2023年8月28日月曜日

暑さを忘れる『而今 純米吟醸千本錦無濾過生』

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家にはとりあえずエアコンが設置されていますが、例年は夏の暑い盛りに23日も使えば関の山と云った感じです。しかし、今年ばかりは例年と違い、毎日使い続けています。このままいくと、電気料金がいくらになるのか気になって仕方ありません。

さて、冷蔵庫のお酒が枯渇して、日本酒仲間のF君に相談したところ、而今純米吟醸千本錦無濾過生ならあるとの事で、太っ腹のF君から分けて頂く事にしました。スゴイでしょ。うらやましいでしょ。

このお酒は、日本酒が好きだという方ならば誰もが知るお酒で、三重県名張市で創業1818(文政元年)の木屋正酒造が醸しており、酒名の『而今』には「過去に囚われず、未来に囚われず、今をただ精一杯に生きる」という意味が込められています。このお酒は『十四代』『花陽浴』に並ぶ入手超困難酒で、ネットでは数万円のプレミアがつくようなお酒なのに、それを譲ってくれるなんて、太っ腹としか表現できません。




而今千本錦  無濾過生酒

裏書をどうぞ  酒色は透明

木屋正酒造では、蔵主が広島県の酒類総合研究所で学んだ事があり、その時のご縁から割と広島県が開発したお米を使用しています。『而今純米吟醸千本錦無濾過生』の酒米は、酒造好適米「千本錦」を使用しており、「山田錦」と「中生新千本」を掛け合わせて造られた広島県のオリジナル酒米です。タンパク質の含有量が山田錦より低くアミノ酸度も低いため、スッキリとした酒質になるお米です。この「千本錦」を55%まで磨いて使い、酵母は9号酵母、仕込み水には中軟水の名張川の湧水を使って、日本酒度+1、酸度1.7に醸しています。

以前呑んだ火入れの千本錦は、他の『而今』と違い、割と酸が強かった印象でした。『而今純米吟醸千本錦無濾過生』を蛇の目に注ぐと、とろみがあるような印象で、酒色は透明。香りはベリー系の果実の香りが強く、期待は膨らみます。口に含むと軽やかでフルーティな甘さとスッキリとした味わい。甘さと酸、辛さがバランスよく調和しており、ジューシーさが少ない分キレも良く、料理にも合う激旨のお酒でした。また、数日後に呑んだ際にも味わいは変わらず、お酒のスキルの高さを感じた次第です。毎度お馴染みのフレーズですが、やっぱり『而今』は違うと思いました。

残念なことに「海ぼうず」さんへ5月から行けていません。私の中では、而今と云えば「海ぼうず」さんのイメージなので、このお酒を呑んでいるあいだ中、お店を思い出しっ放しでした。♪

(。・_・。)ノ

2023年8月21日月曜日

入手困難の極みか?『百光LIMITED HOLIDAY EDITION』

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八戸も猛暑が続いていましたが、お盆に入ってからは毎日雨が降りました。お盆が明けたらまた30℃越えと、どうなっているものやら。もはや、人間が気候に体を合わせるように進化しなければならない、そんな岐路に立っているのではないでしょうか。

さて、会社員だった頃に大変お世話になった建設会社のN常務のお宅で、常務の友人のH氏と三人、時々お酒を御一緒させて頂くのですが、先月末にH氏が百光LIMITED HOLIDAY EDITIONを手に入れたと、立派な化粧箱を携えてやってきました。私はインターネットの広告でしか見た事が無い、あの『百光』をどうやって手に入れたのか。以前も『十四代七垂二十貫純米大吟醸』を堂々携え、やってきたのを思い出します。

焦る私をN常務が制止し、先ず乾杯酒としたのが常務自ら準備した『寒紅梅純米吟醸原酒プロトタイプM』でした。このお酒は、三重県津市で創業は幕末の安政元年(1854)の寒紅梅酒造が醸しており、創業後は灘などの酒に押されて、低価格でのお酒の販売を余儀なくされていました。しかし、原点に立ち返って「旨い日本酒を造りたい」との想いから、2010年に佐賀県の「東一」を醸す五町田酒造の杜氏から酒造りを再び一から学び、酒蔵の名前である『寒紅梅』を冠したお酒を造りました。寒紅梅酒造の由来は、「万花の魁をなして咲き誇る香り高く色美しい梅の花のように、奇麗で爽やかな酒となるように」です。




寒紅梅プロトタイプM  乾杯の三人

寒紅梅純米吟醸原酒プロトタイプ』の「プロトタイプ」は試験醸造の意味合いがあり、未だ酒質向上の余地があるお酒との位置付けです。『プロトタイプM』は使用酵母が明利310号酵母なので、ローマ字読みでMにしています。

酒米は山田錦を55%まで磨いた純米吟醸で、酵母は酸の生成が少なく爽やかな吟醸香の明利310号酵母。仕込み水には鈴鹿山系の中軟水の伏流水を使い醸しています。スペックは非公開ですが、日本酒度は0~+2程度、酸度は1.3位でしょうか。

開栓すると火入れなのに「ポンッ」と音がし、まるで生酒。グラスに注ぐと酒色は透明で、香りはフルーティさのある吟醸香。期待が膨らみ、口に含むと華やかでフルーティ。まるで原酒とは思えない軽やかな甘さと、仄かな酸味が咽喉を過ぎると渋味に変わって、しっかりとキレる淡麗な、そしてワインのような味わい。う~ん原酒なのに。

咽喉が潤った後に真打登場。次はいよいよ百光LIMITED HOLIDAY EDITIONです。大きな箱が登場し、中から現れたのはカラーのラベルで、白黒ラベルを予想していた私は目を白黒。

このお酒は、酒どころ山形県酒田市にある楯野川酒造が醸しており、創業は江戸末期の天保三年(1832)で、現在では造るお酒はすべてが純米大吟醸の酒蔵です。現在の蔵元が先代より蔵を託された時には、在庫と借金の山で、最後に自分が本当に美味しいと思える酒を造ってから店を畳もうと考えました。心を込めた丁寧な酒造りにより美味しいお酒ができあがり、人気の酒蔵に生まれ変わって現在に至っています。その酒造りとは自社の蔵で造るお酒はすべてが純米大吟醸という事でした。そして、今では高価でレアな『百光』を開発・醸造できる蔵となり、入手困難という付加価値も付いています。因みに、酒名の『百光』とは100年先まで光照らすようにという想いを込めて名付けられました。

化粧箱も立派な   楯野川百光









裏書をどうぞ

このお酒のコンセプトは「COLOR YOUR MOMENTS」で、特別な時間がこのお酒によって彩られ、忘れられないものとなるように願いを込めています。酒米は有機栽培の出羽燦燦を極限の18%まで磨いており、鳥海山の伏流水で醸したALC15.7%、日本酒度-2、酸度1.3で、1回火入れのお酒です。

改めて乾杯のために『百光LIMITED HOLIDAY EDITION』をグラスに注ぐと、酒色は透明です。立ち香は抑え気味にフルーティ。緊張しながら口に含むと、仄かで優しい甘さと、控えめな酸や辛さも雑味が無く、18%まで心白を削るとこんな味わいになるんだという、神々しいほどのクリアな旨味でした。

エレガントな味わいの『百光』の余韻が残る中、次のお酒は新潟県上越市の竹田酒造店が醸す『MANDOBA(マンドバ)芽吹』、宮城県黒川郡の大和蔵酒造が醸す『雪の松島 海-KAI-ひとめぼれ純米原酒』と頂き、次は私の持ち込んだ埼玉県羽生市の南陽酒造が醸す『花陽浴純米吟醸美山錦無濾過生原酒おりがらみ』でした。

MANDOBA(万燈場)  雪の松島KAI









花陽浴美山錦おりがらみ

このお酒は、埼玉県羽生市にある創業が明治三年の南陽醸造が醸しており、『十四代』『而今』と並ぶ入手困難酒の三本指に入る一つです。250石と造る量が少ないため、当然の入手困難酒となっています。酒蔵では定価での直売もしていますが、販売日の朝は長い行列となるそうです。

花陽浴純米吟醸美山錦無濾過生原酒おりがらみ』は酒造好適米の美山錦を使い、酵母は自社培養酵母。利根川水系の伏流水(軟水)を井戸水から汲み上げ醸しています。酒色は滓がからんで濁っています。香りは華やかで強烈な甘みの果実香。口に含むと果実のようなジューシーさが濃く、果実の甘酸っぱさを感じます。やっぱり『花陽浴純米吟醸美山錦無濾過生原酒おりがらみ』は文句なしの逸品でした。果物から造ってるのか?。

N常務のお宅でおもてなしをして頂き、上機嫌で帰路に着いた私です。そして今回もH氏の奥様の運転する車で送って頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、超酔っていたためご迷惑をお掛けしていたら、画面上でお詫び致します。Hさん、私、大丈夫でしたか?。♪

(。・_・。)ノ

2023年8月14日月曜日

出張のお土産で頂いた『笹一純米大吟醸甲州夢山水』

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先週まで35℃以上の猛暑日が続いていましたが、急に22℃と肌寒いお盆となりました。暑さの厳しかった先月の中頃、南郷に住む友人のブルーベリー畑に、収穫を楽しみに行ってきました。粒は超大粒で甘さも強い美味しいブルーベリーです。毎晩のヨーグルトに入れて頂くのですが、美味しいのなんのって。やめられません。

たわわに実って  収穫に勤しむ私







たくさん収穫できました

さて、自宅の向かいの御主人は、山梨県での半年以上の出張が終わって、先日やっと帰宅されました。有難い事に「柳町さんは日本酒が好きだと聞いていたので、これお土産です」と手渡しに頂いたお酒が『笹一純米大吟醸甲州夢山水』でした。このような立派なお酒を頂戴しありがとうございます。突如の申し出に舞い上がってしまい、お礼もしどろもどろに・・。

このお酒は山梨県大月市笹子町で、創業が大正8年創業の笹一酒造で造られており、主力酒はこの『笹一』と山梨の日本酒ランキングで1位の『』が有名です。昭和の初め頃、甲州街道随一の難所と云われた笹子峠の麓にある酒蔵です。また、酒蔵の名前の由来は「笹」がお酒を意味し、日本一を目指す「一」で「笹一」としました。そして蔵のシンボルマークは、三種の神器の一つ「八咫の鏡」に縁取られたその中央に、太い筆字で「笹一」を表しています。



笹一大吟醸  金の文字で



裏書きをどうぞ  酒色はほぼ透明

笹一純米大吟醸甲州夢山水』の酒米はラベルの通り山梨県産「夢山水」で、愛知県が育成した酒造好適米は、大粒でタンパク質含有量が低い上に心白の部分も多く、酒質は爽やかで芳醇な香りとスッキリとした味わいに仕上がる「夢山水」を、45%まで磨いた大吟醸です。仕込み水は蔵内の井戸から湧き出る日本屈指の銘水「霊峰富士の御前水」で醸しています。明治天皇が京都に行幸の際に携帯する水として選ばれた水が御前水と呼ばれています。また、酵母は非公表ですが、日本酒度+5、酸度1.4ALC16%のスペックとしており、低温発酵で丁寧に醸されています。

開栓すると仄かにフルーティで上品な吟醸香。蛇の目に注ぐとトロミがあるように感じ酒色は透明です。香りはきりっとした酸の香りが鼻腔に刺さります。口に含むとスッキリとした口当たりに、仄かにフルーティな甘さと旨味。酸が口腔に残る、スッキリ辛口。舌にジンジンと辛さが入り込み、シビレが取れない~。呑み込むと咽喉の奥が燃えるような辛さを感じましたが、さすが『』と兄弟酒です。「夢山水」の旨味をしっかり味わう事ができました。

向かいの御主人は、会社からたった一人で山梨まで行き、山梨の協力業者を使って仕事をしていたそうですが、なかなか大変な事なんだろうなと推測されます。私も東京に遊びに行ったときには、御主人にお酒をお土産に買ってこようと心に決めています。遊びにとは情けないケド・・。♪

(。・_・。)ノ            

2023年8月6日日曜日

中居酒店で購入『豊醇無盡たかちよ扁平米無濾過生原酒氷点貯蔵SunRise』

2014年から青森蕎友会に参加させて頂き、蕎麦打ち歴は早や9年目となりました。なかなか参加しない不肖の弟子なので、蕎麦打ちの技は未熟ですが、指導者方々のお陰で何とか打てるようにはなりました。先日も幌加内産の蕎麦を打たせてもらい、平素よりお世話になっている義兄にお届けしました。







蕎麦打ち状況

さて、今回は6月に仕事で上北町へ通っていたので、帰りに三沢市の中居酒店に立ち寄り『豊醇無盡たかちよ扁平米無濾過生原酒氷点貯蔵SunRise』(通称みかん)を購入させて頂きました。『たかちよ』と云えば、フルーティ&ジューシーな日本酒として超有名なお酒で、県南では数年前から中居酒店で扱っています。いやー本当に有難い事です。




たかちよSunRise  別名みかんラベル







酒色はほぼ透明

このお酒は新潟県南魚沼市で、日本百名山の巻機山の麓にある創業明治元年の高千代酒造が醸しています。主力酒は高千代巻機』『天地人』で、近年では希少な酒米「一本〆」にこだわった酒造りをしています。また『高千代』を更に『高千代』『たかちよ』『Takachiyo』の3パターンに味わいを分け、顧客の趣味嗜好やニーズにあったお酒を提供しています。

酒米は非公表ですが、酒名にある扁平精米とは通常精米の2倍の時間を掛けて扁平に精米し、米をその形のまま縮小させるように中心部の心白だけを使って醸しているため、雑味が無く旨味たっぷりに仕上がります。また、仕込み水は巻機山に降り積もった雪が100年以上の年月を掛け、2000mの山を浸透して濾過され、湧き出した極軟水で醸すため、味わいは柔らかで滑らかな酒質のお酒となっています。

開栓すると「ボンッ」と音がして、生酒の醗酵の威力を思い知ります。蛇の目に注ぐと少しトロミがありそう。酒色はほぼ透明でしょうか。そして香りはフルーティで香量が多く、もちろん期待は高まります。口に含むと甘酸っぱい柑橘系の酸とジューシーな甘み。爽やかな酸に感動して呑み込むと、後味に苦味がギュッと締めてキレを生み出しています。期待を裏切らない旨味に、『たかちよ』の技術の高さを感じました。

一升瓶で購入したため、5回に分けて頂きましたが、口明け時から5回目まで酸化して酸味が強くなる事無く、最後までジューシーで美味しく頂くことができました。さすが『たかちよ』と思った次第です。♪

(。・_・。)ノ