2024年11月17日日曜日

ひろがる酒店で『四季咲菊花開純米吟醸無濾過生原酒雄町』

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先日、八戸ショッピングセンターラピアに行ってきました。目的はラピア開店記念祭の目玉である「アントニオ猪木展」を見るためで、在りし日のアントニオ猪木の映像や、使っていたガウンにシューズ等々、プロレスファンにとって垂涎の展示物でした。

A猪木展  胸が高鳴る~








セルロイド製?

さて、冷蔵庫のお酒が無くなってしまい、スマホで八戸市堤町の「ひろがる酒店」さんを検索していたら、美味しそうなお酒を発見し、その足で直行し購入してきました。ヤッター!

そのお酒とは、日本酒の発祥地とされる奈良県北葛城郡広陵町の長龍酒造が醸す四季咲菊花開純米吟醸無濾過生原酒雄町です。長龍酒造の創業は昭和38年で他社に比べると比較的新しい酒蔵ですが、酒造りの心は「昇道に窮極無し」としており、良い酒・旨い酒を造りたいという気持ちや手段は無限であるという気持ちで蔵人は研鑽を積んでいます。

主力酒は創業時の『長龍』と『吉野杉の樽酒』で、今では『ふた穂』や今回紹介させて頂く『四季咲』がラインナップされています。『四季咲』は七十二候美酒長龍四季咲シリーズをいい、『四季咲菊花開純米吟醸無濾過生原酒雄町』は二十四節気「寒露」の中の「菊の花開く」をイメージしたお酒です。

長龍四季咲  菊花咲雄町



裏書をどうぞ  酒色は透明

酒米は酒造好適米の岡山県高島産「雄町」を55%まで磨いています。酵母は非公開となっており、仕込み水には吉野川水系の水を超微細な孔を持つ逆浸透膜フィルターを使って濾過するRO膜濾過という工法で、よりクリアな純水に設えて使っています。日本酒度は+1.0、酸度2.0ALC1617度の無濾過生の原酒です。

蛇の目に注ぐと酒色は透明です。香りは仄かですが、爽やかな柑橘系の香り。口に含むと落ち着いた甘さがあり、直ぐにキリッとした酸で口腔がスースーします。後味も酸味の余韻が止まないまま、スッキリとキレてゆきました。3日後に残りを頂きましたが、酸の主張が強くなっていて、辛さが顔を出していました。

猪木の宿敵であったタイガージェットシンが八戸市体育館に来た時に、体育館前の駐車場を、サーベルを銜えたシンが徘徊し、お客を追いかけ回していました。もちろん私も全力で逃げましたが、あの時は超怖かった~。♪

(。・_・。)ノ

2024年11月10日日曜日

義兄より頂いた『越乃至宝水明 純米大吟醸五百万石』

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私は体力維持のため、週3で体育館へ通い筋トレを行っております。管理指定者のエスプロモさんでは、南部山ウォークと称し8.4kmを歩くイベントを行っており、先日参加してきました。そうしたら何と、元日本酒クラブの方がいらっしゃったので、道中を一緒に歩かせて頂きました。

T氏と私   さあスタート

木々は紅葉し 完歩証GET

さて、有難い事に義兄は、日本酒好きの私に時々お酒をプレゼントして下さいます。今回も通販で数本纏めて購入したお酒の内、極上の1本をお裾分けして下さいました。いつもいつもスミマセン。

そのお酒とは、酒どころの新潟県で16蔵もの酒蔵がある長岡市で、創業が明治30年のお福酒造が醸す『越乃至宝水明 純米大吟醸五百万石』でした。創業当時は岸五郎商店として誕生しましたが、昭和24年に“呑むほどに福を招く”ように願いを込めて、お福酒造に改名しています。また、酒造りも杜氏の勘だけに頼っていましたが、科学的見地から製造法を見直し、酒質の向上に努めました。また、平成16年に発生した中越大地震では、仕込蔵が大きく被災しましたが、平成19年までに復旧させています。

越乃至宝水明 純米大吟醸五百万石』の酒米はラベルに記載通り、酒造好適米の五百万石を50%まで磨いたアル添無しの純米大吟醸です。仕込み水は岸家所有の山にある湧き水を、蔵までパイプで引いて使っています。水質は軟水で柔らかな味わいになる傾向が強いと思われます。酵母や酸度は不明ですが、日本酒度は+5ALC14度のお酒に仕上がっています。

越乃至宝水明  ラベルをどうぞ



お酒のスキル  酒色は透明

蛇の目に注ぐと酒色は透明で、香りはスッキリとフルーティ。口に含むと先ず穏やかな甘さがきて、スッキリとした酸が遅れてきます。後味には辛さが口腔にジワーっと広がってキレてゆきました。う~ん、日本酒度+5は間違いない。そして酸度は1.61.8くらいでしょうか。新潟らしいスッキリ軽快な呑み口で、淡麗辛口のお手本のようなお酒でした。

今年も赤カブを10㎏漬けようかなぁと考えています。自分で言うのも何ですが、結構美味しいと人気があり、10㎏なんてアッという間に無くなってしまいます。もっと漬けようかなぁとも思いますが、なかなか大変で気を揉んでいます。♪

(。・_・。)ノ

2024年11月3日日曜日

久々に三人集い「くどき上手純米大吟醸禁じ手 磨き一割一分」(後編)

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10月中旬に三八城公民館の文化祭的催しに行って参りました。なぜかというと、陶芸教室で作成した作品が、堂々飾られることになったからです。コロナが落ち着いたため、三年ぶりの開催との事で、公民館は賑わっておりました。陶芸教室の生徒さんもたくさん増えればいいのですが。

パンフレット  陶芸教室の作品

さて、ここ何年か以前勤めていた会社の社員の人たちと、一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、三人で美味しい日本酒を頂いております。(前編と同じ文面) そして、日本酒担当のF君が、気合を入れて準備してくれた『而今特別純米にごり酒生(一升壜)を呑んだ後の後編となります。

而今』の後にF君が気合を込めて次に開栓したのは、山形県鶴岡市で創業が明治8年の亀の井酒造が醸すくどき上手 純米大吟醸禁じ手 磨き一割一分で、驚愕の一割一分精米のお酒です。因みに昨年の8月には渋谷のお蕎麦屋さんで『くどき上手純米大吟醸穀潰し』という22%精米のお酒を頂きました。22%まで磨くのは穀潰しだという酒名の由来でしたが、さすがにそれ以上の、磨き一割一分なんて聞いた事もありません。1tのお米のうち110㎏だけを使い、890㎏はせんべい屋さんに行くんですよ。

日本酒業界には製造に関する禁じ手があり、「1,蒸し米蒸気(蒸気で米を蒸すと外硬内軟の蒸米ができやすい)、2.醪を櫂で潰す(櫂で潰すな麹で溶かせが正統)、3.精米歩合は35%以下にするな(35%以下は無意味で無駄)」の3番目の禁じ手に違反したお酒となります。

磨き一割一分  裏書をどうぞき

酒色はほぼ透明で  三人で懇親

くどき上手 純米大吟醸禁じ手 磨き一割一分』の酒米は、羽黒町産美山錦をダイヤモンドロールという精米機で9日間も掛けて11%まで小さく磨いて使っています。酵母は協会10号を変異させたM310酵母で、リンゴ系の香りとなるカプロン酸エチルをより多く生成する酵母です。仕込み水は霊峰月山の伏流水を使って醸し、日本酒度-5.0、酸度1.2ALC1617度で1回火入れの生詰めです。

蛇の目にお酒を注ぐと酒色はほぼ透明。香りは意外に微かで、リンゴのようにフルーティな吟醸香か。口に含むとスッキリとした口当たりで、上品な甘さもありフルーティ。程好く酸味と辛さがあり、一割一分なので苦味などの雑味はありません。甘さ・酸・辛さのバランスが絶妙な上品な味わいでした。通常は11%まで磨くとお酒の単価が万円単位までハネ上がるのに、五千円程でコスパを大切にしているところにも感動を覚えました。

最後の3本目には、『獺祭純米大吟醸磨き三割九分槽場汲み無濾過生(四合壜)が待っておりました。一般的な『獺祭純米大吟醸磨き三割九分』は頂いたことがありますが、三割九分の槽場汲み無濾過生酒とは、存じ上げませんでした。

このお酒を醸す創業昭和23年の旭酒造は山口県岩国市周東町獺越にあり、酒名はこの地名から「獺」(かわうそ)1字使い、その獺が魚を獲ると岩に並べる習性があり、その様子がお祭りの屋台の様だという事から獺祭の言葉が誕生しました。その後、明治の日本文学に革命を起こした正岡子規が、自身を獺祭書屋主人と号していたことにあやかり、日本酒造りに革命を起こし、より優れた酒造りができる様に『獺祭』と名付けたそうです。

酔うため、売るための酒では無く、味わう酒を求めて酒造りを行っており、一時は倒産寸前で杜氏も逃げ出したほどでした。それを機会に杜氏性から社員制に酒造りをシフトし、徹底した機械化そして数値に基づいた方法で品質・工程管理する酒造りを行っており、社員も今では何と200名もいて、日本一の社員数となっています。

獺祭三割九分  無濾過の生酒



裏書をどうぞき 酒色は薄く濁り

獺祭純米大吟醸磨き三割九分槽場汲み無濾過生』の酒米は酒造好適米の山田錦で、39%まで磨いて使い、地層を通り抜けて滾々と湧き出る地下水を、井戸から汲み上げて醸しています。酵母やスペックは非公開ですが、ALC16%のお酒です。

開栓し蛇の目に注いだ途端に、辺りは華やかでフルーティな吟醸香が漂います。酒色は、撹拌していないので薄っすらと濁っています。期待とともに口に含むと、無濾過生のピチピチ感は無いものの、無濾過特有の旨味が口いっぱいに広がり、軽やかな酸が旨味を助長しています。ジューシーでピリ感が無く、辛さや苦味の無い、さすが『獺祭』と思えた味わいのお酒でした。

 夕方18時から開始した懇親会も、予定通り21時でお開きとなりました。二人は、お腹いっぱいになったと言っておりましたが、それは料理が旨かったとは同一ではありません。修行を重ねて、もっともっと美味しい肴を準備したいと向上心に燃えています。♪

(。・_・。)ノ

2024年10月27日日曜日

久々に三人集い「而今特別純米にごり酒生」(前編)

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10月もあと数日となりました。気候は確実に秋となって、仕事場での格好も長袖の作業着です。暑くて倒れそうな夏の次は、寒くて凍える冬が待っているので、秋に体を慣らして、厳しい冬に備えたいと思っています。

さて、ここ何年か以前勤めていた会社の社員の人たちと、一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、三人で美味しい日本酒を頂いております。今回、私が腕に撚りをかけて準備したお料理は、「エンガワのユッケ」「手羽元とゴボウのごま酢煮」「ニラたっぷり水餃子」「白菜のカツオ風味サラダ」「とろとろ茄子の甘酢からめ」「たけのことガンモの煮もの」、そしてスーパーから購入したのは「お刺身」「焼き魚」でした。水餃子は手が掛かりましたが、皆さん喜んで食べてくれて、お腹いっぱいになったといってくれました。嬉し~!。

はてさて、今回日本酒担当のF君が、自宅にある日本酒専用冷蔵庫から持ち込んでくれたのは、而今特別純米にごり酒生(一升壜)くどき上手 純米大吟醸禁じ手 磨き一割一分(四合壜)、『獺祭純米大吟醸磨き三割九分槽場汲み無濾過生(四合壜)3本で、今回も彼らしい奇跡の品揃えだと思います。ブラボー!。

本日のお料理  而今にごり生

滓が沈殿して  裏書をどうぞ

撹拌前の酒色  撹拌後の酒色

乾杯は、三重県名張市で創業1818(文政元年)の木屋正(きやしょう)酒造が醸す『而今 特別純米にごり酒生』の一升瓶を頂きます。創業からの主力酒は今でも伊賀地方を中心に販売している『高砂』です。六代目は自身の蔵に入る前に、但馬杜氏の下で二年間修業しました。自身の蔵に入った2005年には、全ての工程を見直して、新たに『而今』というブランドを造りました。酒名の意味は「ただ、今、この一瞬を、懸命に生き抜く」という事で、過去は変えられないが、未来は今ここで変える事ができるという深い理があるのです。言わずと知れたプレミア酒で、抽選販売は当たり前、抱き合わせ販売でもなかなか手に入らないお酒です。

酒米は掛米に「五百万石」、麹米には酒造好適米の王者「山田錦」を使っています。酵母は低温発酵に適し、且つ上品な吟醸香を醸す9号系の酵母を使用し、中軟水な性質の名張川伏流水の湧水で醸しており、ALC16度ですが日本酒度、酸度は非公開です。

濁り酒のルーティンとして、先ず撹拌させないで蛇の目に注ぐと、酒色は透明よりはやや濁っており、少しトロミがあるようにも感じます。香りは爽やかにフルーティで、無濾過特有の香りがします。口に含むと甘さが強く、酸味も十分でいわゆる甘酸っぱくフルーティ&ジューシーで、感動の美味しさです。撹拌して蛇の目に注ぐと、酒色は真っ白ですっかり濁っています。口に含むと酸味が消えてジューシーさが増し、後味に酸味が強くなりました。さすが而今と思った次第です。因みに呑んでみて感じた日本酒度は-2、酸度は1.6位でしょうか。






美味しいお酒に乾杯

因みに後日、底に3cmほど残った『而今』を呑み切りました。酸味が円やかになって角も取れ、まるで甘酒の様でした。美味しいお酒は残っても美味しく進化するんだなぁと思った次第です。後編では『くどき上手 純米大吟醸禁じ手 磨き一割一分(四合壜)、『獺祭純米大吟醸磨き三割九分槽場汲み無濾過(四合壜)を呑んで、三人酩酊した模様をお伝えしますので、乞うご期待を。♪

(。・_・。)ノ

2024年10月20日日曜日

やまや八戸新井田店で予約購入『雪の松島 日本酒の日純米生原酒』

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毎年三八城公民館の陶芸教室に参加させて頂いております。かれこれ4年目でしょうか。概ね造形が出来上がると、来年はもっと上手に作りたいという想いから、翌年も参加します。これも負のスパイラルいうのでしょうか。講師の後村先生のお話も楽しく、参加者全員で和気藹々のひと時です。

今回は菱皿を  乾かしてから

着色して  焼いて出来上がり

蜻蛉の絵柄と  カマキリで

さて、毎月第一日曜日は家族で新井田の「やまや八戸店」にほぼ毎月伺っておりますが、それはJR東日本とコラボする「大人の休日俱楽部会員様ご優待日」で3%割引のサービスが受けられるからです。

今回も「やまや八戸店」に伺い、飲料を中心に買い物をしました。お会計の際に店員さんから、「101日の日本酒の日に合わせて【やまや】では、『雪の松島 日本酒の日純米生原酒』というお酒が第一号で出荷となりますので、予約購入致しませんか」と声を掛けられ、ウチの奥様にも勧められて、予約の紙を書かせて頂きました。

待ち遠しかった101日がついに訪れ、お店に伺い『雪の松島 日本酒の日純米生原酒』を引き取って参りましたが、このお酒は宮城県黒川郡大和町で酒類販売大手のやまやグループが手掛けており、近代的設備を充実させた大和蔵酒造のお酒です。昨年322日発表の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022」スパークリングSAKE部門であわ雪の松島 純米生原酒うすにごりは金賞を受賞。また、市販酒世界一を決める「SAKE COMPETITION2023」では純米酒部門で、273点の中から『雪の松島 海-KAI-ひとめぼれ純米原酒』が第一位となっています。

日本酒の日の 純米生原酒




裏書をどうぞ 酒色は透明で

雪の松島 日本酒の日純米生原酒』の酒米は国産米となっており、銘柄は不明です。酵母は「日本酒の日」101日に因んで、協会1001酵母を使っており、酸の生成が少なく高い吟醸香が特徴の酵母です。そして仕込み水は船形山系の伏流水(軟水)を使った無濾過・無調整の純米生原酒です。

蛇の目に注ぐと酒色は無色透明です。蛇の目から立ち昇る香りは爽やかで優しい甘さを湛える香りが。口に含むと甘酸っぱく、しかも舌と口腔にピリッときます。酸味はどこまでも優しく、辛さも程々で呑み込むと仄かな渋味を残しながら、スッキリとキレてゆきました。総じて呑み易く甘酸っぱいお酒です。

来年の陶芸教室では、毎度お決まりのぐい呑みと新たに箸置き、あとは何を作ろうか思案しています。でも、まぁ毎年こんな感じで、直前まで何を作るか決まらないのですが。♪

(。・_・。)ノ

2024年10月13日日曜日

復活100年前の1号酵母「天寿THE1生酛純米生原酒」

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先日、三日町の「ハッチ」で蕎麦を打たせて頂きました。私が参加させて頂いている青森蕎友会は、ハッチなどを主会場にして、美味しい手打ち蕎麦を打つサークルで、誰でも気軽に参加できるため、いつも多くの参加者で盛況です。私は平成26年から参加させて頂いているのですが、あの訳この訳で参加頻度は決して高くはなく、未だに勉強中の不肖の弟子となっています。しかし師匠方はこんな私にも、やさしく丁寧に指導してくれるので、今でも頑張って続けています。

蕎麦粉を捏ねる  上手に切れました

さて先日、お向かいの旦那様から、出張先より購入したと思われる日本酒天寿THE1生酛純米生原酒を頂きました。そう云えば昨年の夏にも、山梨県大月市の笹一酒造が醸す『笹一純米大吟醸甲州夢山水』を頂戴しております。いつもいつも珍しいお酒をありがとうございます。

この天寿THE1生酛純米生原酒は、秋田県由利本荘市矢島町で文政13(1830)創業の天寿酒造が醸すお酒です。矢島藩の御用達の造り酒屋から、創業者の大井栄吉が独立したもので、現在は七代目にあたりますが、今でも創業者の名前を踏襲しています。昭和初年に『玉の井』『稲の花』の銘柄を、この『天寿』に統合しています。戦時中は軍の企業整備により多くの酒蔵と統合されましたが、昭和31年に再び独立し現在に至っています。主力酒は『天寿』と『鳥海山』でどちらも人気のお酒です。

天寿』の由来は、「吞む人が百歳までも幸せに生きる事」から。またラベルの文字は、二千年ほど前の中国山東省泰山の磨崖に刻まれた、金剛経の拓本から写したものを使っています。

秋天寿THE1  協会1号酵母の




裏書をどうぞ  酒の色は透明 

天寿THE1生酛純米生原酒』の酒米は、秋田県の酒造好適米「秋田酒こまち」を65%まで磨き、酵母には100年前に見つかった協会1号酵母を使っています。今ではほぼ使われていない酵母だけに、造りは杜氏の手腕がものを言います。仕込み水には鳥海山の伏流水を使って醸した、日本酒度+1.5、酸度1.7ALC15度の生原酒です。

蛇の目に注ぐと、トロミがあるように感じます。酒色は透明で、穏やかですがフルーティな香りが。口に含むと優しい口当たりで、ベリー系の甘酸っぱさ。また、生原酒とは思えないほどの淡麗辛口。舌にはジワジワ感。呑み込むと仄かな苦みがあり、スッキリとキレてゆきました。秋田酒こまちの旨味が、協会1号酵母で十二分に引き出された美味しいお酒でした。3日後に再度頂きましたが、酸味・辛さがマイルドになっていてジワジワ感も消え、旨味が増していました。これも1号酵母の特徴なのでしょうか。

東北では秋田が酒どころと云われてきました。水がきれいなのですねぇ。冬場に日本海から降り続く雪は、人々に過酷な冬をもたらしますが、反面、美味しい日本酒を仕込むための、素晴らしい水となって、人々に喜びももたらすのでしょう。♪

(。・_・。)ノ

2024年10月6日日曜日

3年寝かせた『新政瑠璃(ラピス)生酛純米 別誂え直汲み2020』

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10月に入り、日中は暖かく朝晩は肌寒い今日この頃ですが、我が家の朝顔はまだまだ空色の花をたくさん付けており、朝顔から癒しを貰っています。

空色の朝顔  鉢植えもきれいで

さて、日本酒仲間のF君より「冷蔵庫に3年熟成させて置いたお酒があるのですが、味は保証しませんけれど必要であれば1本如何ですか」と声を掛けて頂きました。2本ある内の1本を融通してくれるとの事で、しかも銘柄は何と『新政瑠璃』です。以前、『十四代』の2年熟成を呑んだ時には、味には全く問題なく、『鳳凰美田 INE CELL SPARKLING純米吟醸生』の2年熟成に至ってはまるでメロンジュースで驚いた事を思い出します。問題なしと結論付けて、新政瑠璃(ラピス)生酛純米 別誂え直汲み2020を1本分けて頂きました。ありがとうF君。

このお酒は秋田県秋田市で創業が幕末嘉永5(1852)新政酒造が醸しており、『新政』と云えば日本酒ランキングでは常に三本の指に入っているお酒です。米問屋だった佐藤卯兵衛が酒造りを始め、「うへい(卯兵衛)の酒」で親しまれたそうです。その後、明治政府が施策の大綱とした「新政厚徳」から『新政』としています。中興の祖である五代目が、昭和5年に蔵付き酵母だった協会六号酵母の抽出に成功し、第6番目の国家認定酵母と認定され、全国の酒蔵に頒布されました。また、その6号酵母で造ったお酒が美味しいと評判になり、秋田に『新政』有りと云われるようになりました。

 新政酒造の再度の転機は平成19年。東大出身の御子息佐藤祐輔氏が酒蔵に入社し、蔵の改革に着手します。翌、平成20年には社員醸造に移行。同22年には原料米を秋田県産に限定。同24年には社長に就任し、全品を純米造りに。同26年には速醸酒母から決別し、生酛系酒母のみに限定した数少ない生酛純米蔵になりました。そして現在では、フレッシュで繊細な味わいを保つため、且つ、酸化に気を遣い、敢えて殆どのお酒を四合瓶で提供しています。

 『新政瑠璃(ラピス)生酛純米 別誂え直汲み2020』の酒米は、酒造りに技術を要する酒造好適米の「美山錦」を、扁平精米という技法で、中心部の心白だけを扁平に磨いて使い醸し、雑味の無い味わいを実現しています。酵母は云わずと知れた蔵付きの6号酵母で、仕込み水は中硬水の秋田市新屋地区の伏流水を使って、木桶で醸しています。木桶かぁ~。ALCは6号酵母が最高のポテンシャルを発揮する13度の1回火入れのお酒に仕上げています。

紙衣に包まれ 新政の酒造り

別誂直汲み  紙衣を脱ぐと

裏書をどうぞ 酒色は透明

蛇の目に注ぐと、木桶の温もりを感じさせる香りが立ちあがります。酒色は透明で、微細なバブルが蛇の目の内側に付いています。香りを利くと柑橘系とは違うカラメルのような香り。高鳴る期待と共に口に含むと、爽やかで甘酸っぱいライチのようなジューシーな味わいで、舌に甘酸っぱい酸が刺さります。最後には仄かな渋味でキレました。この味わいのために、肴をほぼ食べずに味わい続けてしまいました。

実はこの『新政瑠璃』というお酒は、この2021で終売となり、もう買う事ができません。酒米の「美山錦」は、新政酒造が推進している無農薬栽培に適さない酒米だという事が分かり、亀の尾の血統を持つ「信交190号」(別名たかね錦)を改良した「改良信交」にシフトしています。新政酒造は「まあいいか」とか「仕方ないから」という有耶無耶を良しとせずに、キッパリと「ダメ!」と言える立派な酒蔵なのだぁと思った次第です。素晴らしい。








3年寝かせると

実は、のもう一つ。『新政瑠璃(ラピス)生酛純米 別誂え直汲み2020』の裏書に「一般的な冷蔵環境(10℃以下)で3年ほど寝かせることで、より完成度が向上するだろう」とありました。そうです、今、呑ませて頂いたお酒が、その3年目だったのです。どうりで美味しいはずだー‼。♪

(。・_・。)ノ