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8月に入り暑さも本番となりました。庭の野菜は今年も順調に生育しており、ウチの奥様も収穫の楽しさを堪能しています。
さて、私は現在、個人会社的なものを設立し、以前勤めていた会社より仕事を頂戴しているのですが、その担当者の方々と一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、三人で美味しい日本酒を頂戴しました。
当日は私が料理担当で、F君は日本酒持ち込み担当、H君は帰りの車の準備担当と役割分担をして臨んでおります。当日準備したお料理は新じゃがと手羽中の甘辛蒸し煮、厚揚げとナスの味噌炒め、豚から揚げキムチだれ、ごま油香るキュウリ浅漬け、トマトの酢のもの黒コショウ掛け、お刺身、焼き魚で、多分ですが彼らはお腹いっぱいになったはずです。
今回、日本酒担当のF君が、自宅の日本酒専用冷蔵庫から今回持ち込んでくれたのは、『天賦純米吟醸赤磐雄町搾立生酒』(四合瓶)、『寒菊TrueRed雄町50純米大吟醸おりがらみ無濾過生原酒』(四合瓶)、『而今純米吟醸酒未来無濾過生酒』(一升瓶)の3本で、この時期を考慮すると奇跡の品揃えだと思います。本当に素晴らしい!。
先ず乾杯は、鹿児島県日置市の『天賦純米吟醸赤磐雄町搾立生酒』です。新しいブランドなのでご存じない方もいらっしゃると思いますが、実は焼酎の『富乃宝山』や『吉兆宝山』で有名な西酒造が醸している日本酒で、創業は江戸末期の弘化2年(1845)の老舗焼酎メーカーです。現在の蔵主が大学生の時分、高木酒造の高木顕統氏が先輩にあたり、酒造りに助言を受けながら、2020年より焼酎の醸造技術を活かして、『天賦』という日本酒の製造を始めました。
天賦搾立生酒 裏書をどうぞ
酒色は透明 H君とF君
酒米は雄町誕生の地と云われる、岡山県赤磐地区の雄町で、大粒で柔らかく醪に溶けやすい特性の酒造好適米を使い、酵母は自社培養酵母で、仕込み水には薩摩峰山の深い地層を流れる天然水を蔵内の地下にある井戸から汲み上げて醸しています。
利き猪口に注ぐと、お酒の色はほぼ透明で蛇の目がくっきりと映ります。香りはフルーティな吟醸香で香量も多く期待が持てます。口に含むと思った通りフルーティ&ジューシーで重厚な甘みと、柔らかで果実のような酸味が合わさり、雄町らしい滑らかでコクのある味わいに着地しています。美味しすぎるこのお酒の後では、次のお酒が霞むのでは・・・と、実は乾杯酒に選び失敗かと思っていました。この時点では。
寒菊TrueRed雄町 抜栓時注意書き
裏書をどうぞ 酒色は濁って
『天賦』が直ぐに空瓶となって、次に開栓したのは千葉県山武市で明治16年創業の寒菊銘醸が醸す『寒菊 TrueRed雄町50純米大吟醸おりがらみ無濾過生原酒』です。「冬菊になぞらえ、小粒ながらに一徹さを持ち末永く良い酒を造る」との想いから『寒菊』と名付けています。このお酒は無濾過原酒に拘ったOccasionalシリーズ銘柄で、TrueRedは赤い菊の花言葉「愛情」をテーマに造られました。
酒米は酒造好適米「雄町」を50%まで磨いた大吟醸で、酵母は明利小川酵母を変異させた、香気成分を多く生成するM310酵母で、蔵内の樹齢200年を超える柿の木の根本より湧き上がるミネラルたっぷりの清水で、南部杜氏の手により醸しています。
利き猪口に注ぐと、酒色はもちろん白く濁っており、蛇の目は薄っすらと見えています。また炭酸ガスの泡が、酒器の内側にびっしりと張付いています。香りは無濾過特有の香りで、炭酸ガスの跳ねた泡が鼻に届きそう。口に含むとジューシーで華やかな甘さ。強めの炭酸ガスが舌に刺さり、シャープな酸を演出します。甘酸っぱくジューシーで旨味たっぷりの味わいは、1本目の『天賦』に決して負けておらず、逆に凌ぐほどの美味しさでした。
而今酒未来 裏書をどうぞ
酒色は仄かに濁って 絶品!と私
最後には真打が登場です。3本目は三重県名張市で創業1818年(文政元年)の木屋正酒造が醸す『而今純米吟醸酒未来無濾過生』の一升瓶を頂きます。『而今』には「ただ、今、この一瞬を、懸命に生き抜く」という意味が込められており、日本酒では5本の指に入るプレミア酒です。抽選販売は当たり前、抱き合わせ販売でもなかなか手に入らないと言われており、どうやって入手したのか日本酒通のF君ならではのルートがあるのでしょう。
酒米は酒造好適米の「山形県産酒未来」。この酒米は、もともと『十四代』蔵元の高木辰五郎氏が育種に成功した自社開発米で、試行錯誤を繰り返しながら18年もの歳月を掛けて造り上げました。「酒未来」は山酒4号と美山錦を交配させており、短稈、耐寒性、大粒なのが特徴で、華やかな味わいとなる酒米です。
酵母は上品な吟醸香を醸す9号系の酵母を使用し、中軟水な性質の名張川の湧水で醸しており、日本酒度±0、酸度1.6に仕上げています。
利き猪口に注ぐと少しトロミがあるようにも感じます。酒色は透明よりは少し濁っており、香りはフルーティで無濾過特有の香りがします。口に含むとフルーティ&ジューシーで、きれいな甘味に爽やかな酸味、後から補うようにくるほど良い辛さ。バランスが良く濃厚で上品な無濾過の味わいは、舌の上に旨味を残してスッと切れてゆきました。これは当ブログの年間ランキングに入るなぁ。絶対。
当日は夕方18時から開始し21時でお開きとなりました。またの再会を誓い合い、外で待機していたタクシーで帰路に着いたとものと思われます。たぶん。いや、きっと。♪
\(。・_・。)ノ