2023年6月25日日曜日

4年ぶりに開催、第9回Sake Festival-八仙を楽しむ会

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毎年恒例となっていた八戸市民垂涎のお酒のイベント、八戸酒造のSake Festival-八仙を楽しむ会-も、コロナ禍で中止を余儀なくされ、日本酒愛好家を意気消沈させていましたが、4年ぶりに復活と相成りました。場所は大人数が着座できる八戸プラザホテルアーバンホールで、2年ほど前に解散となった小幡建設日本酒クラブの同窓会の形で総勢15名が参加させて頂きました。また、暫くぶりにお会いする日本酒通の方々とも旧交を温めています。(のど自慢の予選出場の話はやめてくれー!と、心の中で叫びました)




入口の壜のタワー  ウエルカム酒

円卓の中央には既にウェルカムドリンク(下表14)が私たちを待ち構えています。私が着座すると既に酔っている人たちも!。お品書きを見ると、前回も出たお酒は34種類で、あとの78種類は新銘柄。陸奥八仙も試行錯誤して前進している事が分り、たゆまない努力が私たちの笑顔に繋がっています。




乾杯は25年記念酒  全員でカンパ~イ

乾杯は、今年で25周年を迎える「陸奥八仙ブランド」を記念したお酒で、八戸産華吹雪を使い、通常の仕込みより麹を贅沢に使った純米大吟醸です。乾杯の発声とともにあちこちで「美味しい」の大合唱。ジューシーな味わいが濃厚で、甘さと酸、辛さのバランスが良く、呑み込むと渋味がキレを呼ぶ美味しいお酒でした。宴会はスタートし次々とテーブルにお酒が運ばれました。

1、陸奥八仙 夏吟醸

2、陸奥八仙 【赤】特別純米生原酒

3、陸奥八仙 Ⅴ1116

4、陸奥八仙 蔵限定酒

5、陸奥八仙 25周年記念純米大吟醸(乾杯酒)

6、陸奥八仙 DRY SPARKLING 2021

7、陸奥八仙 Hassenblage

8、陸奥八仙 blanc

9、陸奥八仙 吟烏帽子40

 10、 陸奥八仙 夏どぶろっく

11、 陸奥八仙 貴醸酒

また、会場サイドのテーブルには梅酒やヨーグルトリキュールなどがてんこ盛りで、4年のブランクを一気に払拭する気合の入り方でした。

ドライスパークリング  ブラージュ

blanc  吟烏帽子

夏どぶろっく  貴醸酒

今回も前回同様に11種類がラインナップされていましたが、一昨年の「酒蔵世界一」の勲章はダテではありません。全てが特徴を持って美味しく、参加された方々はみんな満足されたものと思っております。私的には日本酒とは思えない完成度の『陸奥八仙DRY SPARKLING 2021』が一番気に入りました。

私はと云えば、久方ぶりに再開した「日本酒クラブ」の元会員の面々と語り合い、また会場内でお会いしたたくさんの人たちと話し込んでしまい、料理をほとんど食べずに中締めとなりました。今回も、何やってんだか・・。

日本酒クラブ集合  懐かしい三人

一ノ関から来八の女子  神田衆議院議員と

中学校の先輩と  司会進行の中島美華さん

それはそうとテーブル抽選会があったらしく、席に戻ったら一升瓶の『陸奥八仙ISARIBI特別純米』が椅子に添えられていました。そして、お土産の25周年記念グラスに、300㎖の小瓶のお酒と至れり尽くせりで、八戸酒造に足を向けて寝ることができません。

前述のとおり一昨年、八戸酒造は「世界酒蔵ランキング」で第一位となりました。そんな世界一のお酒をたくさん戴ける機会が、こんな田舎町八戸市で軽々と開催して良いものか、少し思案した次第です。まぁしかし、八戸に生まれて良かったと心より思いました。八戸酒造様に感謝しかありません。♪

(。・_・。)ノ

2023年6月19日月曜日

「美味しんぼ」で読んだお酒『天狗舞純米大吟醸50生酒』

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先週末は強風で大荒れでしたが、花壇も菜場も青々と茂って参りました。始めは苗の間隔を広く取ったつもりが、成長するにつれて密になってきます。まぁ、「畑が狭い」のが原因なのですが。あと1ケ月ほどで収穫も始まると思われ、楽しみでいっぱいです。

キュウリや  ナスにトマト







ズッキーニ

さて、冷蔵庫のお酒が無くなり購入するわけですが、庫内の日本酒のスペースが余りにも狭いため、たくさん貯蔵できません。日本酒仲間のF君のように専用の冷蔵庫でもあれば、発売時期に無濾過の生酒をガッツリ購入し長く楽しめるのですが、そうも簡単にはいきません。そんな訳で今回は、江陽二丁目の「加藤酒店」にお邪魔し、冷蔵庫を物色して発見した『天狗舞純米大吟醸50生酒』を購入させて頂きました。

このお酒を醸す車多酒造は石川県白山市で霊峰白山を望む加賀平野にあり、幕末の文政6年(1823)の創業です。『天狗舞』の名酒の由来は、創業当時は蔵が森の中にあったため、木々の葉や枝が風で擦れ合う大きな音が聞こえ、まるで天狗が舞っている音のようだと蔵人たちが口々に云った事から酒名に使い始めたようです。

また天狗舞の伝統的な山廃造りなどの丁寧で繊細な酒造りは、あの人気漫画「美味しんぼ」にも登場しており、現在では北陸新幹線グランスタでも使われています。

天狗舞大吟醸  ブルーのラベル



裏書もどうぞ  酒の色は透明

天狗舞純米大吟醸50生酒』は、酒造好適米の絶対王者「山田錦」を50%まで磨いて白山の伏流水で醸し、日本酒度+3、酸度1.4に仕上げています。なお使用酵母は非公表でした。

開栓すると香りは微かにフルーティで、蛇の目に注ぐと色合いは透明です。口に含むと仄かにフルーティさがありますが、舌にピリッと刺さるような酸味もある淡麗のやや辛口です。山田錦の米の旨味を十分に引き出した味わいに感激しながら呑み込むと、生酒感が後を引いて盃が進みました。

いつかは『天狗舞』と思っていましたが、加藤酒店においてあるとは正に「灯台下暗し」でした。ご主人にお願いして数台ある冷蔵庫の中の写真を撮らせて頂きました。もちろん、後でゆっくりと見て、次回に何を購入するかを検討するためです。またそれが至福の時なのです。♪

(。・_・。)ノ

2023年6月11日日曜日

赤いダルマが目印『じょっぱり純米酒№9白神酵母仕込み生詰原酒』

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昨年秋にイチゴから伸びたランナーを鉢に植えており、冬越し後の春に収穫して頂いております。しかし、赤くなると鳥がやって来て容赦なく食べるので、油断していると私の口に入りません。収穫後は洗ってヨーグルトで頂きます。

赤く色付いた苺を  収穫しました







ヨーグルトで

さて、最近飲み会が激減していたため、差し入れのお酒を買う機会も少なくなり、酒屋さんに足が遠のいておりましたが、久しぶりに加藤酒店さんへ顔を出しました。夥しい数の生酒が78台の冷蔵庫にビッチリと入っています。さて、どれを購入しようかと品定めをしていると、肩ラベルに赤いダルマのマークが。そう、津軽の赤ダルマ六花酒造の『じょっぱり』で、県内の人は誰でも知っている「辛口命」のお酒です。しかし、今回購入させて頂いた『じょっぱり純米酒№9白神酵母仕込み生詰原酒』は日本酒度が-11と、『じょっぱり』では有り得ない、いや信じられない甘口のお酒です。



じょっぱり  肩ラベルに赤ダルマ

輸出仕様?  裏書をどうぞ







酒色は透明

青森県弘前市にある六花酒造は、創業が享保4(1719)と県内でもかなり古い酒蔵で、淡麗辛口を求め呑み飽きしないお酒を目指しています。甘口なんてダメダメ!。しかし、今回のお酒は弘前大学が低温でのアルコール生産力の強い酵母を開発し、六花酒造が2015年より試験的に醸造しているお酒です。

酒米は青森県産米技術センター農林総合研究所が1997年より開発を始め、2015年に種苗法登録した酒造好適米の「華さやか」で、淡麗でスッキリとした酒質になるお米です。酵母は「弘前大学白神酵母№9株」で、世界遺産「白神山地」より採集し個性を調べ、大学でたくさんの種類を作った中の9番目の酵母です。仕込み水には白神山系地下伏流水で醸し、日本酒度-11、酸度1.8に醸しています。

じょっぱり純米酒№9白神酵母仕込み生詰原酒』を蛇の目に注いで香りを利くと、香りは控えめで…いや、ほぼ無臭で、酒色は透明です。口に含むと甘酸っぱいジュースのようでいて、口当たりはスッキリとジューシーな味わい。まるで白ワインのアウスレーゼのよう。余韻に柔らかな渋みはありますが、苦みは無くキレも申し分ありません。う~ん、以前呑んだ京都府亀岡市の丹山酒造で日本初の女性杜氏が醸す『純米酒飯櫃(ぼんき)』を思い出す味わいでした。

加藤酒店さんの冷蔵庫には未だ未だたくさんの生酒が眠っています。予約すると取り置きしておいてくれますので、本当に有難い酒屋さんです。♪

(。・_・。)ノ

2023年6月4日日曜日

五所川原のM氏の「退職祝い」で『飛鸞にこまる生酛無調整生酒』

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私が在職中に大変お世話になった五所川原のM氏が、「無事是名馬」の例え通り目出度く定年となりました。現役時の手腕を買われ再雇用にはなりましたが、区切りとするべく「退職を祝う会」が催されました。

発起人はやはり我等の大黒柱鶴田町のN氏が音頭を取り、今回は五所川原市で開催かと思われましたが、遠路はるばると八戸に来て頂き、毎度お世話になっている六日町の「海ぼうず」さんに集合となりました。参加者は津軽から2名、県南3名の計5人。連絡調整や一次会二次会等の段取りはN氏をオヤジと慕う、八戸工業卒で面倒見の良いM大先輩が担当して下さり、私とT先輩は宴会に集中です。ありがとうございます。そしてお疲れ様でした。

何か準備があればと15分前に到着したのですが、主役は既に着座しており、気合の入り方に驚きます。時間前には全員が揃い乾杯ですが、日本酒は私だけであとは何と「生4つ!」。

私が乾杯酒に選んだのは長崎県平戸市の創業が明治28年の森酒造場が醸す『飛鸞にこまる生酛無調整生酒』です。酒名は平戸の島影が「鸞」の飛び立つ姿に似ていたことから「飛鸞島」と呼ばれていたことに由来します。主力酒は『菊の露』から『豊年』で杜氏も不在の50石程度の酒蔵でしたが、6代目が宮城県で酒造りの修行をして蔵に戻ると、設備の改修や衛生面の改善に着手しました。また日本古来の「生酛造り」に舵を切って、全てを地元の物で仕込むテロワールを取り入れ、メインブランドとして『飛鸞』を立ち上げました。IWCやKuraMasterの20212022では高い評価を受け、人気はうなぎ登りの勢いで、仕込みも250石となっています。

冷蔵庫の最上階 呑み放題の中段

吞み放題の下段 飛鸞にこまる

飛鸞にこまる生酛無調整生酒』の酒米は、麹米に「山田錦」で掛米が食用米の奨励品種「にこまる」です。食べるとあまりの美味しさにニコッと笑顔になるお米で「にこまる」と名付けられています。仕込み水には最教寺の麓から湧き出す硬度7の軟水で醸し、スペックは非公開としています。呑んだ感じでは日本酒度-5,酸度1.8位でしょうか。

グラスに注ぐと酒色はほぼ透明で、香りは柔らかな酸の香りが。口に含むと瑞々しくジューシーで、グレープフルーツのような柑橘系の酸味が口の中に広がります。『あべイエロー』を思わせる味わいに驚きを隠せませんでした。



千歳鶴きたしずく カンパ~イ

参加者の皆さんは2杯目の生ビールを飲み干すと、漸く日本酒に参戦です。冷蔵庫から取り出したのは、札幌市の日本清酒が醸す『千歳鶴純米吟醸きたしずく』で、創業が明治5年の柴田酒造店が前身の、札幌にある唯一の酒蔵です。お酒を造る6代目の杜氏は「濃厚製法」と名付けた三段仕込みの技法で醸す、釧路出身の女性杜氏です。

酒米は福北海道で2014年に誕生した酒造好適米「きたしずく」。大粒で心白の出現率が高く、且つ寒さに強いお米です。酵母は協会601号を使用して、市内を流れる豊平川の伏流水で醸した、日本酒度-4.5、酸度1.5の一回火入れのお酒です。

酒色は透明で、香りは仄かに酸の効いた香りが。口に含むと柔らかな口当りと仄かな甘さがあり、きれいな酸味とスッキリとした呑み口。呑み込む刹那には渋みが来てスッとキレる呑み応えのある味わいに、皆さんから「スッキリだ」「美味しい」と言って頂きましたよ。








天穏春の月

全員が日本酒モードに入り3本目には島根県出雲市で創業が明治四年の板倉酒造が醸す天穏 春の月微発泡純米吟醸にごり生原酒を頂きました。酒名は日蓮宗の経文の「無窮天穏」(天が穏やかならば窮することは無い)と云う、世界とその未来が平和であるようにとの願いから命名されています。酒造りは100年以上続く出雲杜氏による伝統的な技法「山陰吟醸造り」により、清らかで優しい味わいを造り続けています。

天穏 春の月微発泡純米吟醸にごり生原酒は実は『天穏純米吟醸馨』の生原酒に水酛の醪(もろみ)から濾した濁り部分を混ぜて、壜内二次発酵により微発泡を促したお酒です。何でもありだなぁ・・。酒米は島根県のオリジナル酒米、奥出雲産「縁(えにし)の舞」を60%に磨いて使っています。2018年に品種登録を出願し翌年に「縁の舞」に決定しました。母方に「山田錦」で父方は「01-66」というお米を掛け合わせた、収穫時期の早い早生品種でまろやかな味わいのお米です。酵母には9号酵母系の華やかな吟香の島根K1を使って、出雲北山山系からの伏流水(中硬水)で醸している日本酒度+5、酸度1.8のにごり酒です。

酒色は撹拌前だったのでやや透明ですが、滓を混ぜるとすっかり濁り酒。香りは甘さを感じさせるようなフルーティな香り。口に含むとキリッと辛口の中にも甘さと円やかさがあり、刺さらないほどの酸味を感じながら、呑み込むと苦味でキレました。

紫宙金色の風  Ganshu酔仙

市野屋氷筍仕込 開春にごり生

その後も『紫宙(しそら)純米無濾過生原酒金色の風』、『岩手県青年酸友会ganshu2023酔仙』、『市野屋純米吟醸原酒風さやか氷筍水仕込み』、『開春無濾過春のにごり生』等々を頂きながらお開きに。酒量がいつもより少なかったのは、参加された皆様方との懇親に時間を費やしたからで、楽しい一時はアッという間に過ぎていきました。今度は津軽での開催を提案し二次会の会場へと歩を進めた次第です。

私の思うM氏の素晴らしいところは、人を信用してくれるその人柄で、鶴田町のN氏の薫陶を受け継いでいるのでしょう。フランクでいても自身の考えはしっかり持っており、何を相談しても返事が直ぐに帰ってくるような方なので、私が現役の時には自由に遣り易く仕事をさせて頂きました。正直こんな人はあまり居なかったと思っています。そんなM氏の第二の人生に幸あれと願ってやみません。♪

(。・_・。)ノ