2023年8月21日月曜日

入手困難の極みか?『百光LIMITED HOLIDAY EDITION』

いつも当ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

八戸も猛暑が続いていましたが、お盆に入ってからは毎日雨が降りました。お盆が明けたらまた30℃越えと、どうなっているものやら。もはや、人間が気候に体を合わせるように進化しなければならない、そんな岐路に立っているのではないでしょうか。

さて、会社員だった頃に大変お世話になった建設会社のN常務のお宅で、常務の友人のH氏と三人、時々お酒を御一緒させて頂くのですが、先月末にH氏が百光LIMITED HOLIDAY EDITIONを手に入れたと、立派な化粧箱を携えてやってきました。私はインターネットの広告でしか見た事が無い、あの『百光』をどうやって手に入れたのか。以前も『十四代七垂二十貫純米大吟醸』を堂々携え、やってきたのを思い出します。

焦る私をN常務が制止し、先ず乾杯酒としたのが常務自ら準備した『寒紅梅純米吟醸原酒プロトタイプM』でした。このお酒は、三重県津市で創業は幕末の安政元年(1854)の寒紅梅酒造が醸しており、創業後は灘などの酒に押されて、低価格でのお酒の販売を余儀なくされていました。しかし、原点に立ち返って「旨い日本酒を造りたい」との想いから、2010年に佐賀県の「東一」を醸す五町田酒造の杜氏から酒造りを再び一から学び、酒蔵の名前である『寒紅梅』を冠したお酒を造りました。寒紅梅酒造の由来は、「万花の魁をなして咲き誇る香り高く色美しい梅の花のように、奇麗で爽やかな酒となるように」です。




寒紅梅プロトタイプM  乾杯の三人

寒紅梅純米吟醸原酒プロトタイプ』の「プロトタイプ」は試験醸造の意味合いがあり、未だ酒質向上の余地があるお酒との位置付けです。『プロトタイプM』は使用酵母が明利310号酵母なので、ローマ字読みでMにしています。

酒米は山田錦を55%まで磨いた純米吟醸で、酵母は酸の生成が少なく爽やかな吟醸香の明利310号酵母。仕込み水には鈴鹿山系の中軟水の伏流水を使い醸しています。スペックは非公開ですが、日本酒度は0~+2程度、酸度は1.3位でしょうか。

開栓すると火入れなのに「ポンッ」と音がし、まるで生酒。グラスに注ぐと酒色は透明で、香りはフルーティさのある吟醸香。期待が膨らみ、口に含むと華やかでフルーティ。まるで原酒とは思えない軽やかな甘さと、仄かな酸味が咽喉を過ぎると渋味に変わって、しっかりとキレる淡麗な、そしてワインのような味わい。う~ん原酒なのに。

咽喉が潤った後に真打登場。次はいよいよ百光LIMITED HOLIDAY EDITIONです。大きな箱が登場し、中から現れたのはカラーのラベルで、白黒ラベルを予想していた私は目を白黒。

このお酒は、酒どころ山形県酒田市にある楯野川酒造が醸しており、創業は江戸末期の天保三年(1832)で、現在では造るお酒はすべてが純米大吟醸の酒蔵です。現在の蔵元が先代より蔵を託された時には、在庫と借金の山で、最後に自分が本当に美味しいと思える酒を造ってから店を畳もうと考えました。心を込めた丁寧な酒造りにより美味しいお酒ができあがり、人気の酒蔵に生まれ変わって現在に至っています。その酒造りとは自社の蔵で造るお酒はすべてが純米大吟醸という事でした。そして、今では高価でレアな『百光』を開発・醸造できる蔵となり、入手困難という付加価値も付いています。因みに、酒名の『百光』とは100年先まで光照らすようにという想いを込めて名付けられました。

化粧箱も立派な   楯野川百光









裏書をどうぞ

このお酒のコンセプトは「COLOR YOUR MOMENTS」で、特別な時間がこのお酒によって彩られ、忘れられないものとなるように願いを込めています。酒米は有機栽培の出羽燦燦を極限の18%まで磨いており、鳥海山の伏流水で醸したALC15.7%、日本酒度-2、酸度1.3で、1回火入れのお酒です。

改めて乾杯のために『百光LIMITED HOLIDAY EDITION』をグラスに注ぐと、酒色は透明です。立ち香は抑え気味にフルーティ。緊張しながら口に含むと、仄かで優しい甘さと、控えめな酸や辛さも雑味が無く、18%まで心白を削るとこんな味わいになるんだという、神々しいほどのクリアな旨味でした。

エレガントな味わいの『百光』の余韻が残る中、次のお酒は新潟県上越市の竹田酒造店が醸す『MANDOBA(マンドバ)芽吹』、宮城県黒川郡の大和蔵酒造が醸す『雪の松島 海-KAI-ひとめぼれ純米原酒』と頂き、次は私の持ち込んだ埼玉県羽生市の南陽酒造が醸す『花陽浴純米吟醸美山錦無濾過生原酒おりがらみ』でした。

MANDOBA(万燈場)  雪の松島KAI









花陽浴美山錦おりがらみ

このお酒は、埼玉県羽生市にある創業が明治三年の南陽醸造が醸しており、『十四代』『而今』と並ぶ入手困難酒の三本指に入る一つです。250石と造る量が少ないため、当然の入手困難酒となっています。酒蔵では定価での直売もしていますが、販売日の朝は長い行列となるそうです。

花陽浴純米吟醸美山錦無濾過生原酒おりがらみ』は酒造好適米の美山錦を使い、酵母は自社培養酵母。利根川水系の伏流水(軟水)を井戸水から汲み上げ醸しています。酒色は滓がからんで濁っています。香りは華やかで強烈な甘みの果実香。口に含むと果実のようなジューシーさが濃く、果実の甘酸っぱさを感じます。やっぱり『花陽浴純米吟醸美山錦無濾過生原酒おりがらみ』は文句なしの逸品でした。果物から造ってるのか?。

N常務のお宅でおもてなしをして頂き、上機嫌で帰路に着いた私です。そして今回もH氏の奥様の運転する車で送って頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、超酔っていたためご迷惑をお掛けしていたら、画面上でお詫び致します。Hさん、私、大丈夫でしたか?。♪

(。・_・。)ノ