2024年2月25日日曜日

ひろがる酒店で発見!③『弥栄鶴純米吟醸 亀の尾蔵舞生酒』

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今年も例年通りに確定申告をして参りました。今回で3回目なので慣れたかと思えば、老いも手伝って色々と大変で、申告はいよいよ手強さすら感じます。しかし、女性の係員の方が寄り添い、丁寧に指導してくれるお陰で、何とか無事に終わらせる事ができました。本当に感謝しております。頼りがいのあるお姉さんは、よりキレイに見えるので不思議です。

さて、八戸市堤町に新しい酒屋「ひろがる酒店」さんが開店し、購入させて頂いたお酒は、先週、先々週と紹介させて頂いた『町田酒造55特別純米五百万石にごり』と安芸虎 素()発泡純米吟醸うすにごり生酒でしたが、最後の3本目はこの『弥栄鶴(やさかつる)純米吟醸 亀の尾蔵舞生酒』です。

このお酒を醸すのは、京都府の京丹後市で創業が幕末の弘化4年(1847)の酒蔵で、昭和22年には食糧難で酒造りを止めていた近隣の4つの酒蔵を合併し竹野酒造となっています。代表銘柄は『弥栄鶴』と『蔵舞』で、酒蔵では香り高く呑み易いお酒を目指して設計しており、甘口なのにキレの良さをもったお酒が自慢です。

酒蔵では兄弟3人が働いており、そのうちの一人が杜氏を務めていますが、能登杜氏で高名な農口尚彦氏のもとに修業し、自身の酒蔵へと戻ったあとは、従来の酒造りに捉われない、日本酒と云うカテゴリーを超える味、新たな独自の味わいのお酒を目指しています。

弥栄鶴亀の尾蔵舞  亀の尾蔵舞



裏書をどうぞ  酒色は透明で

弥栄鶴純米吟醸 亀の尾蔵舞生酒』の酒米は「丹亀の尾」で、亀の尾の突然変異のお米だそうです。へぇー。契約農家に「亀の尾」を栽培依頼していたところ、白いはずの稲穂の中に赤い稲穂がいくつかありました。お酒にしてみたら「亀の尾」より美味しいお酒になった事から、それを農林水産省へ品種登録し、赤い米なので、地元丹波の丹(赤の意味合いがある)を亀の尾に冠して「丹亀の尾」としました。その丹亀の尾を60%まで磨き、自家酵母を使い、仕込み水には霊山金剛童子山の伏流水で醸し、日本酒度-15、酸度2.1ALC14度に仕上げています。

開栓するとシュッと醗酵を示す音がしました。蛇の目に注ぐと酒色はほぼ透明で、スローモーションのようにトロリと流れ落ちます。香りは穏やかな甘さを湛え、生酒特有の香りがしています。口に含むとやはり甘やかでジュースのよう。酸は果実系の酸味で、呑み込むと口腔は穏やかな酸一色に変わりました。少し経つと今度は仄かな苦みが口腔を覆います。日本酒度-15の甘さが甘過ぎず丁度良く感じるのは、後味の酸のせいでしょう。こんなに甘いのにキレも感じました。あまり呑んだ事のない味わいに、日本酒は本当に深いと感じた次第です。

侮れないのは「ひろがる酒店」さんで、まだまだ知らないお酒が結構あります。お店に伺うのが楽しみで仕方ありません。♪

(。・_・。)ノ

2024年2月18日日曜日

ひろがる酒店で発見!②『安芸虎 素(そ)発泡純米吟醸うすにごり生酒』

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八戸には217日から20日まで行われる「えんぶり」という伝統行事があり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。華やかな烏帽子を頭に被り、種まきや田植えの動作を舞で表現する、豊年を祈願しそして春を呼ぶお祭りです。「木」偏に「八」のつくりでえんぶりと読ませるのですが、造語だと思います。地元八戸の人たちは「えんぶり」が始まると、春がもうすぐだと実感するのです。

さて八戸市堤町に新しい酒屋「ひろがる酒店」さんが開店し、先週紹介させて頂いた『町田酒造55特別純米五百万石にごり』と共に購入したのが、今回ご紹介する安芸虎 素()発泡純米吟醸うすにごり生酒です。

このお酒は高知県東部の太平洋に面した安芸市で、創業は明治36年の有光酒造場が醸しており、酒名は地域の人々に愛された、高知の七大武将「安芸國虎」に因んで名付けられました。この蔵では「心の栄養となれるような優しさを持つ食中手を目指す」を信条としており、江戸時代に建てられた蔵で、昔ながらの酒槽を使って、手間暇を掛けゆっくりとお酒を搾っています。

安芸虎発泡  ラベルにトラ



裏書をどうぞ 微発泡の泡が

酒色は濁り  ほら滓が舞って

安芸虎 素()発泡純米吟醸うすにごり生酒』の酒米は「松山三井」を50%まで磨いています。以前は飯米でしたが、旨味や粘り柔らかさなどがコシヒカリやササニシキなどより劣るため飯米として徐々にシェアを奪われました。また、大粒なため他のお米とブレンドもできず敬遠されましたが、大粒で硬い米質、タンパク質含有量が少ない事から、現在は酒米へと転用されています。酵母は低アルコール酵母を複数混ぜて作られた「かんかん丸」を使い、赤野川の伏流水を井戸から汲み上げて醸しています。日本酒度-6、酸度1.8ALC14度のスパークリング酒です。

キャップを回すと気泡がシュワシュワと上がってきて、少しずつガスを抜きながらの開栓です。蛇の目に注ぐとバブルの泡が湧き上がり、滓が壜の中で撹拌されます。その泡は注がれた酒器の内側に張り付き、滓のせいで酒色は濁った白色です。香りは仄かですが、爽やかな柑橘系の香り。口に含むと細かなバブルがシュワシュワ、ピリピリっと舌や口腔を刺激します。優しい甘さが直ぐに酸に変わり、呑み込むと苦みに変わっていき、しっかりとキレを作っていました。総じて甘そうで酸の効いた後味が苦いお酒ですねぇ。バランス的には良かったと思っています。

俗に土佐の高知は日本一の大酒飲みといわれています。また、高知と云えば『酔鯨』『』『久礼』や『司牡丹船中八策』など辛口のお酒が幅を利かせているようですが、『安芸虎 素()発泡純米吟醸うすにごり生酒』のような甘口もニーズがあるのでしょうか。♪

(。・_・。)ノ

2024年2月11日日曜日

ひろがる酒店で発見!その1『町田酒造55特別純米五百万石にごり』

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昨年末より大変気になっていた事がありました。それは、八戸市堤町に新しい酒屋「ひろがる酒店」さんが誕生していたことで、品揃えが気になっていましたが、日本酒仲間のF君が『町田酒造』を置いているらしいという怪情報をくれたのです。早速、スマホで「ひろがる酒店オンラインショップ」を見たら、何と、ありました『町田酒造55特別純米五百万石にごり』です。早速、当日中に店に立ち寄り即購入してきました。やっと八戸にも『町田酒造』が来てくれたか!!。バンザーイ!!。

このお酒は、群馬県前橋市で創業明治16年の町田酒蔵が醸しており、以前にも居酒屋「海ぼうず」さんで頂いたのですが、あまりの美味しさに感動を覚えたお酒です。

創業からの主力酒は『清嘹』でしたが、ビールや焼酎の台頭で日本酒の消費量が著しく落ち込んだ際に、現在の五代目の蔵主が「今までに無い美味しいお酒を造れば必ず手に取ってくれる人がいる」との信念から、蔵名を冠した『町田酒造』が誕生しました。全量手造りの小仕込みで、フレッシュさを損なわないようにと、搾ってから3分以内に壜詰めを徹底しているそうです。また、杜氏は四代目蔵主の娘さんが務めており、その旦那さんは娘婿で五代目の蔵主を引き継ぎ、夫婦で助け合いながら酒造りを行っています。いい話だなぁ。

町田酒造  注意書きが

裏書をどうぞ 滓が舞って

酒米は酒造好適米の五百万石を55%まで磨いた吟醸酒で、酵母は吟醸香をたくさん生成する協会1801号と、フルーティな酒質に仕上がる群馬KAZE酵母を使っています。仕込み水は利根川の伏流水を、蔵内の井戸より汲み上げて使い、日本酒度-1、酸度1.5ALC16度のお酒に醸しています。

開栓するにあたり注意書きを読み、スクリューキャップを少し緩めてガスを抜くと、発泡が上昇してきたのでキャップを締め、それを繰り返してガスを抜きました。蛇の目に撹拌前の薄澄みをゆっくり注ぐと、少しトロミがあるようです。酒色は撹拌前でも滓が舞っているので、うっすらと白く濁っています。また、バブルがぐい呑みの内側にびっちりと。香りは爽やかでフルーティな吟醸香。口に含むと微発泡の炭酸バブルが液体とともに流入。口中がピチピチ感に溢れ、フレッシュでスッキリとした呑み口に。程好い甘さと直ぐに辛み、仄かな酸味が三位一体で旨味になっています。呑み干すと「旨い!」と声が出ました。







 撹拌後は白く

今度は撹拌してから口に含みます。滓が混ざってトロミが強くなり、微発泡感、フレッシュさは少し薄れますが、僅かにラムネのような甘さと、滓からの上質な旨味、コクが感じられ、最後に苦味を残してキレてゆきました。

ひろがる酒店さんは、どうやって町田酒造さんと取引が開始できたのか分かりませんが、店のコンセプトは「他店で扱わないお酒を販売する」だそうです。店の冷蔵庫の中は、期待に違わぬ品揃えなので、楽しみに通ってみたいと思っています。♪

(。・_・。)ノ

2024年2月4日日曜日

岐阜の酒は旨い!『小左衛門初のしぼり純米吟醸生酒』

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今年の冬は例年に比べ比較的暖かいような気がしますが、やはり暖冬なのでしょうか。しかし、元旦に発生した北陸の地震は、暖冬とはいえ寒い中で避難された方々が多く、特に体調管理が難しいと思います。仮設住宅の建設を急ぎ、温かな住居を得てほしいと願っています。

さて昨年末、仕事を発注して下さっている方々に、『小左衛門初のしぼり純米吟醸生酒』をお歳暮に使わせて頂きました。私自身もそのお酒を運命共同体として購入し味わいましたが、以前、日本酒クラブの例会で一度使わせて頂いたお酒なので、間違いは無いと思ってはおりました。

小左衛門桜ラベル  裏書をどうぞ







酒色は微かに琥珀

小左衛門初のしぼり純米吟醸生酒』は、岐阜県瑞浪市で創業が元禄15(1702)の中島醸造が醸しています。元禄15年と云えば、赤穂浪士が吉良邸へ討ち入った年で、その年に酒造業の許可を得た初代小左衛門が、年貢米を活かして酒造りを始めています。また中島醸造では、平成30年より冷蔵設備を充実させ、冬季造りから新たに四季造りへと変更し、いつでもフレッシュな日本酒を出荷できるようにと、革新的な酒造りを行い「甘さ・辛さ・渋味・苦味・酸味」の五味をバランス良く醸し、香りやキレ、深みのある味わいを目指している酒蔵です。私の持論ですが、「岐阜の酒にハズレは無い」のである‼。

小左衛門初のしぼり純米吟醸生酒』の酒米は、美山錦と華吹雪を交配させて作った酒造好適米「出羽燦燦」で、仕込み水は屏風山からの伏流水を使い、日本酒度-4,酸度は高めの1.8ALC16度となっています。

蛇の目に注ぐと酒色は微かに色付いており、香りは華やかでフルーティさを湛えています。香りから期待を込めて口に含むと、口当たりは優しく、口腔が強い甘さに満たされます。そして甘さと入れ替わりに柔らかな酸が口腔を覆い、呑み込むとスッキリとキレて、文句なくバランスの良いお酒でした。お歳暮に受け取って下さった方々が、美味しかったと言ってくれましたが、うむ、これは確かに美味しい。

当ブログで、岐阜県と云えば日本酒にハズレが無いと、チョクチョク述べております。『百春』『射美』『蓬莱』『津島屋』『竹雀』等など、未だ未だ美味しいお酒がありますが、岐阜の山々からの恵みである伏流水が、適度なミネラルを含んで味わいに影響するのでしょうか。なので、岐阜のお酒はガン見しています。♪

(。・_・。)ノ