2025年3月2日日曜日

東北電力の酒米で醸す『純米吟醸うすにごり天の戸 氷晶』

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3月に入り気候が春めいてきました。しかし、八戸を含む北東北の日本海側には「彼岸じゃらく」というドカ雪が降ります。水分の多い雪で、除雪も一苦労。しかし、これが来ないと春も来ないので、本当にやっかいです。

さて昨年末、八食センターに行き年末恒例イベントの「酒蔵祭り」で、ウチの奥様から都合三本の日本酒を買ってもらいました。1本は『陸奥八仙ヌーヴォー直汲み特別純米生原酒、もう1本が『華一風特別純米 低圧しぼり無濾過生原酒』で、前回紹介しました。最後の1本としてご紹介するお酒は『純米吟醸うすにごり天の戸 氷晶(ダイヤモンドダスト)』です。ラベルの雰囲気が、とってもおいしそうだったよ~。

このお酒は、日本屈指の米どころ秋田県横手市にある大正六年創業の浅舞酒造が醸しており、代表銘柄は『天の戸』です。酒名の由来は、古歌にある【天の戸は静かに明けて神路山 杉の青葉に日影さすみゆ】の冒頭より頂戴した立派な名前で、且つ『天の戸』は日本書紀の「天の岩戸」のことでもあり、お酒のラベルの下に勾玉があしらわれています。

天の戸氷晶  下に勾玉が




裏書をどうぞ  うすにごり

純米吟醸うすにごり天の戸 氷晶(ダイヤモンドダスト)の酒米は酒造好適米の「星明り」で、東北電力株式会社の研究開発センターを中心に、1988年から農家と醸造元の三者が協力し、「初星」と「美山錦」を掛け合わせ誕生させており、1996年の試験醸造を経て、20028月から『天の戸 氷晶』に使用しています。その「星明り」を50%まで磨いて使っているので、実質大吟醸仕込みです。酵母は秋田花酵母AK1で、パイナップルのような甘酸っぱい瑞々しい香りになる酵母を使い、奥羽山脈系の伏流水を蔵内の井戸から汲み上げて使って醸し、その搾りたてを槽口から薄濁りのまま壜に詰めた生酒です。日本酒度は-3、酸度1.7ALC15度の甘口です。

壜の底には滓が薄っすらと沈んでいます。開栓し蛇の目へ注ぐと、仄かに濁った酒色です。香りは爽やかにルーティ。口に含むとスッキリとした口当たりで、仄かな甘さとトゲの無い優しい酸味。濁りを感じさせないスマートな味わいで、キレもスッキリ。呑み込むと辛さが徐々に増すような味わいでした。日本酒度ほどの甘さは感じませんでした。

因みに30cmほども積もる「彼岸じゃらく」の雪はベタ雪で、水分を多く含んでいるためにとても重く、雪かきも大変です。♪

(。・_・。)ノ

2025年2月23日日曜日

誕生日に長男から『敷島山田錦純米吟醸無濾過生原酒』

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2月も終盤に差し掛かり、当地八戸は伝統行事の「えんぶり」も終わって、今週から少し暖かくもなり、春に一直線といったところです。しかし、春雪ともいわれるドカ雪も心配なところですが。

さて、1月は私の誕生日があり、愛知の長男は律儀に誕生日のプレゼントを送ってくれます。本当に有難い事です。昨年届いた『白老初しぼり生酒』は、当ブログの年間ランキングの第三位に輝く、とても美味しいお酒でした。今年のお酒は敷島山田錦純米吟醸無濾過生原酒という、私の大好きな無濾過生原酒で、期待と共に頂きました。

昨年は、孫のお宮参りのため愛知に行きましたが、長男は半田市で國盛の酒蔵を見学させてくれました。ありがたやー。その半田市で、創業が天明8(1788)の伊東株式会社が醸しているお酒です。先代が平成12年で伝統ある酒蔵を閉め、酒造免許を返上してしまいましたが、現在の九代目が蔵の再開を決意し、クラウドファンディングで資金を集め、元の酒蔵を令和2年に買い戻し、酒造りを再開しました。酒造りのコンセプトは「食事をより美味しくする酒」、要するに食中酒です。

敷島山田錦  無濾過生原酒

田坂州代筆  裏書をどうぞ







酒色はほぼ透明

敷島山田錦純米吟醸無濾過生原酒』の酒米は、酒名の通り酒造好適米の王者「山田錦」で、50%まで磨いて使用した実質大吟醸。仕込み水は蔵の井戸から汲み上げた水を使って醸した無濾過の生原酒。日本酒度は+7、酸度1.8ALCは高目の18%お酒です。

開栓するとプシュッと醗酵しています。蛇の目に注ぐと酒色は無色透明で、香りはスッキリとした吟醸香。口に含むと第一印象は「濃い‼」。上品な甘さに渋味がアクセントで、呑み込むと辛さが咽喉に。そしてジリジリと熱さがひろがり、口腔に苦味を残したままキレてゆきました。バランスも良く、なるほど食中酒ですねぇ。日本酒度+7はダテではありません。

酒造免許はなかなか取得できません。なかなか、う~ん、殆ど不可能に近いかもしれません。また、一度返上するとやはり再取得はハードルが高く、ここの蔵主はよく頑張って再取得できたなぁと思いました。根性ですねぇ。また、クラウドファンディングで資金調達とは今流行りですが、良く集めました。やはり根性ですねぇ。心から尊敬します。根性論は流行らないかも知れませんが、必要なものではないでしょうか。♪

(。・_・。)ノ

2025年2月16日日曜日

八食センターで『華一風特別純米低圧しぼり無濾過生原酒』久々に購入

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当ブログでも何度か書かせて頂きましたが、八戸市には「えんぶり」という伝統行事があり、毎年217日より20日まで開催されます。華やかな烏帽子を頭に被り、田畑の土を均す農工具えぶりを手に、種まきや田植えの動作を舞で表現する豊年祈願の春を呼ぶ祭りです。「木」偏に「八」のつくりでえんぶりと読ませるのですが、たぶん造語でしょう。また、「えんぶり」が終わると、氷都八戸にも春が来ると云われています。

さて、昨年末に八食センターに行き、年末恒例イベントの「酒蔵祭り」で、ウチの奥様から『陸奥八仙ヌーヴォー直汲み特別純米生原酒』を買ってもらいましたが、その他にも2本四合壜を買ってもらいました。太っ腹でしょ。今回呑ませて頂いたお酒はその内の1本で、青森県弘前市のカネタ玉田酒造店が醸す『華一風特別純米 低圧しぼり無濾過生原酒』です。以前購入し呑ませて頂いた時、あまりの美味しさに大ファンになったお酒です。

この酒蔵は弘前城追手門に近い場所にあり、県内でも屈指の古い酒蔵です。1685年に津軽藩藩士の玉田善兵衛が、藩御用達の酒造業を任されたのが始まりと古文書に記されており、その後、昭和35(1960)に現在のカネタ玉田酒造店となっています。主力酒は『津軽じょんから』と『』、そして人気商品の『華一風』です。県内では美味しいお酒としてそこそこ有名ですが、県外の方々には馴染みが薄いと思います。でも、知ってる人は知ってるよ。

華一風特別純米 低圧しぼり無濾過生原酒』の酒米は、麹米が「華吹雪」で掛米に「まっしぐら」を55%まで磨いて使っています。‥ん、陸奥八仙に似てるなぁ?。壜の首の部分に記載されている低圧搾りとは、醪(もろみ)を搾る際に圧力をギリギリまで下げて、ゆっくりと雫を垂れさせ、柔らかく優雅な雑味の無い美味しいお酒となるように工夫した搾り方です。そして搾ったまんまのお酒を濾過せずに壜に詰めた、日本酒度-1、酸度1.6ALCは少し高目の17度の生酒です。

華一風低圧しぼり  肩ラベル



特純の無濾過生  お酒のスキル







酒色はほぼ透明

蛇の目に注ぐと酒色はほぼ透明です。蛇の目から立ち上がるフルーティで華やかな香りは美味しさを期待させます。口に含むとスッキリとした呑み口で、程好い甘さが心地良く、仄かな苦みはありますが、舌にジワ感はありません。45年前に頂いた時よりはジューシーさがもう一つといったところでしょうか。無濾過の雰囲気も、低圧搾りの良さも影を潜めたように感じました。コメントが辛口で申し訳ありませんが、本当に以前はジューシーで超美味しかったお酒だったのです。県内のお酒ではイチオシのお酒でした。工場生産の製品と違って、米の状態や水の状況などによって、お酒の味わいは変わります。来年に期待してみたいと思います。♪

(。・_・。)ノ

2025年2月9日日曜日

たねいち会の乾杯は『千代むすび おやじ極楽純米吟醸強力』

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先日、2年ぶりの「たねいち会」の懇親会があり、「酒と肴と男と女 海ぼうず」さんで、先輩方とグラスを傾けました。「たねいち会」は、私が二十歳頃に勤めていた会社の名前をとっており、入社後2年ほどで倒産した会社です。長男が生まれて2ヶ月くらいでの倒産だったので、当時は結構大変だった事を思い出します。その会社でお世話になった現場監督の先輩たちと、今も旧交を温めております。

冷蔵庫上段  23段は呑み放題

千代むすび  裏書をどうぞ

乾杯は私以外が生ビールで私はもちろん日本酒の『千代むすび おやじ極楽純米吟醸強力』を選びました。このお酒は鳥取県境港市の「水木しげるロード」沿いにある、慶応元年(1865)が創業の千代むすび酒造が醸しており、酒蔵の命名は「千代に八千代に契りを結ぶ目出度い酒」を醸すことから名付けられています。「本物」「安心」「健康」を合言葉に酒造りを行っている酒蔵です。

千代むすび おやじ極楽純米吟醸強力』の酒米は「強力」で、戦前に鳥取県の奨励品種だった幻の酒米「強力」を復活させています。コクのある味わいの酒になる「強力」を50%まで磨いて使い、酵母は短期間の醪で華やかな香りと吟醸香が高い協会9号系酵母を使っています。仕込み水は秀峰大山の麓の地下水を使用し、日本酒度+5、酸度は1.6ALC16度に仕上げています。

酒色は透明で、香りは思ったより華やか系。口に含むと日本酒度+5ほどの辛さは無く、ほんのりとフルーティで甘さも感じました。「強力」という米の旨味がよく分かったような気がしました。

二本目は女将さん推奨の『角右衛門即詰純米しぼりたて生』を頂きましたが、ジューシー&フルーティで、さすが女将さんの慧眼には参りました。その次に『紫宙純米吟醸初しぼり杉玉ラベル』で『紫宙』のレベルの高さを再確認させられました。

角右衛門生  紫宙杉玉ラベル

4杯目は福島の『純米豊国無濾過生原酒』に感動し、5杯目のお酒、富山の羽根屋純米吟醸雄町MOONLIGHT BEAUTY10号仕込です。富山と云えば『羽根屋』だよねぇ。このお酒は富山県富山市で大正五年創業の富美菊酒造が醸しており、主要銘柄は蔵名の『富美菊と『羽根屋』です。

また、富美菊酒造では「蔵の全てのお酒は、大吟醸を造るように、手を抜く事無く醸す」をコンセプトにしている酒蔵で、『羽根屋』は翼が飛翔するが如く呑む人の心が浮き立つような日本酒として存在したいとの願いを込めています。まぁ、蔵主が羽根さんという名前なので、羽根屋なのかも知れませんが。四季醸造で約500石の小さな蔵ですが、フランスの日本酒品評会KursMaster201820202023にはプラチナ賞を受賞しています。

羽根屋  裏書をどうぞ

羽根屋純米吟醸雄町MOONLIGHT BEAUTY10号仕込』のラベルは月下美人の花が描かれており、裏書にあるように月下美人をコンセプトにしたお酒です。酒米は酒造好適米の雄「雄町」を60%まで磨いた吟醸酒で、酵母は酒名の通り10号酵母。仕込み水には富山の名水常願寺川水系の天然水を使って醸しており、日本酒度-5、酸度1.4ALC15度の生酒です。

グラスに注ぐと酒色は透明で、香りはフルーティで華やかな吟醸香。口に含むと心地よい甘さとフルーティな酸、そして微かな辛さでそれぞれのバランスが良く、「雄町」を上手に使っているように感じます。呑み込むと酸と苦みが僅かに咽喉に残りますが、スッキリとキレてゆきました。日本酒度-5は感じませんが、総じて上品な甘さのフルーティなお酒でした。さすが富山を代表する『羽根屋』です。

開運無濾過生  大那壱号初しぼり

おぜゆきだるま 町田酒造直汲み

蒼天伝滓がらみ 天明中取り零号

5杯目は静岡の『開運純米無濾過生』、6杯目は栃木の『大那特別純米仕込み壱号初しぼり無濾過生』を頂き、その後も群馬の『純米大吟醸おぜゆきだるま生』、同じく群馬の『町田酒造特別純米55直汲み五百万石』、宮城の『蒼天伝特別純米しぼりたて生原酒滓がらみ』を頂きました。シメは福島県の『天明純米中取り零号生おりがらみ』がラストオーダーとなりました。

たねいち会の メンバーたち

会社の倒産を始めて経験し、路頭に迷っていたところ、家の近所にあるという小幡建設工業を紹介され、そんな会社あったかなぁくらいにしか思っておらず、行ってみたら鉄筋コンクリート造3階建ての社屋で驚いたことを憶えています。「たねいち会」の先輩方との楽しい語らいは、お酒をチビチビにラストオーダーからもずっと続きました。♪

(。・_・。)ノ

2025年2月2日日曜日

『而今』の蔵が醸す『高砂 松喰鶴 純米大吟醸山田錦無濾過生』

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2月に入り昨日今日と比較的に暖かい日が続いていますが、津軽は年末より大雪で、雪に関する死亡事故も多発しています。八甲田連邦のお陰で、県南には雪があまり降りません。1月初旬より県南から排雪用のダンプや重機が多数派遣されており、オール青森で雪と対峙しています。素晴らしいねぇ。

さて、1月は私の誕生日があり、昨年末にお歳暮にとF君より頂戴したお酒を頂きました。ドラゴンボールの孫悟空が出す元気玉のように、F君が自宅の日本酒専用冷蔵庫からエイッと選んでくれたのが高砂松喰鶴 純米大吟醸山田錦無濾過生でした。う~ん、聞いた事が無いお酒だなぁと思っていたらF君が、「『而今』の酒蔵のお酒です。知りませんでした?」と。う~ん、悔しいけれど知りませんでした。

このお酒は、三重県名張市で創業1818(文政元年)の木屋正酒造が醸しており、超入手困難酒『而今』が誕生前に造っていたお酒です。『高砂』という銘柄や蔵元は、日本各地にあったために、混同を回避するために『而今』を立ち上げています。

木屋正酒造が、2018年に創業200年を迎えたのを契機に、『高砂』を大復活させました。もちろん、製造法や使用する酵母など、既存の手法に依存せずに醸しています。今回は特に、生酛用の仕込み水を熟成させたものを使うなどの工夫を取り入れて、特注の木桶で仕込んでいます。『高砂松喰鶴』の松喰鶴は、ラベルを見ると分かりますよ。

高砂松喰鶴  松喰鶴がラベルに

裏書をどうぞ  酒色はほぼ透明

高砂松喰鶴 純米大吟醸山田錦無濾過生の酒米は、酒造好適米の絶対王者「山田錦」45%まで磨いた大吟醸造りで、酵母は酸の生成が控えめで、華やかな芳香の「くまもと9号酵母」、仕込み水には中軟水の名張川の湧水を熟成させて使い、日本酒度+1、酸度1.5ALC15.5度に醸しています。

蛇の目に注ぐと、とろみがあるように感じ、酒色はほぼ透明。香りは仄かにベリー系の果実の香り。口に含むと生酒のフレッシュさと甘さ、無濾過のきめ細かな味わい、そして生酛の酸味がバランスよく調和しており、口腔に仄かな苦味を残してスッキリとキレてゆきました。『而今』とはまた違った旨味を追求しており、感心しながらグイグイ呑ませて頂きました。

65歳の誕生日が来て感じた事は、同い年の人達が割と体力や持久力が無いという事です。中学・高校と部活で頑張っていた人たちが、社会人となってお酒を呑むようになり、運動量だけが激減した結果です。もちろん、あの頃と同等にはできませんが、30年以上筋トレを行っている身からすると、体力・持久力はとても大切だなぁ思っています。お酒も旨いし!。♪

(。・_・。)ノ

2025年1月26日日曜日

令和7年のお正月も『廣戸川純米にごり生酒』最高‼

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ここ何年か、お正月には日本酒通のF君にお願いし『廣戸川純米にごり生酒』を購入して頂いております。それは、私の勝手な主観により総括した「日本酒気に入りましたランキング2019」では第2位にランキングされた程の、超美味しかったお酒だからです!。

廣戸川にごり  首に噴出注意書き

堂々のラベル  裏書をどうぞ

滓が積もって  薄澄み部分を







撹拌して

廣戸川純米にごり生酒』は、福島県岩瀬郡で創業明治25年の松崎酒造店が醸しており、酒名は地元を流れる釈迦堂川が、昔は「廣戸川」と呼ばれていたのに因んで名付けられました。

杜氏は平成23年に26歳で後を継いだ息子さんで、その年から毎年金賞を獲るほどの研究熱心な若手杜氏です。酒蔵では洗米や浸漬などの原料処理に気を遣い、米の旨味を活かした柔らかで呑み飽きしないお酒に仕上げており、正に金賞に値するお酒となっています。令和元年6月の大阪サミットでは、各国首脳に振舞うためのお酒にも選ばれました。

廣戸川純米にごり生酒』の酒米は福島県産「夢の香」を、60%まで磨いて使っています。「夢の香」は父を出羽燦燦、母を八反錦1号で誕生した酒造好適米で、平成3年から10年もの歳月を掛けて誕生しました。良い両親を持って幸せだ!。酵母は「福島県煌酵母901-A113」で、リンゴや洋ナシの香りのカプロン酸とバナナの香りの酢酸イソアミルが出る酵母を使い、仕込み水にはミネラルの豊富な地下水を、井戸より汲み上げて使い醸しています。日本酒度は非公開ですが酸度は1.5、アルコール度数は16度で、たっぷりの滓と共に壜詰めして、壜内二次発酵させた活性にごり酒です。

廣戸川純米にごり生酒』の首ラベルには噴出注意の文字があり、しかも穴あき栓。氷点下でしたが用心して屋外で開栓。シュッと音がしてシュワシュワの泡が少し上がりました。セーフ。先ず上澄み部分を蛇の目に注ぐと、酒色は仄かに濁っています。香りは華やかで瑞々しくフルーティ。口に含むとスッキリと甘く、舌にピリピリと痺れるように酸が纏わりつきます。実に旨い!。

次に、撹拌して蛇の目に注ぐと、酒色は滓で白く濁っています。香りは変わらずフルーティ。やはりスッキリとしていて甘く、口腔や舌にピリッときて、咽喉に痛みを伴ってキレてゆきました。酸味も旨味の内に入る結構希少な味わいのお酒です。撹拌しても旨い!。一升壜なのであと4回も楽しめま~す。嬉し~。

廣戸川純米にごり生酒』を元旦以降も頂きましたが、お酒が酸化する事も無く、ほぼ開栓時のままの味わいでした。美味しいお酒のお手本のような日本酒だと思った次第です。♪

(。・_・。)ノ

2025年1月19日日曜日

R4 BYの『花陽浴美山錦48純米大吟醸無濾過生原酒』

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昨年の今頃でしょうか、日本酒通のF君から『花陽浴美山錦48純米大吟醸無濾過生原酒』を譲って頂いたのですが、実は一年前の「R4BY」のお酒なので、それで良ければとの事。私的には全く問題無し(熟成されて得も言われぬ味わいかなぁ)と思い、譲って頂きました。これだけの立派なお酒なので、家で呑むタイミングを計っておりましたが、昨年の大晦日に遂に開栓の運びとなりました。(誕生日にと思ったけど、誘惑には勝てませんでした)

希少な花陽浴  酒米は備前雄町



2022年物です  仄かに琥珀色

このお酒は、埼玉県羽生市にある創業が明治三年の南陽醸造が醸しており、『十四代』『而今』と並ぶ入手困難酒の三本指に入る一つです。創業当時から『南陽』というお酒を主力酒としていましたが、2003年に五代目蔵元と、姉夫婦の三人で立ち上げた銘柄が『花陽浴』でした。酒名の由来は、「太陽の陽射しをたくさん浴びて、大輪の花を咲かせよう」という想いから名付けられました。

南陽醸造の生産量は250石と少なく、その内『花陽浴』は120石程度と少ないため、当然入手困難のお酒となっています。酒蔵では定価での直売も行っているのですが、販売当日は当然行列となるそうです。

花陽浴美山錦48純米大吟醸無濾過生原酒』は酒造好適米「美山錦」を48%まで磨いて使い、酵母は自社培養酵母で、荒川水系と利根川水系の入り混じった伏流水(軟水)を自社井戸から汲み上げ醸しています。日本酒度・酸度は非公表ですが、ALC16度の無濾過生原酒です。

開栓し蛇の目にトクトク注ぐと、トロミがあるように感じます。酒色は透明よりは仄かに琥珀色で、香りは穏やかにフルーティ。口に含むと濃厚で甘酸っぱい味わい。重厚な甘さが果実のようにジューシーで、後ろに隠れる酸はとてもきれいに感じます。呑み込むと舌や咽喉にジワジワと存在感を感じます。美山錦でこの味わいは初めてです。間違いなく来年のランキングに入るなぁ。「これが日本酒?」というレベルのお酒でした。

F君からは昨年末にお歳暮にと日本酒を頂いております。まぁ、なかなかの銘柄に驚く私ですが、それをお誕生日に頂こうと思っておりますので、ご期待ください。それにしても花陽浴は超美味しかったなぁ~。♪

(。・_・。)ノ

2025年1月12日日曜日

八食センター酒蔵祭りで『陸奥八仙ヌーヴォー直汲み特別純米生原酒』

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青森県の津軽では、年末より大雪が降り続き1mもの積雪があります。毎日毎日降るので除雪が追い付いておらず、災害級の大雪と認定され「災害救助法」が適用となりました。国が除雪費用の一部を負担し、且つ被災者への支援を行うようです。しかし、津軽では雪下ろしで死者も出ています。早く雪が止んでほしい事を願い、不眠不休の体制で行われている除雪が、安全に行われることを願っています。

さて、昨年末に八食センターに行ってきましたが、大勢のお客さんで混み合っておりました。ちょうど年末恒例イベントの「酒蔵祭り」を開催しており、会場内も大勢のお客さんでした。ウチの奥様がお酒を買ってくれるというので、気が変わらないうちに、サッと購入してもらったお酒が陸奥八仙ヌーヴォー直汲み特別純米生原酒でした。間違いない美味しいお酒は、やっぱり『陸奥八仙』ですよねぇ。

陸奥八仙  直汲み生原酒




裏書をどうぞ  バブルが見える?

このお酒を醸す八戸酒造株式会社は2016年のIWC(インターナショナルワインチャレンジ)、大吟醸酒の部で最高賞(TROPHY)を受賞し、且つ、吟醸酒の部門でも金賞と、東北に『陸奥八仙』あり!!と国中の日本酒ファンに知らしめました。

その後も受賞は続き、2021年には世界酒蔵ランキングで何と第1位になっています。因みに第2位は『紀土』でお馴染みの和歌山の平和酒造、第3位は『蓬莱』の岐阜県の渡辺酒造店、第4位は『』の三重県の清水清三郎商店、第5位に宮城県で『伯楽星』の新澤醸造店でした。有名な酒蔵ばかりの中で第1位という酒蔵が醸す『陸奥八仙ヌーヴォー直汲み特別純米生原酒』が美味しくない訳がありません。

酒米は非公表となっていますが、酒造好適米「華吹雪」「レイメイ」辺りでしょうか。麹米を55%、掛米を60%まで磨いています。酵母も非公表でこちらも「まほろば芳(かぐわ)」辺りか。仕込み水には蟹沢地区の石灰岩層の地中深くから汲み上げた清冽な伏流水を使って醸し、日本酒度±0、酸度1.5、アルコール度数16度のスペックです。また、タンクからの直汲みなので当然無濾過の生原酒です。美味しそ~。

開栓時にはシュッと醗酵中の音が。蛇の目に注ぐと酒色はほぼ透明ですが、酒器の内側に細かなバブルがビッチリと。香りは華やかで甘い香り。口に含むと炭酸ガス感が舌にピリピリとしてサイダーのような口当たり。直ぐに生原酒の濃厚さを感じ、甘さから酸に、そして渋味に味わいが変わってゆきました。超旨い!。さすが『陸奥八仙』と思った次第です。これは今年のランキングに入りそうだなぁ。

今年の目標のひとつに「黄金崎不老不死温泉」に行くことを掲げております。3月にツアーで行こうと申し込みましたが、「基本二名様で募集しているのですが、お一人様ですか?。相部屋で宜しければキャンセル待ちとなります」と言われ、本当に行けるか心配です。♪

(。・_・。)ノ

2025年1月5日日曜日

久々の海ぼうずさんで『いづみ橋しぼりたて楽風舞純米吟醸』

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昨年の大晦日にも「お節」造りに挑戦し、お正月にはテレビを見ながらお節を頂きました。自分の好きな献立ばかりが入っているので、美味しくないハズがありません。が、お正月太りは確実です。今回のエビチリは絶品だったなぁ。







今年のお節はこれだ!

さて、昨年12月の中旬、お世話になっている建設会社常務のN氏にお誘い頂き、久々の「酒と肴と男と女 海ぼうず」さんに伺いました。メンバーは元日本酒クラブのN氏、H氏、彼らの友人T氏の4名です。

呑み放題エリア  量り売りエリア

先ず、N常務が乾杯のために冷蔵庫から取り出したのは、神奈川県海老名市で幕末安政4(1857)創業の泉橋酒造が醸すいずみ橋しぼりたて楽風舞純米吟醸でした。全ての米を自社で精米しており、全てのお酒が純米造りの酒蔵です。シンボルマークは「赤とんぼ」で、生き物を守る環境保全型の農業をモットーにしています。

このお酒のコンセプトは「とんぼの越冬卵と雪だるまラベル」で、雪の結晶と雪だるまに目がいきがちですが、実は冬の田んぼを象徴とした雪だるまと、足元には春を待つ「とんぼの越冬卵」がデザインされており、この卵こそがいずれヤゴになりトンボとなるのです。



いづみ橋しぼりたて  裏書をどうぞ

酒米は酒造好適米の「楽風舞」で、「五百万石」と食用米の「どんとこい」を

交配させて誕生させた新種の酒米です。その「楽風舞」を55%まで削った純米吟醸で、酵母は華やかな香りの協会901号を使い、丹沢山系の伏流水で醸した、いずみ橋の新酒第一号となります。日本酒度と酸度は非公表、ALC16度のお酒です。

 『いずみ橋しぼりたて楽風舞純米吟醸』の酒色は、雪だるまの絵柄から濁っているような気になりますが、無色透明です。グラスに注ぐと、香りはフレッシュ&フルーティ。口に含むと甘酸っぱい呑み口で、直ぐに酸と苦みがきて、スッキリとキレてゆきました。そもそも『いずみ橋』は割と辛いのを知っていたので、そのバランスの旨味を評価しつつ次のお酒を探しました。

よこやまSILVER  川中島幻舞美山錦

 冷蔵庫に近い私が選んだお酒は、長崎県壱岐のお酒『よこやまSILVER7純米吟醸白無濾過生原酒』で、先日日本酒通のF君に頂いており、その旨さは確認済みです。その次に冷蔵庫の中から発掘したのは、川中島幻舞純米吟醸美山錦無濾過生原酒でした。

 このお酒は日本で7番目に古い酒蔵で、創業が天文9(1540)の株式会社酒千蔵野(しゅせんくらの)が醸しています。1540年といえば種子島に鉄砲が伝わるチョット前で、いかに古いか分かります。また、かの武田信玄が呑んだお酒としても有名です。長野県長野市川中島の、北アルプスを源流に持つ「犀川」と、八ヶ岳を源流に持つ「千曲川」に囲まれた扇状地に蔵は立っています。

 代々女系家族で、現在の杜氏の千野麻里子さんも一人娘だったため、小さい頃から祖父母に蔵を引き継ぐように教育されており、東京農大で醸造学を学び、その後、国税庁醸造試験所で2年間の研修を修めた後に長野の実家の酒蔵に戻っています。「心で醸す酒」「心が感じる酒」にこだわって、一切手を抜かずに『川中島幻舞』を醸しています。

川中島幻舞純米吟醸美山錦無濾過生原酒』の酒米は酒造好適米の美山錦を49%まで磨いた実質大吟醸で、酵母は非公表ですが、仕込み水には犀川と千曲川の伏流水を使った、日本酒度+3、酸度1.6ALC17%の無濾過の生原酒です。グラスに注ぐと酒色は透明で、香りは爽やかにフルーティ。口に含むとジューシーな甘さを感じ、優しい酸とのバランスが秀逸です。呑み込んだ後の苦みもそれ程感じる事が無く、もう旨いの一言。美山錦は辛さがあって、ここまで甘さを出せないと思っていましたが、杜氏の力量に驚きました。

山形正宗稲造  黒龍純米吟醸

尾瀬の雪どけ  甲子夜光

陸奥八仙シルバー  越の誉生原酒

雨降生酛別誂  飛鸞にこまる

女将さんよりラストオーダーの声が掛かり、最後は長崎の『飛鸞にこまる無濾過生』で終了です。しかし、N常務はこれで良しとせず『而今千本錦火入れ』、『花邑純米大吟醸愛山』を次々発注し、酩酊モードに突入でした。

而今千本錦   花邑大吟醸愛山







楽しく語らう友人たち

お開きとなり三人は六日町側へ、私はN常務にお礼を述べつつ、三日町側へと店の前で分かれました。さすがに三人は家路に着いたと思いますが、タフな方々なのでその後の行方は知れません。昨年の101日に転倒し擦過傷を負った時には、タクシーが全く捕まらず、仕方なく家路を辿っていて転倒しました。今回はタクシーがある内でラッキーでした。多分問題はそこじゃないとは思いますが。♪

(。・_・。)ノ