2023年3月20日月曜日

乾杯は『磯自慢純米大吟醸42 Spring breeze』でH君F君と憩う

いつも当ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

3月の気温は10度以上で推移し、冬から脱却したように感じられます。また積もっていた雪も融け、花壇の雑草も見えています。暑い夏の草取りには辟易しますが、春先の雑草には懐かしさと愛着が湧くのは何故でしょうか。

さて、私は現在、個人会社的なものを営んでおり、元同僚たちに仕事を頂戴していますが、我が家でその方々と一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、美味しい日本酒を頂いております。

私が料理担当で自慢の?手料理を造り、F君は厳選された垂涎の日本酒を持ち込んでくれます。因みに昨年の私の「気に入りました日本酒ランキング」では、F君渾身の持ち込み『十四代純米大吟醸極上諸白』が第1位となっています。

今回準備したお料理は「かぼちゃのホットチーズサラダ」「ごぼうと牛肉の甘辛炒め」「厚揚げのしらすおろし和え」「切り干し大根のさっぱり浅漬け」「お刺身」「焼き魚」「キムチ鍋」等で、今回も多分ですが彼らはお腹いっぱいになった事でしょう。

さて、乾杯はF君が厳選し持ち込んだ4本の中の1本、静岡県焼津市の磯自慢酒造が醸す『磯自慢純米大吟醸42 Spring breeze』です。創業は江戸末期の天保元年(1830)で、平成20年には洞爺湖サミットの乾杯酒に選ばれ一躍脚光を浴びるお酒になりました。因みに『Spring breeze』は春風で、春風駘蕩のこの時期限定のお酒です。



磯自慢大吟醸  左に小さく春風と

裏書をどうぞ  酒色は透明

酒米は山田錦特A地区の中でも特に名高い兵庫県少分谷(しょうぶだに)産です。そんな貴重な山田錦を42%にまで磨き、酵母は酢酸イソアミル系の自家酵母。仕込み水には南アルプスを水源とする大井川の軟水の伏流水を使い、低温でゆっくりと発酵させ醸した、日本酒度+5、酸度1.2のお酒です。

蛇の目に注ぐと酒色は透明。香量は少ないもののフルーティな立ち香。口に含むと程良い甘さに酸と辛さのバランスが良く、繊細で上品な旨味が。生酒では無いのに生酒のような旨さに、一同「スゴイ‼旨い‼」と声が出ます。後味は淡麗酒のようにスッキリと切れ、注いでは口に運びたくなるお酒で、アッという間に空壜となりました。

2本目はあまり酔わないうちに呑もうと、F君推奨の最強のにごり酒『而今特別純米にごり酒生』を戴きました。三重県名張市で創業1818(文政元年)の木屋正酒造が醸すお酒で、六代目が2005年に自ら醸した而今には「ただ、今、この一瞬を、懸命に生き抜く」という意味が込められています。いわゆるプレミア酒で抽選販売は当たり前、抱き合わせ販売でもなかなか手に入らないお酒です。

酒米は掛米に五百万石、麹米に山田錦を使っており、少量ずつ丁寧に洗い、手作業の麹造りにも時間を掛けて、ゆっくりと発酵させています。酒米以外のスペックは非公開ですが上品な吟醸香を醸す9号系酵母を使い、名張川の湧水(中軟水)で仕込んだアルコール度数16%のにごり酒です。



而今にごり  冷え冷えで



裏書をどうぞ  蛇の目見えず

開栓し注ぐとトロミがあります。そして真っ白な滓を伴った酒で蛇の目を満たすと、青い輪が見えません。炊き立てのご飯のような香りが仄かに漂います。口に含むとシルキーな口当たりとシュワシュワなソーダ水の様で、舌や口腔にピリピリと心地良く刺さります。濃厚な甘さがジューシーで、いやな酸を感じさせません。後味もスッキリで、やっぱり 『而今』は別格だとみんなで得心しました。ランキング入りは間違いないなぁ。

3本目にはF君が本日一番興奮したお酒で、入手困難酒『新政No6アニバーサリー上国料勇type生酒』でした。驚きました?。このお酒は『新政No』の発売10周年を記念し、2ケ月ごとに発売しているお酒の第3弾で、新政とファイナルファンタジーのアートディレクター上国料勇がコラボした夢のお酒になっています。しかも、シリアルナンバーのタグ付きで、4500本限定のお酒です。因みにラベルの中央には「お酒の神様」をイメージしたキャラクターが書き込まれており、ゲームファン、新政ファン垂涎のお酒です。よく入手したなぁ。



新政×上国料勇  シリアルタグ付き



裏書をどうぞ  蛇の目は滓が漂い

このお酒は、秋田県秋田市で創業が幕末嘉永5(1852)の新政酒造が醸しており、平成19年に現在の蔵主の佐藤祐輔氏が酒蔵に入社し、蔵の改革に着手します。社員醸造に移行、原料米を秋田県産に限定、全品を純米造り、生酛系酒母のみに限定した生酛純米蔵に、そして殆どのお酒を四合瓶で提供と大改革しています。その結果、入手困難酒の5本の指に入るようになりました。

 『新政No6アニバーサリー上国料勇type生酒』の酒米は自社の田圃で栽培した美郷錦を100%使用しており、酵母はもちろん蔵付きの6号酵母を使い、同地の伏流水で醸しています。また、できあがったお酒を約一ケ月間タンク内二次発酵させ、複雑味とフレッシュ感を強調させるレザクションという新手法を使っています。

蛇の目に注ぐと滓が舞っており、青い輪が薄っすらと見えています。香りは果実のようないい香りがします。口に含むと舌先にピリッときますが、果実のように甘酸っぱく、高級な白ワインのよう。呑み込むと苦みがキリッとしたキレをもたらしました。「甘酸っぱい」が新政のキーワードだと思っていますが、まさしく6号酵母の新政の味わいでした。

最後に開栓したのは千葉県山武市で明治16年創業の寒菊銘醸が醸す『寒菊純米大吟醸羽州誉50Horaizon無濾過生原酒』です。「冬菊になぞらえ、小粒ながらに一徹さを持ち末永く良い酒を造る」との想いから寒菊と名付けています。『Horaizon』は水平線の意味で、ラベルに雄大な九十九里浜の水平線から昇る太陽を表現しており、年始めの限定酒となっています。

寒菊大吟醸  肩ラベルには超限定と

裏書をどうぞき 酒色は透明か?

酒米は高木酒造の高木辰五郎氏が、18年の歳月を掛けて開発した酒造好適米で希少米の「羽州誉」を50%まで磨いた大吟醸で、酵母は非公表ですが日本酒度は-9,酸度1.3の『寒菊』が得意とする甘口のお酒です。

蛇の目に注ぐと、酒色は透明か、微かに色が付いているのか。香りはフルーティで甘さを纏う香りがします。口に含むと舌に酸を感じる刹那、甘さが直ぐに追いかけ追い越します。呑み込むと、旨味の後に苦みを感じながらスッとキレてゆきました。

ゲストのH君、F君  私とH

 前回も書かせて頂きましたが、私の料理は18時に作り終わった時点で鍋やフライパン、包丁やその他使った道具は全て洗い、乾かし、流し台やごみ箱などもきれいにしています。もちろん、食後にはお皿やグラスも全て洗っています。立派でしょ。片付けに至っては、酔ってフラフラしながらですけど。♪

(。・_・。)ノ