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八戸には2月17日から20日まで行われる「えんぶり」という伝統行事があり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。華やかな烏帽子を頭に被り、種まきや田植えの動作を舞で表現する、豊年を祈願しそして春を呼ぶお祭りです。「木」偏に「八」のつくりでえんぶりと読ませるのですが、造語だと思います。地元八戸の人たちは「えんぶり」が始まると、春がもうすぐだと実感するのです。
さて八戸市堤町に新しい酒屋「ひろがる酒店」さんが開店し、先週紹介させて頂いた『町田酒造55特別純米五百万石にごり』と共に購入したのが、今回ご紹介する『安芸虎 素(そ)発泡純米吟醸うすにごり生酒』です。
このお酒は高知県東部の太平洋に面した安芸市で、創業は明治36年の有光酒造場が醸しており、酒名は地域の人々に愛された、高知の七大武将「安芸國虎」に因んで名付けられました。この蔵では「心の栄養となれるような優しさを持つ食中手を目指す」を信条としており、江戸時代に建てられた蔵で、昔ながらの酒槽を使って、手間暇を掛けゆっくりとお酒を搾っています。
安芸虎発泡 ラベルにトラ
裏書をどうぞ 微発泡の泡が
酒色は濁り ほら滓が舞って
『安芸虎
素(そ)発泡純米吟醸うすにごり生酒』の酒米は「松山三井」を50%まで磨いています。以前は飯米でしたが、旨味や粘り柔らかさなどがコシヒカリやササニシキなどより劣るため飯米として徐々にシェアを奪われました。また、大粒なため他のお米とブレンドもできず敬遠されましたが、大粒で硬い米質、タンパク質含有量が少ない事から、現在は酒米へと転用されています。酵母は低アルコール酵母を複数混ぜて作られた「かんかん丸」を使い、赤野川の伏流水を井戸から汲み上げて醸しています。日本酒度-6、酸度1.8、ALC14度のスパークリング酒です。
キャップを回すと気泡がシュワシュワと上がってきて、少しずつガスを抜きながらの開栓です。蛇の目に注ぐとバブルの泡が湧き上がり、滓が壜の中で撹拌されます。その泡は注がれた酒器の内側に張り付き、滓のせいで酒色は濁った白色です。香りは仄かですが、爽やかな柑橘系の香り。口に含むと細かなバブルがシュワシュワ、ピリピリっと舌や口腔を刺激します。優しい甘さが直ぐに酸に変わり、呑み込むと苦みに変わっていき、しっかりとキレを作っていました。総じて甘そうで酸の効いた後味が苦いお酒ですねぇ。バランス的には良かったと思っています。
俗に土佐の高知は日本一の大酒飲みといわれています。また、高知と云えば『酔鯨』『南』『久礼』や『司牡丹船中八策』など辛口のお酒が幅を利かせているようですが、『安芸虎 素(そ)発泡純米吟醸うすにごり生酒』のような甘口もニーズがあるのでしょうか。♪
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