2024年10月27日日曜日

久々に三人集い「而今特別純米にごり酒生」(前編)

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10月もあと数日となりました。気候は確実に秋となって、仕事場での格好も長袖の作業着です。暑くて倒れそうな夏の次は、寒くて凍える冬が待っているので、秋に体を慣らして、厳しい冬に備えたいと思っています。

さて、ここ何年か以前勤めていた会社の社員の人たちと、一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、三人で美味しい日本酒を頂いております。今回、私が腕に撚りをかけて準備したお料理は、「エンガワのユッケ」「手羽元とゴボウのごま酢煮」「ニラたっぷり水餃子」「白菜のカツオ風味サラダ」「とろとろ茄子の甘酢からめ」「たけのことガンモの煮もの」、そしてスーパーから購入したのは「お刺身」「焼き魚」でした。水餃子は手が掛かりましたが、皆さん喜んで食べてくれて、お腹いっぱいになったといってくれました。嬉し~!。

はてさて、今回日本酒担当のF君が、自宅にある日本酒専用冷蔵庫から持ち込んでくれたのは、而今特別純米にごり酒生(一升壜)くどき上手 純米大吟醸禁じ手 磨き一割一分(四合壜)、『獺祭純米大吟醸磨き三割九分槽場汲み無濾過生(四合壜)3本で、今回も彼らしい奇跡の品揃えだと思います。ブラボー!。

本日のお料理  而今にごり生

滓が沈殿して  裏書をどうぞ

撹拌前の酒色  撹拌後の酒色

乾杯は、三重県名張市で創業1818(文政元年)の木屋正(きやしょう)酒造が醸す『而今 特別純米にごり酒生』の一升瓶を頂きます。創業からの主力酒は今でも伊賀地方を中心に販売している『高砂』です。六代目は自身の蔵に入る前に、但馬杜氏の下で二年間修業しました。自身の蔵に入った2005年には、全ての工程を見直して、新たに『而今』というブランドを造りました。酒名の意味は「ただ、今、この一瞬を、懸命に生き抜く」という事で、過去は変えられないが、未来は今ここで変える事ができるという深い理があるのです。言わずと知れたプレミア酒で、抽選販売は当たり前、抱き合わせ販売でもなかなか手に入らないお酒です。

酒米は掛米に「五百万石」、麹米には酒造好適米の王者「山田錦」を使っています。酵母は低温発酵に適し、且つ上品な吟醸香を醸す9号系の酵母を使用し、中軟水な性質の名張川伏流水の湧水で醸しており、ALC16度ですが日本酒度、酸度は非公開です。

濁り酒のルーティンとして、先ず撹拌させないで蛇の目に注ぐと、酒色は透明よりはやや濁っており、少しトロミがあるようにも感じます。香りは爽やかにフルーティで、無濾過特有の香りがします。口に含むと甘さが強く、酸味も十分でいわゆる甘酸っぱくフルーティ&ジューシーで、感動の美味しさです。撹拌して蛇の目に注ぐと、酒色は真っ白ですっかり濁っています。口に含むと酸味が消えてジューシーさが増し、後味に酸味が強くなりました。さすが而今と思った次第です。因みに呑んでみて感じた日本酒度は-2、酸度は1.6位でしょうか。






美味しいお酒に乾杯

因みに後日、底に3cmほど残った『而今』を呑み切りました。酸味が円やかになって角も取れ、まるで甘酒の様でした。美味しいお酒は残っても美味しく進化するんだなぁと思った次第です。後編では『くどき上手 純米大吟醸禁じ手 磨き一割一分(四合壜)、『獺祭純米大吟醸磨き三割九分槽場汲み無濾過(四合壜)を呑んで、三人酩酊した模様をお伝えしますので、乞うご期待を。♪

(。・_・。)ノ

2024年10月20日日曜日

やまや八戸新井田店で予約購入『雪の松島 日本酒の日純米生原酒』

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毎年三八城公民館の陶芸教室に参加させて頂いております。かれこれ4年目でしょうか。概ね造形が出来上がると、来年はもっと上手に作りたいという想いから、翌年も参加します。これも負のスパイラルいうのでしょうか。講師の後村先生のお話も楽しく、参加者全員で和気藹々のひと時です。

今回は菱皿を  乾かしてから

着色して  焼いて出来上がり

蜻蛉の絵柄と  カマキリで

さて、毎月第一日曜日は家族で新井田の「やまや八戸店」にほぼ毎月伺っておりますが、それはJR東日本とコラボする「大人の休日俱楽部会員様ご優待日」で3%割引のサービスが受けられるからです。

今回も「やまや八戸店」に伺い、飲料を中心に買い物をしました。お会計の際に店員さんから、「101日の日本酒の日に合わせて【やまや】では、『雪の松島 日本酒の日純米生原酒』というお酒が第一号で出荷となりますので、予約購入致しませんか」と声を掛けられ、ウチの奥様にも勧められて、予約の紙を書かせて頂きました。

待ち遠しかった101日がついに訪れ、お店に伺い『雪の松島 日本酒の日純米生原酒』を引き取って参りましたが、このお酒は宮城県黒川郡大和町で酒類販売大手のやまやグループが手掛けており、近代的設備を充実させた大和蔵酒造のお酒です。昨年322日発表の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022」スパークリングSAKE部門であわ雪の松島 純米生原酒うすにごりは金賞を受賞。また、市販酒世界一を決める「SAKE COMPETITION2023」では純米酒部門で、273点の中から『雪の松島 海-KAI-ひとめぼれ純米原酒』が第一位となっています。

日本酒の日の 純米生原酒




裏書をどうぞ 酒色は透明で

雪の松島 日本酒の日純米生原酒』の酒米は国産米となっており、銘柄は不明です。酵母は「日本酒の日」101日に因んで、協会1001酵母を使っており、酸の生成が少なく高い吟醸香が特徴の酵母です。そして仕込み水は船形山系の伏流水(軟水)を使った無濾過・無調整の純米生原酒です。

蛇の目に注ぐと酒色は無色透明です。蛇の目から立ち昇る香りは爽やかで優しい甘さを湛える香りが。口に含むと甘酸っぱく、しかも舌と口腔にピリッときます。酸味はどこまでも優しく、辛さも程々で呑み込むと仄かな渋味を残しながら、スッキリとキレてゆきました。総じて呑み易く甘酸っぱいお酒です。

来年の陶芸教室では、毎度お決まりのぐい呑みと新たに箸置き、あとは何を作ろうか思案しています。でも、まぁ毎年こんな感じで、直前まで何を作るか決まらないのですが。♪

(。・_・。)ノ

2024年10月13日日曜日

復活100年前の1号酵母「天寿THE1生酛純米生原酒」

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先日、三日町の「ハッチ」で蕎麦を打たせて頂きました。私が参加させて頂いている青森蕎友会は、ハッチなどを主会場にして、美味しい手打ち蕎麦を打つサークルで、誰でも気軽に参加できるため、いつも多くの参加者で盛況です。私は平成26年から参加させて頂いているのですが、あの訳この訳で参加頻度は決して高くはなく、未だに勉強中の不肖の弟子となっています。しかし師匠方はこんな私にも、やさしく丁寧に指導してくれるので、今でも頑張って続けています。

蕎麦粉を捏ねる  上手に切れました

さて先日、お向かいの旦那様から、出張先より購入したと思われる日本酒天寿THE1生酛純米生原酒を頂きました。そう云えば昨年の夏にも、山梨県大月市の笹一酒造が醸す『笹一純米大吟醸甲州夢山水』を頂戴しております。いつもいつも珍しいお酒をありがとうございます。

この天寿THE1生酛純米生原酒は、秋田県由利本荘市矢島町で文政13(1830)創業の天寿酒造が醸すお酒です。矢島藩の御用達の造り酒屋から、創業者の大井栄吉が独立したもので、現在は七代目にあたりますが、今でも創業者の名前を踏襲しています。昭和初年に『玉の井』『稲の花』の銘柄を、この『天寿』に統合しています。戦時中は軍の企業整備により多くの酒蔵と統合されましたが、昭和31年に再び独立し現在に至っています。主力酒は『天寿』と『鳥海山』でどちらも人気のお酒です。

天寿』の由来は、「吞む人が百歳までも幸せに生きる事」から。またラベルの文字は、二千年ほど前の中国山東省泰山の磨崖に刻まれた、金剛経の拓本から写したものを使っています。

秋天寿THE1  協会1号酵母の




裏書をどうぞ  酒の色は透明 

天寿THE1生酛純米生原酒』の酒米は、秋田県の酒造好適米「秋田酒こまち」を65%まで磨き、酵母には100年前に見つかった協会1号酵母を使っています。今ではほぼ使われていない酵母だけに、造りは杜氏の手腕がものを言います。仕込み水には鳥海山の伏流水を使って醸した、日本酒度+1.5、酸度1.7ALC15度の生原酒です。

蛇の目に注ぐと、トロミがあるように感じます。酒色は透明で、穏やかですがフルーティな香りが。口に含むと優しい口当たりで、ベリー系の甘酸っぱさ。また、生原酒とは思えないほどの淡麗辛口。舌にはジワジワ感。呑み込むと仄かな苦みがあり、スッキリとキレてゆきました。秋田酒こまちの旨味が、協会1号酵母で十二分に引き出された美味しいお酒でした。3日後に再度頂きましたが、酸味・辛さがマイルドになっていてジワジワ感も消え、旨味が増していました。これも1号酵母の特徴なのでしょうか。

東北では秋田が酒どころと云われてきました。水がきれいなのですねぇ。冬場に日本海から降り続く雪は、人々に過酷な冬をもたらしますが、反面、美味しい日本酒を仕込むための、素晴らしい水となって、人々に喜びももたらすのでしょう。♪

(。・_・。)ノ

2024年10月6日日曜日

3年寝かせた『新政瑠璃(ラピス)生酛純米 別誂え直汲み2020』

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10月に入り、日中は暖かく朝晩は肌寒い今日この頃ですが、我が家の朝顔はまだまだ空色の花をたくさん付けており、朝顔から癒しを貰っています。

空色の朝顔  鉢植えもきれいで

さて、日本酒仲間のF君より「冷蔵庫に3年熟成させて置いたお酒があるのですが、味は保証しませんけれど必要であれば1本如何ですか」と声を掛けて頂きました。2本ある内の1本を融通してくれるとの事で、しかも銘柄は何と『新政瑠璃』です。以前、『十四代』の2年熟成を呑んだ時には、味には全く問題なく、『鳳凰美田 INE CELL SPARKLING純米吟醸生』の2年熟成に至ってはまるでメロンジュースで驚いた事を思い出します。問題なしと結論付けて、新政瑠璃(ラピス)生酛純米 別誂え直汲み2020を1本分けて頂きました。ありがとうF君。

このお酒は秋田県秋田市で創業が幕末嘉永5(1852)新政酒造が醸しており、『新政』と云えば日本酒ランキングでは常に三本の指に入っているお酒です。米問屋だった佐藤卯兵衛が酒造りを始め、「うへい(卯兵衛)の酒」で親しまれたそうです。その後、明治政府が施策の大綱とした「新政厚徳」から『新政』としています。中興の祖である五代目が、昭和5年に蔵付き酵母だった協会六号酵母の抽出に成功し、第6番目の国家認定酵母と認定され、全国の酒蔵に頒布されました。また、その6号酵母で造ったお酒が美味しいと評判になり、秋田に『新政』有りと云われるようになりました。

 新政酒造の再度の転機は平成19年。東大出身の御子息佐藤祐輔氏が酒蔵に入社し、蔵の改革に着手します。翌、平成20年には社員醸造に移行。同22年には原料米を秋田県産に限定。同24年には社長に就任し、全品を純米造りに。同26年には速醸酒母から決別し、生酛系酒母のみに限定した数少ない生酛純米蔵になりました。そして現在では、フレッシュで繊細な味わいを保つため、且つ、酸化に気を遣い、敢えて殆どのお酒を四合瓶で提供しています。

 『新政瑠璃(ラピス)生酛純米 別誂え直汲み2020』の酒米は、酒造りに技術を要する酒造好適米の「美山錦」を、扁平精米という技法で、中心部の心白だけを扁平に磨いて使い醸し、雑味の無い味わいを実現しています。酵母は云わずと知れた蔵付きの6号酵母で、仕込み水は中硬水の秋田市新屋地区の伏流水を使って、木桶で醸しています。木桶かぁ~。ALCは6号酵母が最高のポテンシャルを発揮する13度の1回火入れのお酒に仕上げています。

紙衣に包まれ 新政の酒造り

別誂直汲み  紙衣を脱ぐと

裏書をどうぞ 酒色は透明

蛇の目に注ぐと、木桶の温もりを感じさせる香りが立ちあがります。酒色は透明で、微細なバブルが蛇の目の内側に付いています。香りを利くと柑橘系とは違うカラメルのような香り。高鳴る期待と共に口に含むと、爽やかで甘酸っぱいライチのようなジューシーな味わいで、舌に甘酸っぱい酸が刺さります。最後には仄かな渋味でキレました。この味わいのために、肴をほぼ食べずに味わい続けてしまいました。

実はこの『新政瑠璃』というお酒は、この2021で終売となり、もう買う事ができません。酒米の「美山錦」は、新政酒造が推進している無農薬栽培に適さない酒米だという事が分かり、亀の尾の血統を持つ「信交190号」(別名たかね錦)を改良した「改良信交」にシフトしています。新政酒造は「まあいいか」とか「仕方ないから」という有耶無耶を良しとせずに、キッパリと「ダメ!」と言える立派な酒蔵なのだぁと思った次第です。素晴らしい。








3年寝かせると

実は、のもう一つ。『新政瑠璃(ラピス)生酛純米 別誂え直汲み2020』の裏書に「一般的な冷蔵環境(10℃以下)で3年ほど寝かせることで、より完成度が向上するだろう」とありました。そうです、今、呑ませて頂いたお酒が、その3年目だったのです。どうりで美味しいはずだー‼。♪

(。・_・。)ノ