬉しいお酒ですが。♪

(。・_・。)ノ

2024年3月24日日曜日

入魂の酒『黒龍火いら寿』でH君F君と憩う

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3月も中旬となり、気温が10度を超える日もありますが、先日夜間作業があり寒さに震えました。氷点下にはならなかったものの小雨がパラつき、ホッカイロをしっかり準備したおかげで何とか耐えることができました。でも久々の夜間作業には感慨深いものもありました。

さて私は現在、一人親方で個人会社的なものを営んでおりますが、仕事を頂戴している元同僚たちと一緒にお酒を頂いており、かれこれ34回目くらいでしょうか。今回もF君が厳選した垂涎の日本酒で、楽しいお酒の会となりました。

腕に撚りをかけた今回のメニューは、「鶏の黒酢さっぱり煮」「サーモンユッケ」「ごぼうと豚肉の甘辛煮」「レンコンの甘酢炒め」「ナスの煮びたし」「お刺身」「焼き魚」等で、低カロリー料理に挑戦しましたが、二人には満足して頂けたでしょうか。

料理はこんな感じ  黒龍を頂く

持ち込んでくれたお酒は、どれでも乾杯酒になるようなものばかりで、迷いに迷って福井県吉田郡永平寺町の黒龍酒造が醸す『黒龍火いら寿(ひいらず)』で乾杯です。創業は1804年で、創業者は初代蔵元の石田屋仁左衛門。現天皇陛下のお気に入りのお酒が黒龍石田屋と云われ、それが下々に伝わったために品薄で、何年も先まで予約が取れないと云われた時期もありました。

また、黒龍酒造の七代目はフランスに渡ってワインを学び、帰国後にワイン熟成を日本酒に応用した酒造りができないかと、試行錯誤した研究熱心な人でした。それが1975年に全国に先駆けて高精米酒を大吟醸酒と表現し、少量で高品質のお酒、いわゆる高級酒となっています。今回の『黒龍火いら寿』は純米大吟醸で、生酒の最高峰のお酒となっており、前述の『黒龍石田屋』『黒龍二左衛門』『黒龍大吟醸 龍』など錚々たるお酒ばかりの「黒龍極みの酒」の中の1本です。酒名の由来は明治初期の生酒に使用していた「火いら寿」の版木から名付けられたそうです。

黒龍と化粧箱  火いら寿



裏書をどうぞ  酒色は透明

黒龍火いら寿』の酒米は、兵庫県東条産特A山田錦を35%まで削った大吟醸で、酵母は蔵に古くから棲み付く蔵内酵母。仕込み水は霊峰白山山系からの軟水の九頭竜川伏流水を使い、日本酒度+3.5ALC16%に仕上げた、純米大吟醸の生酒です。蛇の目に注ぐと酒色は透明。香りは仄かですが、カプロン酸エチルが効いたリンゴの爽やかでフルーティな香り。口に含むと甘さは程々で舌にジワ感も無いスッキリとした味わい。甘さの後にくる酸は旨さを感じる酸味で、キレも良くバランスの良い味わいでした。『黒龍火いら寿』はオンラインの抽選会にも登場していますが、なかなか当たらないらしく、それだけ入荷量も極僅かの希少なお酒です。

十四代と化粧箱  大極上生




裏書をどうぞ  酒色は透明

美味しい美味しいと四合壜の『黒龍火いら寿』は、アッという間に無くなってしまい、冷蔵庫から次のチョイスが登場です。こちらも超高級ブランド酒の『十四代播州山田錦大極上生』です。「大極上」って・・・。このお酒は、山形県村山市の創業が江戸初期の元和元年(1615)の高木酒造が醸しており、平成6年に十五代目の杜氏の高木顕統(あきつな)さんが、初めて造って命名した十四代は、当時の主流だった『越乃寒梅』などの端麗辛口酒を押し退けて、フルーティなお酒のブームを巻き起こしました。そして今では、入手困難酒の筆頭を走っています。

酒名の「大極上」とは極めて上等と云う意味で、麹米、掛米とも兵庫県特A地区産の大極上「山田錦」を、35%と云う大極上の精米歩合で磨いて造っています。仕込み水には桜清水と呼ばれる、出羽山系の葉山の伏流水で醸しており、スペックは残念ながら非公開です。壜の裏書には「鑑評会用BY1本目の大吟醸槽垂れ酒」と明記されており、やはり大極上のお酒なのでしょう。

蛇の目に注ぐと酒色は透明で、香りは黒龍』と同じようなカプロン酸エチルが効いた、リンゴの爽やかでフルーティな香りが。口に含むと程良い甘さと爽やかな酸。雑味を全く感じない透明感に満ちた、バランスの良い大極上の味わいでしたが、『黒龍』と同じような味わいにビックリ。

最後のシメは一升壜の『而今純米吟醸酒未来無濾過生』を戴きました。少し酔ってきた~。木屋正酒造は三重県名張市の周りを山に囲まれた伊賀盆地にあり、創業は1818(文政元年)で創業時の主力酒は『高砂』でした。六代目が2005年に自ら醸した而今には「ただ、今、この一瞬を、懸命に生き抜く」という意味が込められています。こちらも前述の2本と同様にプレミア酒で、なかなか手に入らないお酒です。

酒米は「酒未来」で、そのルーツは高木酒造の高木辰五郎氏。彼は山酒4号と美山錦を交配させ18年もの歳月を掛けて「酒未来」作り出しました。名前の由来は、日本酒の未来が永遠に輝くようにとの願いが込められています。また高木氏は、自社だけで「酒未来」を独り占めせずに、他の酒造りの仲間たちに「酒未来でお酒を造ってみないか」と惜しげもなく分け与えました。今ではいろいろな酒蔵で「酒未来」を使ったお酒が誕生し、私たちを楽しませてくれています。旨いんだよね。実際。

酒米以外のスペックは非公開ですが、上品な吟醸香を醸す9号系酵母を使っていると考えられ、名張川の湧水(中軟水)で仕込んだ、日本酒度±0,酸度1.6、アルコール度数16.5%の無濾過の生酒です。

而今無濾過生  裏書をどうぞ







酒色は透明

開栓時には醗酵ガスが抜けてボンと音が。蛇の目に注ぐと透明っぽいのですが、薄っすらと滓が見えるようにも感じます。香りはヤバイことに1本目、2本目と同様の、リンゴの爽やかでフルーティな吟醸香です。そして香量も多く期待が高まります。口に含むと口当たりは仄かにガス感があり、コクのある甘さは上質。その後、穏やかな酸味と微かな渋味、程好い辛さがバランスよく奇麗な酒質、まるで『十四代』のような『而今』でした。

 H君もF君も、私の料理をほめてくれるため、なんとかも木に登ると同じでゴッツリして料理を作っています。彼らが帰った後には、会話の余韻を楽しみながらお皿やグラスを洗っています。次は夏ごろでしょうか、楽しみにしているのです。♪

(。・_・。)ノ