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いつもお世話になっている居酒屋「海ぼうず」さんですが、「オープン九周年記念イベント」を5月17、18日に開催すると伺っていたので、何をさておいても駆けつけた次第です。通常は無濾過生原酒や純米大吟醸などの日本酒が二千二百円で吞み放題ですが、このイベントでは『鍋島』『十四代』『新政』『而今』『上川大雪』などのプレミア酒も飲み放題となっており、県内屈指の日本酒イベントに、いつもお世話頂いているH君、F君の三名で参加です。
もちろんコチラも 淡墨長寿桜
乾杯のお酒は、冷蔵庫を見て気になっていた『淡墨長寿桜純米酒ピッチピチ生原酒』をチョイス。ハズレの無い岐阜のお酒で、ピッチピチという文面と且つALC19度という濃さにも魅かれ選んでみました。このお酒は、岐阜市の白木恒助商店が醸しており、創業はあの篤姫が生まれた天保6年で、主力酒は熟成酒『達磨正宗』です。他社との差別化を図るために古酒を主力商品にしており、何と昭和46年から近年の物まで揃えています。
しかし今回のお酒は古酒ではない『淡墨長寿桜』で、搾ってすぐに壜詰めして販売しています。岐阜県には日本三大桜に選ばれた樹齢1500年のエドヒガン桜があり、散り際が淡墨色に見えるため淡墨桜と呼ばれ、そんな素晴らしいお酒となるようにと命名されています。
『淡墨長寿桜純米酒ピッチピチ生原酒』の酒米は、岐阜県でしか栽培されていない幻の米「ハツシモ」を70%に削って使用しています。酵母は岐阜県が開発した協会9号派生株の「岐阜G酵母」で、華やかな吟醸香と高い醗酵力が特徴です。仕込み水は長良川の支流、武儀川の伏流水で醸した、日本酒度+1、ALC19%のお酒です。Oh~、19度!。
呑み放題をスタートさせてもらい、さっそく乾杯です。グラスに注ぐとピッチピチという割には発泡感がありません。香りは酸が強めで、口に含むとどっしりとした味わいですが甘さもあります。直ぐにキツめの酸味が口中に広がり、後味はスッキリと苦みはありませんでした。う~ん、口明けで呑みたかったお酒です。
水芭蕉夏酒
続いてのお酒は、群馬県利根郡の永井酒造が醸す『水芭蕉夏酒純米吟醸おりがらみ生貯蔵』です。創業は明治19年で、平成4年から『水芭蕉』を主力酒にしています。緑色の壜とラベルは新緑をイメージしており、夏酒らしさを醸し出しています。
酒米は絶対王者「山田錦」を60%まで磨いて使用し、仕込み水は上州武尊山に降った雨雪が、尾瀬の大地で濾過され、ミネラルを多く含んだ水で仕込んでいます。それを特殊な編み袋に入れ、無加圧で自然に流下させたお酒に、適度な滓を絡ませました。日本酒度は+2、酸度1.5、ALC15%と軽めの夏酒です。
香りは華やかでフレッシュな吟醸香。口に含むとフルーティな味わいに程良い酸味が。後味で苦みを感じます‥が、如何せん、19度の乾杯酒の後だったため、味わいが薄くて、呑み順の失敗を認めます。残念!。
続いて山口県が誇る『東洋美人限定純米大吟醸』を頂き、徐々に調子が上がってきて、H君が最上段のお酒をそろそろ呑みたいと云う事で、四合壜の『上川大雪純米吟醸うすにごり生』。三人で顔を見合わせて出た言葉が「旨い!!」でした。
十四代本丸生
『上川大雪』の余韻が冷めやらぬ中で、再び最上段より取り出したのが、私も未体験の『十四代角新本丸秘伝玉返し生酒』です。『十四代本丸秘伝玉返し』なら何回か頂いた事はありますが、生酒は初体験です。このお酒は山形県村山市で元和元年(1615)創業の高木酒造が醸しており、秘伝玉返しとは、水の代わりに自社製造の酒粕焼酎を使用するという、通常のやり方を返上することから名付けられたようで、秘伝のアルコール加水という技術です。2023年10月より特別本醸造から特別純米とリニューアルされ、且つ生酒となりました。角新とはその生酒の意となります。
酒米は「山田錦」と「愛山」で、酵母はおそらく一番酸が少なく吟醸香が高い協会10号(小川酵母)を使用していると思われ、自社蔵の井戸から汲み上げた水で仕込んでいます。スペックは非公開ですが私的には日本酒度-2、酸度1.2くらいかなと思っています。裏書によるとALC15%となっていました。
グラスに注ぐと香りはフルーティで、口に含むと甘すぎるくらいに甘くジューシー。通常『十四代』は甘さ、酸味や辛さのバランスが良いのが真骨頂だと思っていますが、酸味と辛さは然程感じることなく、愛山の上品なジュースでした。『上川大雪』より美味しい、いや、同じくらいに美味しいと意見は分かれましたが美味しいのは間違い無く、本日一かと思っていました。次のお酒を頂くまでは。
くどき上手酒未来
冷蔵庫最上段に『くどき上手』が入っていましたが、また今度でいいかなぁとスルーするつもりが、酒米が酒未来とあり、まぁ呑んでみるかとチョイス。このお酒は山形県の庄内平野にある鶴岡市に広がる穀倉地帯で、明治8年創業の亀の井酒造が醸しています。
『くどき上手純米吟醸酒未来』の酒米は首ラベルのとおり「酒未来」で、ルーツは高木酒造の高木辰五郎氏が山酒4号と美山錦を交配させ18年もの歳月を掛けて作り出したものです。その「酒未来」の名前の由来は、日本酒の未来が永遠に輝くようにと名付けられました。しかし、高木氏の立派なところは、「酒未来」を自社だけで独り占めせずに、他の酒造りの仲間たちに「酒未来でお酒を造ってみないか」と惜しげもなく分け与えた事です。いろんな酒蔵で「酒未来」を使った美味しいお酒が誕生し、私たちを楽しませてくれるのも、みんな高木氏の功績です。
酵母は小川酵母とも云われる協会10号で、仕込み水は霊峰月山の伏流水を使って醸し、日本酒度+1.0、酸度1.2、ALC17~18度で1回火入れの生詰めです。香りは華やか且つフルーティで香量も多く、口に含むと先ずジューシー。甘さは重厚で仄かな酸味と辛さ。酒未来の旨味を上手に引き出しており、それでいてキレも良いお酒で、我々3人も「今日一番に旨い!!」と絶賛でした。
風の森愛山 赤武純米吟醸
信州亀齢 鍋島特別純米
廣戸川特純 高千代SKY
加茂錦荷札酒 満足した3人
その後も、立派なお酒を次々と頂き、多分、「海ぼうず」さんの大将は内心穏やかではなかったのでは。ラストオーダーの声が掛かりF君推奨の『加茂錦荷札酒短稈渡船無濾過中汲み』でお開きとなりました。
言い訳ですが、呑み放題イベント当日の朝まで夜勤で、朝9時に就寝し15時に寝不足気味で何とか起床。風呂に入って外出の準備をし18時に「海ぼうず」さんへ伺い、一升近い酒を呑んで21時頃に解散。翌朝7時にうみねこマラソンの会場入りし、10時43分に10㎞がスタートで、気温が25度もありヘトヘトになりました。マラソンで1時間を切れなかった言い訳です。長々とスミマセン。♪
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