2024年5月26日日曜日

テロワールの酒造り『モダン仙禽 亀の尾無濾過生原酒』

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519日に開催された「第43回八戸うみねこマラソン」に今年も参加させて頂き、何とか無事に完走致しました。昨年は13km付近からの膝の関節痛で、ハーフの部最下位になった事を考慮し、不本意でしたが今回は10kmの部に参加しました。残念ながら風光明媚なうみねこロードを駆ける事は叶いませんでしたが、沿道の方々の熱い声援で、10kmを完走できた私は果報者です。

緊張気味の私  モー頑張るぞ‼

さて、仕事で世話になっているF君は、超が付くほどの日本酒ファンで、F君ちの冷蔵庫には通販で買い求めた、目が眩むほどのスゴイ日本酒が保管されているようで、時々分けて貰っています。今回も彼にお願いしてお酒を頂きましたが、これも八戸で簡単には手に入らない貴重なお酒なんですよねぇ。そのお酒とは、栃木県さくら市で文化三年(1806)創業の、株式会社せんきんが醸す『モダン仙禽(せんきん)亀の尾無濾過生原酒』です。

仙禽亀の尾  首ラベル

漢字で仙禽  裏書をどうぞ

キャップに鶴が 酒色は透明で

主力酒はもちろん蔵名を冠した『仙禽』で、酒蔵の名の由来は、仙界に棲み仙人に仕える鳥「鶴」を意味します。この酒蔵では土地の風土を活かすというテロワール重視の酒造りを行っているため、酒造りに使う米を仕込み水と同じ水脈上にある田圃から収穫するドメーヌ化を実現させています。また、『仙禽』には『モダン』とクラッシックがあり、現代の日本酒造りの基本となっている、速醸酛製法で造られるのが『モダン仙禽』で、古くから伝わる生酛造りの製法で造られたのが『クラッシック仙禽』と分けられています。

モダン仙禽(せんきん)亀の尾無濾過生原酒』の酒米は、希少な古代米とされる「亀の尾」で、造り手泣かせと云われる硬く溶けにくい米を使っています。栃木県さくら市産山田錦を50%精米で麹米に、また同じくさくら市産の亀の尾を60%精米で掛米に使い、鬼怒川の伏流水(超軟水)を井戸から汲んで醸した、ALC14度の軽めのお酒です。尚、スペックは非公開なので、利いてみたくなりますよねぇ。

開栓すると甘やかな香りが漂います。蛇の目に注ぐと酒色は透明で、香りは果実のような爽やかでフルーティな香り。口に含むと淡麗で甘酸っぱい果実の味わい。舌にはチリチリと酸が残り、口腔の奥には苦みのアクセント。呑み進むと辛さが顔を出し、徐々に辛さは増してゆきました。亀の尾の旨味がギュッと凝縮された味わいに超満足です。お酒を利いた結果は、推定で日本酒度+1~+2、酸度1.61.7くらいでしょうかねぇ。

今回は一升壜での購入だったため、二合ずつ5回に分けて頂く事になります。この「亀の尾」は開栓後、徐々に味がのってくるという話もあるため、それはもう無上の楽しみです。また、ぐい呑みで複数回呑むため、二合以上消費しそうな気もしますが、しっかり5回で呑み切っているのが不思議です。♪

(。・_・。)ノ

2024年5月20日月曜日

鳳凰美田の中でも人気№1『鳳凰美田 碧判 純米吟醸原酒無濾過本生』

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五月二十日は二十四節気の「小満」で、全てのものが次第に伸びて天地に満ち始めるのだそうです。そう、家の四方の雑草がドンドン伸びており、とにかく除草作業の毎日です。先週まで花壇のチューリップが咲いて心を和ませ、今は玄関のビオラたちがきれいに咲き誇っています。大変な草取りを割り引いても、嬉しい季節になりました。

玄関前のビオラ  チューリップ

さて、昨年末に日本酒通のF君より、有難い事にお歳暮として2本のお酒を頂戴しました。今回その内の1本を今回ご紹介するのですが、冬季限定、極少量生産の『鳳凰美田 碧判 純米吟醸原酒無濾過本生』です。栃木県の日本酒ランキングでも三本の指に入る『鳳凰美田』ですが、その中でも特に人気№1のお酒が『碧判』なのです。

鳳凰美田碧判  限定品




裏書をどうぞ  仄かに琥珀

栃木県小山市で創業が明治五年(1872)の小林酒造が醸すお酒で、創業当時の主力酒は『鳳凰』でしたが、新たな銘柄のお酒を立ち上げた際に、美田(みた)村という良質な湧き水と米の産地に酒蔵があった事から『鳳凰美田』と名付けられたお酒です。二十年ほど前にはお酒が売れずに廃業も考えていたという酒蔵でしたが、酒蔵を継いだ夫婦が試行錯誤しながら酒造りに励み、今では全量を吟醸造りとし、『鳳凰美田』は人気の銘柄にまで上りつめました。

鳳凰美田 碧判 純米吟醸原酒無濾過本生の酒米は、贅沢に五百万石を55%、山田錦を50%まで磨いて使っています。酵母は自社酵母、仕込み水には日光連山の清らかな伏流水(中硬水)を使って醸した、日本酒度は±0で酸度は1.8のお酒です。

開栓し蛇の目に注ぐと酒色は透明で、マスカットのような華やかな吟醸香が漂います。口に含むと口当たりは瑞々しく、スッキリと甘酸っぱい味わいで、淡麗さも感じますがフルーティ&ジューシー。呑み込むとジューシーな酸味が口中に残り、咽喉がカッと熱くなりました。そして口腔に苦味だけを残しキレてゆきました。無濾過生原酒の割には爽やかさとスッキリ感があり、重たくありません。この美味しさに、さすが『鳳凰美田 碧判』と思った次第です。

しかし、3日後に残り2合を頂いた時には、あまりの美味しさにビックリ!。甘さが重厚になっており、酸の角が取れコクも出て、旨味が爆上がりしていました。大概のお酒は、空気に触れると酸化し、酸味が強くなる傾向にあるのですが、このお酒は素晴らしい。大事に大事に頂きました。

F君から2本貰ったと書かせて頂きましたが、残りの1本は入手困難酒『鍋島純米大吟醸 愛山45生酒』です。F君は「愛山」ファンなので、入手している事自体には驚きませんが、私にお歳暮で・・・とは。う~ん参った。♪

(。・_・。)ノ

2024年5月12日日曜日

新潟といえば『あべ』でしょう『あべ純米吟醸おりがらみ生原酒』

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先日、八戸白鷗ライオンズクラブが主催する献血に行ってきました。もうすぐ65歳になりますが、人の役に立ちたいという気持ちは未だ薄れてはおりません。今回の献血で累計59回目と、もう少しで60回の節目を迎えます。誰かの命を救う一助になればという想いと、「情けは人の為ならず」でいつかは自分が病気などでお世話になるかも知れません。皆さんも献血に御協力ください。

さて、元日に当ブログで発表させて頂いた【日本酒気に入りましたランキング2023】で、第2位に輝いたお酒が『あべ一本〆純米吟醸おりがらみ生原酒』でした。もちろんこれ程美味しいお酒なので、新潟県の日本酒ランキングでも第1位となっており、入手が困難になりかけています。しかし、仕事で世話になっているF君にお願いして、昨年に引き続き『あべ』を頂きましたが、今回は通称シルバーラベルの『あべ純米吟醸おりがらみ生原酒』でした。ありがたやー。

あべ滓がらみ  注意書き①

注意書き②  裏書をどうぞ

撹拌前は  撹拌後は白く

このお酒は、新潟県柏崎市で文化元年(1804)創業の小さな酒蔵、阿部酒造が醸しており、創業当時からの代表銘柄は『越乃男山』でしたが、2013年には五代目の蔵主が廃業を考えるほどお酒が売れず、経営が行き詰まっていました。そこで現在の酒造責任者である、当時全くの素人だった息子さんが六代目として蔵に入り、一から酒造りを勉強して見直し、「手間暇を惜しまずに、他社より10倍も100倍も努力して“圧倒的に”うまいを目指す」酒造りに舵を切りました。

その後、個性的で覚えやすい「あべシリーズ」、星座の名前が付いた「スターシリーズ」、地域の圃場の名前が付いた「圃場別シリーズ」などを世に出しました。今では「あべシリーズ」が大ヒット酒となっています。

あべ純米吟醸おりがらみ生原酒の酒米は新潟県産「五百万石」を60%まで精米して使っています。酵母は香露酵母とも呼ばれる協会901で、酸の生成が少なく香気が高い吟醸用の酵母を使用し、柏崎市の名山、米山からの伏流水で醸したALC14度のお酒です。なお、スペックは非公表となっています。

開栓するとプシュッと醗酵中の音がし、細かなバブルが壜の内側を伝って上ってきました。撹拌せずに蛇の目に注ぐと、青い輪が薄っすらとしか見えない滓がらみのお酒です。また、酒器の内側に細かなバブルがビッチリと張付き、ピチピチと音が微かに聞こえます。香りは爽やかな柑橘系のフルーティな香り。口に含むと微炭酸のピチピチ感が口腔に刺さります。仄かな甘さと苦み、酸味が総じて旨味となっており、呑み込むとシュワシュワと咽喉に流れ、苦味が残ってキレてゆきました。余韻にはビター感が残り「うっ、旨い!」と声が出ます。今度は壜を振って撹拌し蛇の目に注ぐと、青い輪がほぼ見えないくらいの滓が満ちています。甘さが増しており酸と苦みは弱くなって、旨味のバランスが変わります。この旨さに、さすが『あべ』は違うと思った次第です。

交換したアイテム  蓋を抑えます

前述の献血ですが、係りのお姉さんから「ポイントがたまっています。何かと交換できますよ」といわれ、カップヌードルの蓋の持ち上がりを抑えるアイテムと交換しました。土日の昼食は殆どカップヌードルなので、超が付くほど役立っています。♪

(。・_・。)ノ

2024年5月5日日曜日

居酒屋海ぼうずさんで乾杯『奥六純米吟醸生酛仕込unite』

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今年の1月に居酒屋海ぼうずさんへ伺いましたが、直後に帯状疱疹に罹患したため禁酒状態にありました。漸く完治したため、やっと2回目の海ぼうずさんとなりました。お相手は、昨年度も私に仕事を発注してくれたF君とその部下のK君です。新年度もお手柔らかにと乾杯しています。

3階は立派なお酒  1階2階は呑み放題

K君が少し遅れるという情報から、乾杯の練習として冷蔵庫3階よりお酒をチョイス。私は岩手銘醸の『奥六純米吟醸生酛仕込unite』を、F君は『十四代純米吟醸おりがらみ生』で声高らかに乾杯です。



奥六unite  緊張のK君(中央)

岩手銘醸の創業は安政5(1858)で、本社はドジャース大谷の誕生の地、岩手県奥州市にあり、支店を一関市に設けています。岩手銘醸の主力酒は昭和30年に誕生した『岩手誉』で、支店では平成17年に『玉の春』を新銘柄として立ち上げています。そして昨年新ブランドとして立ち上げたお酒が『奥六』で、酒名の由来はこの土地からきており、岩手内陸を奥六郡と呼んでいたことから、当地産の酒米で醸すお酒に『奥六』と名付けています。また、ラベルは「川西大念佛剣舞」をデザインしています。

酒米は岩手が誇る酒造好適米の、奥州市産「結の香」を50%まで磨いた実質大吟醸のお酒で、酵母は杜氏の奥さんの出身地である秋田で誕生した協会6号酵母。仕込み水には日照りが続いても枯れた事のない「からめ井戸」から湧き出る軟水を使って醸した、ALC15度のお酒です。

グラスに注いでもらうと立ち香は仄かでフルーティさが。早速、口に含むと優しい甘さと酸味があり、生酛特有の強めの酸味は気になりません。逆に6号酵母と軟水仕込みで、口当たりがフルーティに感じられるのかも。充分に満足のいく乾杯酒となりました。

さて、漸くK君も到着合流したため、乾杯の練習の成果を出すことに。呑み放題のスタートのお酒は、三重県伊賀市で創業明治25年の大田酒造が醸す花芽実(かがみ)特別純米にごり生原酒SILKY CLOUDです。滓がらみの滓が沈殿していたので、先ずは澄んだ部分で乾杯して呑み干し、その後、撹拌して再度グラスへ注ぎました。

花芽実薄澄み  撹拌後の花芽実

大田酒造の主力酒は当地のレジェンド服部半蔵に因んだ『半蔵』で、年間600石を手作業に拘り醸しています。2019年に24歳で七代目の杜氏に就任した大田氏が「自分自身が仲間と呑みたい酒を妥協せずに造る」として誕生させたブランドが『花芽実』で、心に芽吹いた想いを咲かせ実らせたいとの想いから名付けられています。

花芽実(かがみ)特別純米にごり生原酒SILKY CLOUDの酒米は三重県産が新開発した酒造好適米「神の穂」で、酵母は吟醸酒に多く使用される、酸の生成が少ないそして香気の高い協会901号。それらを蔵内の井戸水で醸した、日本酒度-2、酸度2.2ALC16のお酒です。

薄澄みを注いだグラスからは、仄かに甘さを湛える香りがします。口に含むと『奥六』よりもハッキリとした甘さで、果実のようなキレイな酸も感じます。F君と顔を見合わせ、「これは旨い!」と声が出ました。撹拌後に頂くとシルキーな呑み口で、甘さはそのままに酸味がより増幅しており、旨味という点で撹拌前の方が美味しかったと感じました。

さて、「『花芽実』美味しかったねぇ」といいながら、何気に冷蔵庫から取り出し、グラスに注いで呑んだらビックリ!。これが本日一だった『浦里純米吟醸ひたち錦』でした。驚いたなぁ、美味しくて。








浦里純米吟醸

このお酒を醸すのは、茨城県つくば市の創業が明治10年の浦里酒造店で、主要銘柄は『霧筑波(きりつくば)』です。六代目の蔵元兼杜氏が蔵に入り、二年目の2020年に誕生させたのが新銘柄の浦里で、2021年の「南部杜氏自醸清酒鑑評会」吟醸の部において、主席を獲得するという離れ業をやってのけました。杜氏の拘りは、「茨城生まれの小川明利酵母(協会10)を使って醸す」ことで、醸造理念にも「小川酵母を極める酒造り」を掲げています。

浦里純米吟醸ひたち錦』の酒米は酒造好適米の「ひたち錦」で、透明感の高いスッキリとした味に仕上がるお米です。このお米を50%まで磨いた実質大吟醸で、酵母は拘りの小川酵母を使い、中軟水の筑波山系伏流水を井戸から汲んで、仕込み水に使って醸した、ALC15度で1回火入れの原酒です。

グラスに注ぐと酒色は透明で、香りは果実のようにフルーティ。口に含むとジューシーな口当たりで、上質な甘さにビックリ!。呑み込むと心地よい渋味があり、微かな辛さが余韻となってキレました。酸をほぼ感じさせない手腕と味わいのバランスの良さに、驚きを隠せない我々でしたが、裏書を見て驚きました。これが何と1回火入れ。とても火入れと思えない、生酒のような旨さに驚いた三人でした。これは今年のランキングに入るなぁ。

亀治好日番外   麓井ジューシー

山本うきうき   流輝Morpho

鳳凰美田初搾り  紫宙スノー

萩の鶴生原酒   OCEAN99銀海








裏酒一筋  

浦里』をお代わりしてから次々とお酒を頂きました。山形県の『亀治好日番外編』は夏子の酒のイラストが。同じく山形の『麓井ジューシー純吟』、これも美味しかった秋田県の『山本純米吟醸生酒うきうき』、群馬県の『流輝純米大吟醸Morpho』、栃木県の『鳳凰美田純米吟醸初搾り生』、岩手県の『紫宙純米吟醸スノーラベル』、宮城県の『萩の鶴純米吟醸別仕込み生原酒』、千葉県の『OCEAN99銀海Departure無濾過生原酒』で、呑み放題の最後のシメは岡山県赤磐市の利守酒造が醸す辛口の『裏 酒一筋番外生酒』でお開きでした。F君もK君も十分満足したと思いますが、私は当日、献血したばかりなので、あまり呑むわけにもいかず、ペースを落として呑ませて頂いた次第です。



 



 同級生と偶然再会

さて、昨年の10月に擦過傷で病院通いをしていた時、偶然同じ擦過傷で通院していた中学校時代の同級生と遭遇しました。お互い日本酒を呑んで転んだ話で盛り上がり、私が海ぼうずさんのお酒が凄いと言ったのを憶えていてくれて、当日来たとの事でした。さて、どうでしょう。気に入ってくれたでしょうか。それにしても偶然というのは恐ろしいものです。♪

(。・_・。)ノ