2022年10月17日月曜日

再開!「海ぼうず」さんで『咲耶美純米吟醸無濾過原酒』

いつも当ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

私がお気に入りで通わせて頂く「酒と肴と男と女 海ぼうず」さんが9月末に営業を再開しました。ご主人の体調不良により一月ほど休業していて、大変心配しましたが、だいぶ良くなられたとの事で、奥様もホッと一安心といったところでしょうか。私も安心した次第です。

3階には十四代も  1、2階も素晴らしい

そこで、先日、仕事でお世話になっているF君と、再開したばかりの「海ぼうず」さんに行ってきました。10月なので「純米酒」や「ひやおろし」が目立ちましたが、ものともせずにたくさんの種類を頂きました。乾杯は最強の普通酒で有名な、福島県西白河郡の大木代吉本店が醸す楽器正宗混醸愛山純米吟醸です。このお酒は福島県西白河郡矢吹町で、江戸末期の1865年に創業の大木代吉本店が醸しており、主要銘柄は『楽器正宗』と『自然郷』となっています。酒名は大正時代、当酒蔵へ立ち寄った朝香宮様がお酒を大変気に入り、随行した雅楽師の「酒造りも楽器を奏でるのも元は神様への捧げもの」と言った言葉が由来のようです。(スイマセン、前回の使い回しです~)

楽器正宗混醸愛山   裏書をどうぞ

楽器正宗混醸愛山純米吟醸』は混醸シリーズの第四弾ですが、混醸とは掛米と麹米に別々の米を使う方法で、今回は掛米に希少な播州愛山を83%、麹米に絶対王者山田錦を13%としており、この優れた酒米を使用して美味しくないはずがありません。仕込み水は那須連山からの伏流水で醸した、日本酒度-3の火入れのお酒です。

グラスに注ぐと少しトロミがありそうで、酒色は仄かに濁っているように思えます。香りは仄かにフルーティ。口に含むと仄かな甘くフルーティで、すぐに爽やかな酸、そして仄かな辛さを感じます。呑み込むと、口腔には酸味が残り、微かな苦みとともにキレてゆきました。F君と顔を見合わせ、「旨い!」と唱和しました。

土佐しらぎく   高千代AI-IPPON

亀泉無濾過生   宮寒梅純米吟醸

鳳凰美田純吟   天美特別純米

咲耶美無濾過   裏書をどうぞ

今回も次々と冷蔵庫よりお酒を取り出しましたが、何と読むのか気になったお酒が、群馬県吾妻郡で創業が明治5年の貴娘酒造が醸す『咲耶美(さくやび)純米吟醸無濾過原酒』です。生酒ではないのが残念ですが。主力酒は『貴娘』でしたが、現在の蔵元が平成19年に蔵を継ぎ、新ブランドとして手掛けたのが『咲耶美』です。日本の女神にして酒造りの神様「木花咲耶姫(このはさくやひめ)」から酒名を頂戴しています。

酒米は酒造好適米の美山錦を使い、酵母は低温で醗酵しやすく、かつ、華やかな香りの吟醸香のお酒となる9号酵母で、それをわさび田にも使っている「ぼくぼく弁天」の湧水で醸し、日本酒度+1、酸度1.7に仕上げた火入れのお酒です。

グラスに注ぐと香りは酸がキツそうでしたが、口に含むと「あれっ、甘さが割と強い」と思いました。一回火入れなのにガス感もありましたが、口明けであればもっと強いガス感だったのでは。きれいな酸と微かな辛さが甘さと相まって旨味になっていました。秋あがりのお酒なのでどうかと思ったら、美味しいお酒でした。

続いてのお酒は口明けの『KAWATSURU Olive純米吟醸生原酒(G)讃岐オリーブ酵母仕込みです。このお酒を醸す酒蔵は、明治二十四年(1891)の創業で、香川県の西端にある観音寺市の川鶴酒造です。酒名は、蔵の裏に流れる清流「財田川」に、鶴が舞い降りる夢を見たことから『川鶴』と命名。創業当時は約一万石のお酒を造っていましたが、2004年には約半分の五千石まで落ち込みましたが、現在の社長が就任後は品質と味わいを重視した結果、第2回KURA MASTERでは大吟醸の部で金賞を受賞するなど、知名度も上がり売り上げも上がっています。








KAWATSURU

KAWATSURU Olive純米吟醸生原酒(G)讃岐オリーブ酵母仕込み』の酒米は香川県産「さぬきよいまい」。酵母は香川を代表する島、小豆島のオリーブから採取した「さぬきオリーブ酵母」で、果実のような香りとみずみずしい呑み口を醸します。仕込み水は蛍の飛ぶ清流財田川の伏流水を井戸から汲み上げて醸し、日本酒度-7、酸度は2.2のお酒にしました。

酒色は透明で、香りはフルーティ且つ爽やかな吟醸香。口に含むとフルーティで甘さが心地良く、酸味は甘さとのバランスを保つように少し強めで、米の旨味を引き出した味わいは今日一のお酒でした。因みに、緑一色のラベルには、オリーブの枝と実が描かれています。分かりますかぁ。

栄光富士  大那13度原酒

その後は山形の『栄光富士GGAVITY純米吟醸無濾過生原酒』を呑んで、ラストオーダーは『大那特別純米13度原酒』というお酒で締めています。

海ぼうずさんが一ヶ月振りに復活し一安心ですが、今度は入っているビルが廃業のため、退店を余儀なくされており、お店の移転先が今後の焦点になってきます。陰ながら応援したいと思っておりますが、どういう風に具体的にと云われると、まぁ、早い話「呑みに行く」となります。♪

(。・_・。)ノ