2014年9月29日月曜日

和歌山が誇る『黒牛純米吟醸』

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 先日、家の者が所要で大阪まで行った際、あの有名な・・というか物議を醸した菓子をお土産に買ってきました。それは・・ジャジャーン・・北海道で有名な「白い恋人」の大阪版、新名物と銘打った「面白い恋人」でした。味は問題なかったのですが、やっぱりシャレがきついのではないでしょうか。道民が怒ってますよ!。

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      詰め合わせの中にほら!          面白い恋人が!

 さて、今回呑ませて頂いたお酒は、弊社の社長が愛して止まない、和歌山県海南市の『黒牛純米吟醸』でした。慶応二年(1866年)に創業の小さな酒蔵、「名手酒造店」が醸しだすお酒で、兵庫県産山田錦を蔵内にある紀州の名水「万葉黒牛の水」により仕込み、和歌山の地酒と言えば「黒牛」と言われる、旨味たっぷりのお酒です。

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 遮光布を纏っています       基本の純米吟醸酒     自信満々の筆体で黒牛

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万葉集にも黒牛が出ています  裏書きには黒牛の由来も

 『黒牛』といえば“旨味”と、近畿地方の万人が申すそうですが、私もぐい呑みに注いで先ず立ち香を。う~ん、香りは微かですが酸味を予感させる立ち香を感じます。唾液を咽喉の奥に追いやって先ず一口目。酸味や辛味も程々に感じますが、仄かに甘さも感じます。咽喉越しが少しピリッとして旨味もあり、敢えて言うと無難な味わいか。食中酒の典型で、料理に邪魔にならず、料理の味わいを高める。なるほど今日は料理がおいしく感じます。

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   ぐい呑みは桐箱付きの清水焼         口縁が厚くズッシリと

 今回使用したぐい呑みは清水焼の逸品。清水焼は寛永(1624年~)の頃に始まり、明暦(1655年~)の頃に現れた野々村仁清などが造った京焼絵陶器を古清水と呼んでいます。天明、寛政(1800年頃)の頃に清水寺の畔で磁器を造ったことから、幕末には清水焼と呼ばれるようになり、清水焼は京焼の主流となったそうですが、まあ何はともあれズッシリとした手応えに滑らかな口当たりが、何とも言えない風情を醸します。美味しいお酒を美味しく頂くには、酒器も大切だと考えています。♪

\(。・_・。)ノ

2014年9月22日月曜日

懐かしい人と『常きげん 山純吟しぼりたて』

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 もう秋の彼岸がやって参りました。この間のお盆の忙しさに青息吐息だったのに。でも仏様は私たちに会いたくて、一日千秋の想いだといいます。こうなったら折角なので、亡き父をたっぷりと思い出したいと思っています。

 さて、私が現場監督として国の直轄の仕事をさせて頂いたとき、初めて現場代理人となり右も左も分からなかった私を、鍛え励まし指導してくれた協力会社の若き監督がおりました。それがS氏です。その後も国道の現場を10年近くも苦楽を共にし、公私ともにお世話になった方でしたが、その後、大手建設会社を退社し青森市に活躍の場を移し、大きな工事を苦も無くやり遂げていました。今回その方と仕事で会う機会があり、一緒にお酒を呑ませて頂きました。

 やっぱり酒席では昔の話に花が咲き、いろんな思い出話も出て、参加された方々には何のこっちゃ・・という感じだったかも知れませんが、私たちはそんな話をするだけで、その当時の若かった二人に戻っておりました。

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   左がS氏、左から2番目が私        二次会は長横町のディンプルで

 そんな酒席に準備したお酒は、石川県加賀市の文政二年(1819年)創業の鹿野酒造株式会社が醸す『常きげん 山純吟しぼりたて』でした。「山純吟」は山廃・純米・吟醸の略なのでしょう、瓶に朱く立派な文字が映えて見えます。山形の上喜元と間違いそうですが、こちらは加賀百万石の「常きげん」です。原料米は酒造好適米の山田錦で、自前の田圃で造ったものを使用しています。仕込み水は、霊峰白山の伏流水を「白水の井戸」から汲み上げたもので、山廃にこだわって丁寧に造っています。ちなみに「常きげん」の由来は、酒蔵の四代目当主が【八重菊や 酒もほどよし 常きげん】と詠んだことからきているそうです。

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肩ラベルのしぼりたてが美味そう  グラスに注いでもらいました

 立ち香は仄かで、少々フルーティな香りが。でも山廃特有の酸味が少し隠れているような感じも。味わいを確かめるように、数回口に含み呑み込みます。どっしりとした味わい。甘いのかな・・と思いますが、甘口のようで実は芯に辛さを持った日本酒度+4.5の『常きげん 山純吟しぼりたて』は、咽喉にポッと辛さを残して、スッとキレてゆきました。誇屋さんのお料理が、このお酒で余計に美味しく頂けました。♪

\(。・_・。)ノ

2014年9月15日月曜日

『鷲の尾 吟醸生』で故人を偲び

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 今年も朝顔がきれいに咲いており、屋根の雨樋までがんばって到達しました。この青い花の朝顔は種がなかなか採れない品種で、種の採取にはとても苦心しています。爽やかな青色の朝顔は珍しいので、細目に探して1粒も見逃さないようにしています。

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 屋根までたくさん咲いています      きれいな青い朝顔

 さて、盛岡の親戚が、法事で来八した際に「八戸のお酒はとってもおいしいね」と言ってくれたので、私も自分の事を褒められたようで嬉しくなり、後日、機会があり『陸奥八仙 新春祝酒純米吟醸無濾過生原酒』を差し上げました。そのお酒をとても気に入って下さり、お礼のお手紙と共にいつも自分が愛飲している『鷲の尾金印』を送って下さいました。お酒をこよなく愛する気さくな方で、「また一緒にお酒を呑みたいね」と言っておりましたが、病に倒れ黄泉の国へ旅立ってしまいました。役所勤めでしたが驕らず誠実で、誰にでも優しく笑顔で接し、仕事で法務大臣から表彰されても自慢する事も無い、いい人の見本のような方でした。

 今回、お悔やみに伺った帰りに盛岡駅で買い求め、故人を偲んで陰膳とともに頂いたお酒は、故人が大好きだった「鷲の尾」の『鷲の尾 吟醸生300ml』でした。

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  300mlサイズです  吟醸生はレアでなかなか売っておりません

 文政2年(1829)創業の(株)わしの尾は、大鷲が棲んでいた巌鷲山(岩手山)の山麓から湧水する清水で醸造されている事から、『鷲の尾』と命名されているそうです。

 ぐい呑みに注いだお酒に鼻を近付け深呼吸しましたが、涙目の鼻が詰ってしまい、香りが利けませんでした。ぐい呑みを傾け、舌の上にお酒を載せた瞬間やさしい甘さを感じますが、すぐに辛さがじわじわと口腔に浸みわたり、ゆっくり呑み込むとしっかりした旨味、そして咽喉の上方にじわじわの辛さが移っていきました。

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     青森のサンロードで購入     陰膳?Kさんのぐい呑みにもお酒を

 自分本位な話ですが、じっくりとお酒の味わいを語るには、ビールや焼酎よりやっぱり日本酒ではないでしょうか。その日本酒を愛する方が一人去ってしまいましたが、一人また一人と日本酒愛飲者の裾野を広げ、微力ですが日本酒の美味しさを伝えていきたいと思っています。合掌。

\(。*_*。)ノ

2014年9月8日月曜日

うまい!『陸奥八仙 華想い50純米大吟醸無濾過生原酒』

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 朝晩は肌寒く秋めいて参りましたが、日中はまだ残暑が厳しく、涼やかな夜にはホッとします。わが家に習字のお稽古で通って下さっているお弟子さんが、涼やかな菓子を差し入れて下さいました。しかも手作り。姿や味わいなど完成度の高さはプロ級でしょう。食べてしまうのが勿体無いなあと思いながら頂きましたが、とっても美味しかったで~す。

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  金魚が泳ぐ涼やかなゼリー菓子

 今回は実家で頂いたお酒ですが、何か呑みたいお酒は無いかと車中でお袋様に問われ、そのまま江陽二丁目の「加藤酒店」へ。店に入るや否や即座に『陸奥八仙 華想い50純米大吟醸無濾過生原酒』を目ざとく見つけ買って貰いました。今年55歳になるのにいいのかなあ、買って貰って。

 八戸にも酒蔵は多くありますが、八戸酒造株式会社の『陸奥八仙』ほどの完成度のお酒は、なかなか他県でもお目に掛れません。駒井専務は、関東方面に終日お酒のイベント開催のため通っておりますが、ドカンと『陸奥八仙』に火が着いて品薄になりプレミアがついたら・・・と考えると、駒井専務にはもう少し自粛をお願いしたいと思っています。

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   ピンクのラベルが誘う      華想いが本気で旨い    裏書きにはお酒の情報が

 さて、『陸奥八仙 華想い50純米大吟醸無濾過生原酒』を気の急くままぐい呑みに注ぐと、フレッシュでフルーティな立ち香がドーンとやって来ます。お酒の色は薄っすら黄色味を帯び、湧き上がる旨さの予感が胸を高鳴らせます。口に含むと『陸奥八仙【赤】』ほどのインパクトは無いものの、華やかなジューシーさが群を抜いており、甘さの中に芯がビシッと通っています。口腔にはピリ感はないものの、ヒリヒリ感がジワジワやってきて、爽やかに切れてゆきます。

 酒米、掛け米とも「華想い」で、「山田錦」と「華吹雪」を掛け合わせて造った、青森県が誇るスバラシイ酒米です。仕込み水は蟹沢水源の湧水を使用し、日本酒度-1、アルコール度数17度と呑みやすさを前面に押し出して造られたお酒です。

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   お酒の色味が分かりますか

 私がお送りする「日本酒気に入りましたランキング」に、今年度、顔を出しそうな味わいで、いつもより一合多くお酒が進んだと思います。♪

\(。・_・。)ノ

2014年9月1日月曜日

モンドセレクション金賞『渓流朝しぼり出品貯蔵酒』

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 今年の八戸地方は、お盆には過ごしやすい気候となり、逆に肌寒い感もありました。毎日暑い名古屋から帰省した長男は、八戸は夜が寒いので風邪をひきそうとも言っておりました。そんな中、お盆に義兄より夕食のお誘いを頂戴しました。

 今回、義兄宅で御馳走になったお酒は、隠れ日本酒王国、長野県の須坂市にある元治元年(1864年)創業の小さな酒蔵、株式会社遠藤酒造場で醸した、『渓流朝しぼり 出品貯蔵酒 氷冷熟成酒』というお酒でした。このお酒はベルギーのモンドセレクションで2006年2007年と連続して金賞を受賞するという快挙を成し遂げたお酒です。

 このお酒はアル添酒で20度までアルコール度数を高めています。そして搾ったお酒は10か月間氷温で貯蔵し、新聞紙に包んで光を遮り、最高のコンディションで出荷されます。日本酒度は-6と甘口で、酸度は1.8となっています。

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肩から下がる栄光の金賞受賞      限定の文字が眩しい 

 早速義兄よりグラスにお酒を注いでもらい乾杯。香りはおとなし目ですが、日本酒度から連想される通り、うっすらフルーティで甘さと旨味を兼ね備えており、アル添と思った自分を責めました。こんなに美味しいアル添酒があるなんて、モンドセレクション金賞がうなづけます。濃厚な『渓流朝しぼり 出品貯蔵酒 氷冷熟成酒』は口腔に旨味を残して咽喉越しも穏やかに雑味なく切れてゆきます。しかも、20度のアルコール度数をナメて、義兄と交互に頂戴していたら、あっという間に酔いが回り、夢の楽園へ昇天してしまいました。900mlで1390円は絶対お得なお酒です。

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ぐい呑みは江戸切子でしょうか

 因みに私がインターネットで調べたところ、某日本酒ランキングで長野県のお酒が3種類ぐらいランクされており、これは侮れないと知って、早く長野県のお酒を呑みたいと思っていた所にこの『渓流朝しぼり 出品貯蔵酒 氷冷熟成酒』は、まったくタイムリーでしかも美味しいお酒でした。皆さんにもお勧めします。♪

\(。・_・。)ノ