2022年11月27日日曜日

コルク栓を抜き『ヌメロシス サケ エロティック生酛』で乾杯

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7月に、仕事を発注者して下さる方々を私の自宅にお招きし、3人で酒宴を催しましたが、再度10月にと計画していたら、何と五十肩が発症し夜も満足に眠れない日々が続いたため、酒宴は先延べとなっていました。しかし五十肩も注射によりほぼ二週間で寛解し、11月に漸く開催のはこびとなりました。

前回同様に私が料理担当で、F君は日本酒担当、H君は帰りの車の準備担当と役割分担はバッチリです。今回皆様に用意したお料理は、肉じゃが、鶏モモ肉のさっぱり煮、生ハムユッケ、こんにゃくとゴボウのピリ辛煮、ホタテの佃煮、牛こまとブロッコリーのオイマヨ炒め、無限トマトサラダ、そして購入したお刺身と焼き魚で、美味しいかどうかは別にして、多分ですが彼らはお腹いっぱいになったはずです。

日本酒担当のF君が今宵の宴にと、気合十分で持ち込んでくれたお酒は『ヌメロシス サケ エロティック生酛(四合瓶)十四代純米大吟醸極上諸白(一升瓶)、『鳳凰美田純米吟醸酒無濾過本生酒初しぼり(四合瓶)3本。垂涎の品揃えは、日本酒通を証明する逸品ばかり!。

先ず乾杯酒は、長野県上高井郡小布施町の小布施ワイナリーが醸すヌメロシス サケ エロティック生酛です。う~ん初めて聞くなぁ。実は小布施ワイナリーはワイン蔵で、極寒の1月にのみ約100石の日本酒を造っています。しかも、昔ながらの機械を使わない造りで、瓶詰めもポンプすら使わず自然落下に任せるほど。創業は幕末の慶応3(1867)で、舟問屋だった曽我屋が酒造業を始めましたが、昭和17年の戦時の物不足で廃業し、その後ワイン造りにシフトします。一旦失った酒造許可の再取得が叶い、厳寒期でワイン畑での作業が無い僅かの間、日本酒を醸しています。

ヌメロシス サケ エロティック生酛』の「ヌメロシス」は「6号」と訳し、6号酵母を使った酒という意味です。もちろん「エロティック」にも意味があり、「狂おしい恋愛を経た大人の男女にのみ解りうる、退廃的な香味の酒」であるがゆえに、この酒名となっています。深い!。



ヌメロシス  サケエロティック




裏書をどうぞ  滓が見えます

ワインのコルク抜きで栓を抜き、蛇の目に注ぐとお酒の色はほぼ透明ですが、滓が舞っているように見えます。爽やかで果実のような香りがし、乾杯の発声とともに口に含むと、サッパリとした呑み口にフルーティな甘さと心地よい酸味、総じてバランスの良い味わいです。そして切れる際には僅かな辛さも感じられ、まるでコクのある白ワインの甘口のよう。「何!これっ」と、三人それぞれが感動を口に出しながら頂きました。




化粧箱も立派  堂々の十四代

裏書をどうぞ  酒色は透明で

さて、四合瓶なのでアッという間に瓶が空いてしまいましたが、続くお酒が超高級ブランド酒の『十四代純米大吟醸極上諸白生詰め』です。先ず、箱が立派で千円の値が付くそうです()。このお酒は、山形県村山市の創業が江戸初期の元和元年(1615)の高木酒造が醸しており、平成6年に十五代目の杜氏の高木顕統(あきつな)さんが、初めて造り命名した十四代が、当時の主流だった『越乃寒梅』などの端麗辛口酒を押し退けて、フルーティなお酒のブームを巻き起こし、今では入手困難酒の筆頭を走っています。

酒名の「諸白(もろはく)」とは高精米の事で、麹米、掛米ともしっかり磨いて造っているという意味になります。酒米は兵庫県特A地区産の極上「山田錦」と幻の酒米「愛山」で、酵母は自社蔵付き十号酵母。仕込み水には桜清水と呼ばれる、出羽山系の葉山の伏流水で醸しており、スペックは残念ながら非公開です。

蛇の目に注ぐとトロミがあるようで酒色は透明です。立香は上品に、そしてフルーティに香ります。口に含むと瑞々しい甘さがストレートにやって来て、酸味までフルーティに感じます。決して甘ったるくは無く、品の良い甘さです。『十四代』らしい旨味を山田錦と愛山がデュエットで奏でる味わいに、感無量でした。これは傑作としか言いようが無く、当然、入手困難酒です。これは当ブログの年間ランキングの上位に入る酒だなぁ。

一升瓶の『十四代』もあらかた頂き、最後のお酒は栃木県小山市で創業が明治五年の小林酒造が醸す『鳳凰美田純米吟醸酒無濾過本生酒初しぼり』です。これも旨いんだよなぁ~。二十年以上前は廃業も考えていたという酒蔵でしたが、夫婦で「自分達が呑みたいと思えるお酒を造る」と頑張って、超人気銘柄の仲間入りを果たしました。酒名の由来は、酒蔵が日光連山の豊富な伏流水に恵まれた美田(みた)村にあった事から命名しています。全量を吟醸仕込みで、殆どのお酒を「しずく搾り」と云う手作業の方法で搾るので、吟醸香がより強く香るようです。




そそる鳳凰美田  純吟初しぼり




裏書をどうぞ  酒色はほぼ透明

鳳凰美田純米吟醸酒無濾過本生酒初しぼり』の酒米は富山県南砺産五百万石で、それを55%まで磨いて使い、日光連山の清らかな伏流水で醸した、日本酒度±0、酸度1.8のお酒です。蛇の目に注ぐと酒色はほぼ透明‥いや少し濁りがあるか。そして華やかな吟醸香が顔の周りに立ち上がります。口に含むとフレッシュで、甘さはそれ程感じませんが、程良い酸味と辛味、そしてフルーティさが鼎の足のようにバランス良く、力強い旨味を構成しています。

 今回も夕方の6時に開始で、夜9時までの酒宴でした。前回もそうでしたが、F君からは常人では入手困難な格別のお酒を提供して頂いており、感謝の念に堪えません。感謝だけでいいのかなぁ‥とも思いますが、年が明けたら再度席を設けましょうとお開きになりました。H君とF君は左右に揺れながら帰って行きました。もちろん見送る私も前後左右に揺れていましたが。♪

(。・_・。)ノ

2022年11月20日日曜日

佐賀は旨い酒の国『東鶴冬支度おりがらみ純米生』

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今年もきれいに咲いた朝顔でしたが、11月初旬まではしっかりと咲き誇っていました。種はこれからが収穫時期となり、また来年に繋げることになりますが、品種改良の花は発芽率が低いのでたくさんの種を収穫する事が大切です。

さて、先日の仕事帰りに三沢市の中居酒店さんよりたかちよ豊醇無盡扁平精米無調整生原酒おりがらみSEVEN黄緑と共に購入させて頂いたお酒が、今回ご紹介する東鶴(あずまつる)冬支度おりがらみ純米生です。

佐賀の銘酒東鶴  多久の山々が



裏書をどうぞ  酒色は濁って

佐賀県は『鍋島』をはじめとして、東一や『七田』、『光榮菊』、『天吹』など、旨い酒で有名な県です。佐賀県多久市の東鶴酒造が醸すこの『東鶴』は、1830年から続く老舗の小さな酒蔵でしたが、お酒が売れず平成に入った頃から休業状態となり廃業寸前でした。先代の長男で現在の六代目が、佐賀県内で呑んだ小松酒造の『万齢』に感動し、自分もこんな酒を造りたいとの想いから、『』で有名な、山口県の永山本家酒造で修行に励み、平成20年には酒蔵を復活させ、お酒の売り上げも右肩上がりです。

秘密の一つは水で、酒造りの重要要素である仕込み水を、より美味しくなるようにと10mの深さの井戸から更に100mにまで掘り下げ、軟水の水に変えると、酒質が抜群に向上しました。

2019年の九州北部豪雨では蔵の側の川から水が溢れ、蔵全体が浸水するという被害を受けました。しかし、酒販店や多くの方々に支援されて、1ケ月後には酒造りを再開できるまでになりました。

さて、今回の東鶴冬支度おりがらみ純米生は、春夏秋冬を飾るシーズン酒のうちの1本です。酒米は富山県の開発した、米粒が大きく心白の大きい「雄山錦」で、酵母は佐賀県で開発を進めている、香りが良くスッキリとした味わいになるSAWA-1。アルコール度数は16%で日本酒度は-1、酸度は1.4と甘口のお酒に醸し、搾りたてを手早く瓶詰めしたフレッシュなお酒です。

グラスに注ぐと酒色はおりがらみらしく滓が舞っており、生酒特有の甘酒のような優しい香りが、湧き上がるように香っています。口に含むとフレッシュで甘さと爽やかで煌めく酸が、口腔の上部に突き刺さります。本当に酸味が心地良い~。こんな美味しいお酒を造っているのですから、酒販店や消費者に支持されるハズです。

以前『東鶴芽吹きうすにごり生』を呑ませて頂き当ブログに載せましたが、やはりジューシーなお酒で、ぜひ女性に呑んで頂きたいと書きました。このお酒も同じに美味しいので、女性の方、騙されたと思って呑んでみて~。♪

(。・_・。)ノ

2022年11月13日日曜日

『たかちよ豊醇無盡扁平精米無調整生原酒おりがらみSEVEN黄緑』長い⁉

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今年もきれいに咲いてくれたグラジオラスやダリアの球根を掘り上げました。しっかり洗って来春に植え付けできるように冬季間保存します。未だ冬にもなっていないのに、来春を待ち遠しく思っている今日この頃です。

グラジオラスの球根  しっかり洗って

きれいにしてから   乾燥させました

さて、今回のお酒は先日まで小川原駅の近接工事に携わっていたため、三沢市の中居酒店が帰り道なので、購入させて頂いたたかちよ豊醇無盡扁平精米無調整生原酒おりがらみSEVEN黄緑で、新潟県南魚沼市で創業明治元年の高千代酒造が醸しています。主力酒は『高千代』と『巻機山』で、日本百名山の一つ巻機山の麓で酒造りを行っています。他の酒蔵と全く違う高千代酒造の酒造りは、先ず酒質の目標を定めます。例えばメロン風味。それに向けて酒を設計して米や酵母、造りを調整する逆転の発想で、マスカットやパイナップルなど多くの果実の味わいを日本酒で再現しています。SEVENシリーズは7月に蔵出しをするお酒で、UVカットのための特殊フィルムに入れられ出荷されるという気の遣いようです。

今回のお酒『たかちよ豊醇無盡扁平精米無調整生原酒おりがらみSEVEN黄緑』は、一応メロンをイメージした設計で、酒米や日本酒度、酸度などのスペックは非公開。しかし、味わいながらスペックについてワイワイ盛り上がるのも良いのでは。肩ラベルにある扁平精米とは通常精米の2倍の時間を掛けて扁平に精米し、米をその形のまま縮小させるように中心部の心白だけを使って醸しているため、雑味が無く旨味たっぷりに仕上がります。仕込水には巻機山からの極軟水の伏流水を使い、アルコール度数1617で醸しています。

UVカットのフィルム  たかちよSEVEN

ラベルは黄緑   肩ラベル

滓が沈んでいて  かなり濁って

瓶の底を見ると滓が3㎝くらい沈殿しており、ドキドキ感が止まりません。静かにグラスに注ぐと、滓が沈殿しているために、思いっきりトロミがあります。蛇の目の中は濁っていて、細かなバブルが次々と立ち上がる微発泡のお酒です。香りを利くと華やかにフルーティで甘酒の香りが。待ちきれずに口に含むと先ず甘さがあり、その後に爽やかできれいな酸。口腔が発砲バブルでピリピリし、呑み込むと咽喉には辛さが残り、その後で苦みも感じました。メロン感はあまり感じませんでしたが、十分に美味しいお酒でした

以前『たかちよ豊醇無盡おりがらみ本生スカイブルー』を呑んだ時には、ラムネ風味のジューシーな味わいに、物凄い感動を頂きました。こんなお酒もあるのかと驚愕した次第です。それが今、三沢で入手できるとは有難い。♪

(。・_・。)ノ

2022年11月7日月曜日

海ぼうずさんで『五橋トラタンひやおろし』

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今回は、私が若い頃から乗用車をお世話頂いていたディーラーのM所長が、この度目出度く定年で退職されたのをお祝いするために、今までのお礼方々「海ぼうず」さんで御一緒させて頂きました。Mさんからは一年前に、私が現在所有しているマツダCX-5を購入させて頂いており、先日の津軽紀行の際にはお陰様で運転も超快適でした。

私が1年前に仕事を辞めて、好きな事のし放題の「のほほん」とした暮らしを見たのも退職の原因の一つらしく、彼も1年の定年延長のみで辞めたと伺い、これからの彼の生活をちょっぴりですが心配しています。お酒も大好きだからネ~。

3階は立派なお酒  こちらが呑み放題

乾杯はMさんがビール。私は迷いなく冷蔵庫から群馬県館林市の竜神酒造が醸す尾瀬の雪どけ湯上り純米生詰めをチョイス。何故これを乾杯酒に?って。それはラベルのピクトグラムが気になったからで、皆さんも気になるでしょ。Mさんのこれからの素晴らしい人生に幸あれと声高らかに乾杯です。



尾瀬の雪どけ  裏書をどうぞ

香りはフルーティに果実のジュースのようで、口に含むと甘さと酸味のバランスが良く、ラベルがあんなでチョット舐めていましたが、旨さはさすが『尾瀬の雪どけ』と最敬礼した次第です。

クラッシック仙禽  AKABU生酒

乾杯酒はグイッといき、続くお酒は栃木県の『クラッシック仙禽無垢』、そして岩手の『AKABU・F・NEW BORN』を頂き、未開封の『百春MOONLIGHTING特別純米ひやおろし無濾過生原酒』を開封致しました。

百春無濾過生  裏書をどうぞ

百春(ひゃくしゅん)は、岐阜県美濃市の中心街で安永元年(1772)創業の小坂酒造場が醸しており、主力酒はこの『百春』で、近年ではフランス、スイス、中国など海外にも販路を拡張しています。ラベルの文字は河合玉堂らと並ぶ日本画家の川端龍子の揮毫によるもので、堂々とした迫力のある文字に旨さも3割ほどアップしている気がします。

百春MOONLIGHTING特別純米ひやおろし無濾過生原酒』の酒米は美濃錦を使い、有機ミネラルの豊富な清流長良川の伏流水で醸した、日本酒度+1、酸度1.7の無濾過生原酒のひやおろしです。‥‥ん、無濾過生のひやおろしって、あまり聞いたことが無いですなぁ。グラスに注ぐとトロミがあり、立香はフルーティ。口に含むと強い甘さがジューシーで、その後に大人し目の酸と辛さがきて、苦みを残してキレてゆきました。旨いとしか表現できないお酒で、これは最早「ひやおろし」ではありません。

続くお酒はラベルに何と書いてあるかが不明な一升瓶を発見し、よくよく見ると、裏ちえびじん~番外編~純米吟醸おりがらみ生酒とありました。うれしー!!。何故って、美味しくてハズレの無いお酒だからです。

裏ちえびじん  裏書をどうぞ

このお酒は、大分県杵築(きつき)市で明治七年創業の中野酒造株式会社が醸しており、現在の六代目が造ったブランドがちえびじん』で、創業当時の女将が「智恵」さんで、とても美人だった事から名付けられました。『裏ちえびじん』は、酒質を見直し進化させるためプロトタイプ的なお酒として裏バージョンのラベルにしました。

裏ちえびじん~番外編~純米吟醸おりがらみ生酒』の酒米は大分県産山田錦を60%に磨いていますが、それ以外のスペックは非公開。仕込み水は3年連続モンドセレクション金賞に輝いた六郷満山の御霊水を使って醸しています。

グラスに注ぐとこのお酒もトロミがあり、立香はフルーティで香量は多め。口に含むとジューシーで濃厚な甘さがあり、酸味は心地良く辛さはそれほど感じません。濃厚なのにしっかりとキレてゆきました。これはランキングに入りそう。さすが『ちえびじん』と思った次第です。

天美特別純米  五橋トラタン

旨い酒が続き、次のお酒選びが大変とは思いましたが、冷蔵庫に山口県は長州酒造の『天美特別純米』を発見!。ジューシーなお酒の三連チャンとなりました。気になったのは同じ山口県の『五橋トラタンひやおろし』です。トラクタンって何っ?。

このお酒は山口県岩国市で創業が明治4年の酒井酒造が醸しており、主力酒『五橋』の由来は、地元に330年前に架橋された錦帯橋が、5連のアーチ型だった事に因み『五橋』と命名しました。トラタンとは有志の農家で作る「トラタン村」で栽培した山田錦を使ったお酒と云う意味で、「捕らぬ狸の皮算用」の造語が「トラタン」なそうな。

酒米は麹米に山田錦を60%まで磨いて使い、掛米には同じく山田錦ですが規格外米を70%に磨いて使います。酵母は山口県独自の「やまぐち山廃酵母」で、既存の酵母に比べ酸度の高い濃醇タイプに仕上がる「9E」を使って、清冽な錦川の伏流水で醸し、1回火入れで日本酒度+3、酸度2.1に仕上げました。やっぱり酸味が強いか。

グラスに注ぐと香りはフレッシュな酸を思わせます。口に含むと甘さはそれほど感じる事も無く、酸味がガツンとやってきて、そのままキレてゆきました。お口の中は山田錦の旨味だけが残っています。焼いてタルタルを掛けた鮭が美味しく美味しく戴けた食中酒でした。




雅楽代シルバー  Mさんと一緒に

話し込んでいるとラストオーダーの声が掛かり、私たちは『雅楽代(うたしろ)シルバーラベル火入れ』でシメました。もちろん未だ未だコロナ禍なので、二次会はありません。「海ぼうず」の御主人様の病気平癒も祝って、お店を後にしています。

この先、自分の人生がどうなるかなんて誰にも分かりません。確実なのは自分の時間が徐々に無くなっていくと云う事実で、やりたい事もせずに人生を終わらせたくありません。自分のやりたいことに時間を目一杯使って、精一杯人生を楽しむ事が大事だと思います。可能性は無限です。一般的にですが。♪

(。・_・。)ノ