2025年12月1日月曜日

三人で乾杯の後は『十四代 龍の落とし子 大極上生』(後編)

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ここ何年か、以前勤めていた会社の社員の人たちと、一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、彼らが持ち込む美味しい日本酒を、三人で頂いております。乾杯は入手困難酒の『純米大吟醸 金雀有機米』で乾杯しました。今回は二本目のお酒から始まります。

その二本目は、創業が元和元年(1615)の高木酒造が醸す、その名も気高き十四代 龍の落とし子大極上生です。持ってくるか~、こんな酒を~。高木酒造は、豪雪地域の山形県村山市にあり、主力酒は今も販売している『朝日鷹』でしたが、平成6年に十五代目の杜氏の高木顕統(あきつな)さんが、初めて造って命名し世に出した十四代が、当時の主流だった『越乃寒梅』などの端麗辛口酒を押し退けて、フルーティなお酒のブームを巻き起こし、今では入手困難酒の筆頭を走っています。

十四代 龍の落とし子大極上生』の酒米は、兵庫県特A地区産の極上「山田錦」を35%まで磨いた大吟醸で、酵母は非公表。仕込み水は桜清水と呼ばれる出羽山系の葉山の伏流水で醸しており、醗酵させた後に丁寧にお酒を搾り、斗壜に入れて低温で熟成した生酒は、ALC15度のお酒です。酵母を含むスペックは残念ながら非公開です。




箱も一緒に 龍の落とし子

裏書をどうぞ  酒色は透明

蛇の目に注ぐと、酒色はほぼ透明です。立香はスッキリと爽やかに、そして上品に香ります。口に含むと重厚な甘さがあり、優しくジューシーな旨味。『十四代』特有の味わいですねぇ。優しい酸と仄かな辛さ、優雅な甘さがバランスよく酒の旨味を醸しています。本当にバランスが神配合なんだよねぇ。後味はスッキリとしてキレてゆきます。これが美味しく無かったら、何が美味しいのか。乾杯の『金雀』も美味しかったというのに、『十四代 龍の落とし子大極上生』まで超旨くて、今年のランキングはホント大変だぁ~。

呑み会は20時を回り、残り時間が1時間となった時に、冷蔵庫からF君が取り出したお酒が、三重県名張市で創業1818(文政元年)の木屋正(きやしょう)酒造が醸す『而今 純米吟醸酒未来生』の一升瓶でした。創業からの主力酒は今でも伊賀地方を中心に販売している『高砂』です。六代目は自身の蔵に入る前に、但馬杜氏の下で二年間修業しました。自身の蔵に入った2005年には、全ての工程を見直して、新たに『而今』というブランドを造りました。酒名の意味は「ただ、今、この一瞬を、懸命に生き抜く」という事で、過去は変えられないが、未来は今ここで変える事ができるという深い理があるのです。言わずと知れたプレミア酒で、抽選販売は当たり前、抱き合わせ販売でもなかなか手に入らないお酒です。




而今酒未来生  裏書をどうぞ

酒色は透明  超幸せな三人

酒米は酒造好適米の「酒未来」を50%まで精米し使っています。もともと十四代の蔵元だった高木辰五郎氏が18年もの歳月を掛けて造った酒米で、「山酒4号」と「美山錦」を掛け合わせ、1999年に完成させた酒米です。全国で約20蔵が「酒未来」を使っており、華やかで甘く瑞々しい味わいのお酒になる傾向があります。酵母は低温発酵に適し、且つ上品な吟醸香を醸す9号系の酵母を使用し、中軟水な性質の名張川伏流水の湧水で醸しており、ALC15.5度で日本酒度±0、酸度1.6の生酒です。

蛇の目に注ぐと酒色は透明で、香りは爽やかにフルーティ。口に含むと甘さと酸がお互いに主張するもバランスが良く、しっかりと旨味になっています。きっと「酒未来」が優しい甘さを作っているのでしょう。呑み込むときに咽喉の奥に苦味を置いてキレてゆきました。雑味の無いキレイな味わいに、改めてさすが『而今』と思いました。

 今回も夜9時までの酒宴で、三人で一升壜1本と四合壜2本を頂いたわけですが、時間切れで『而今』が三合ほど残りました。後日、私が頂いたのですが、味わいは開栓時とほぼ変わらないように感じ、改めて素晴らしいお酒だなぁと思った次第です。さて今回も、皆さん方が帰ったあとで、食器を洗って片付けました。その記憶が薄いので「帰巣本能」を別角度から上手く使って片付けをしているようです。♪

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