2022年6月27日月曜日

乾杯は『あべ楽風舞純米吟醸おりがらみ生酒』たねいち会

いつも当ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

お陰様で当ブログの来場者数が八万人を越えました。ご来場頂いた方々に心より感謝申し上げるとともに、これからも気軽にお越し頂ければと願っております。また八万人目は誰が取ったか未だ不明なので、心当たりのある方はご連絡をお願い致します。

さて、毎年「たねいち会」を開催しておりますが、私が二十歳頃に勤めていた会社の名前をとったもので、その時お世話になった人たちと、年に一回集まって旧交を温めております。昨年はコロナ禍で開催できず、私の退職後初の「たねいち会」となり、いろんな意味でワクワク感がいっぱいでした。

厳選酒の揃う棚  吞み放題のお酒

毎年居酒屋「海ぼうず」さんでの開催が定番で、暫くぶりの日本酒呑み放題に、早くも気持ちが高揚します。予め冷蔵庫内を見て、既に乾杯の一杯を心に決めており、定刻に全員が揃って早速、乾杯!。私が選んだのは新潟県柏崎市で文化元年(1804)創業の、阿部酒造が醸す『あべ楽風舞純米吟醸おりがらみ生酒(通称あべグリーン)です。創業当時からの代表銘柄は『越乃男山』でしたが、2015年に「他社より10倍も100倍も努力して、圧倒的に旨い酒を目指す」と立ち上げた新ブランド「あべシリーズ」が大ヒット酒に。今では新潟県の日本酒ランキングで、三本の指に入るお酒となっています。



あべグリーン 乾杯!!

あべ楽風舞純米吟醸おりがらみ生酒』の酒米は、軽快な味わいのお米の新潟県産「楽風舞」で、「五百万石」と「どんとこい」を掛け合わせています。酵母は香りのバランスが良く、酸の生成が少ない新潟県酵母G9を使い、軟水の黒姫山系伏流水で醸した、アルコール度数13%の夏酒です。

香は上品でフルーティ。口に含むと果物のようにジューシー。清涼感のある味わいと軽やかな酸味がジューシーさを際立たせています。こんな夏酒は『陸奥八仙夏囲い純米吟醸生原酒』以来でしょうか。

群馬の水芭蕉 AKABU純米夏霞

感動の乾杯酒に続いて、吞み放題のエリアからこれだと取り出したのが水芭蕉夏酒純米吟醸おりがらみ生貯蔵です。利根川の源流域である群馬県利根郡川場村で創業明治19年の永井酒造が醸しており、この『水芭蕉』と『谷川岳』を主力銘柄としています。

酒米は麹米掛米とも最強酒造好適米「山田錦」を使い、酵母には群馬県で開発した群馬KAZE酵母、仕込み水には谷川岳の雪解け水が尾瀬の大地で濾過された天然水を使って醸し、醪を特殊な編み袋に入れて自然落下させ、滴り落ちる雫を集めており、大変な手間暇を掛け丁寧に造られています。スペックは日本酒度±0、酸度1.5の甘口となっています。

グラスに注ぐと酒色はほぼ透明ですが、薄っすらと滓が舞っているようにも見えます。香りは滓がらみなのに爽やかでフルーティな吟醸香。口に含むとジューシーな甘さと酸味のバランスが良く、辛さはそれ程感じません。サッパリとした味わいに山田錦の旨味が感じ取れました。火入れの酒なのに全くそれを感じさせない、さすが群馬を代表する『水芭蕉』だと敬服した次第です。

水鳥記夏酒  仙禽無垢

一白水成良心 ウラ鍋島

その後も、岩手の『AKABU純米夏霞』、宮城県の『水鳥記特別純米夏酒』、福島県の『純米生酒奈良萬おりがらみ』、新潟県の『たかちよ59純米吟醸美山錦生原酒』、栃木県の『クラッシック仙禽無垢』、秋田県の『一白水成良心特別純米生酒』、長野県の『川中島幻舞純米吟醸無濾過生原酒』、佐賀県の『鍋島隠し酒特別純米(ウラ鍋島)』を次々と味わい、質の高い呑み放題に心も体も満たされました。

最後の締めには石川県を代表する『手取川』で有名な、吉田酒造店が2021年から醸している新シリーズ『吉田蔵U-石川門生酒』です。創業は明治3年で、手取川扇状地の石川県白山市に酒蔵はあり、能登杜氏が最も得意とする山廃造りを行っています。今回のお酒は、吉田酒造店が独自に研究した「モダン山廃」の技で醸した山廃の原酒です。そしてこのお酒の『』は「優しい」の優、「あなたへ」のYOUからとっているそうです。



吉田蔵U   大満足で店を後に

酒米は、石川県が旨い酒を造るために特別に育成されたオリジナル酒造好適米で、心白が大きいのが特徴の「石川門」です。酵母は協会9号酵母に近い金沢酵母で、香りのバランスが良く、淡麗な酒質となる特徴があります。仕込み水には「白山の名水」の伏流水を使った、アルコール度数13%の軽やかな夏酒です。

グラスに注がれたお酒は滓で濁っており、香りは華やかで甘さと酸味が予想される香り。口に含むとフルーティで、白ワインのような爽やかな酸味と穏やかな甘さ、後味の辛さもアクセントになり、総じて旨味となっていました。

実はもう一人定年を迎えた方がおり、当日は二人の定年退職祝いとなりました。会社員時代の楽しかったこと、辛かった思い出などが昨日の事のように話題に出ます。昨年春に退職している私からも、趣味を持ち希望を持って日々を暮らすことをアドバイスさせて頂きました。残念ながらコロナ禍も考慮し、二次会は無しで帰路に着きました。♪

(。・_・。)ノ

2022年6月19日日曜日

初めて感じた美味しい山廃『播州一献山廃純米播州愛山生』

いつも当ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

今週は八戸パークホテルで『陸奥八仙』でお馴染みの八戸酒造が、酒蔵ランキングで日本一、いや世界一となったお祝いのパーティーが予定されており、私も参加予定で胸を躍らせています。体調管理を万全にして、不測の事態を招かないようにと思っています。

さて、わが家にお茶やお茶菓子を届けて下さっているお茶屋さんがあるのですが、社長のAさんは私の奥さんの中学時代の同級生で、且つ私の1つ先輩でもあります。そう、今年の初めに栄光冨士GMF24LEGEND OF THE CREYSTAL純米大吟醸無濾過生原酒を頂戴した方で、太っ腹な方なのです。その方が関西方面に出張した際に、わざわざ私にお土産にと購入してきて下さったお酒が、今回ご紹介する『播州一献山廃純米播州愛山生』です。ホントに恐縮です。

このお酒は兵庫県宍粟市(しそうし)で揖保川の畔りにある山陽盃酒造が醸しており、創業は江戸末期の天保八年(1837)の酒蔵です。また『播州一献』の銘柄は「播州の米、水を使い地酒本来の持つ良さを大切に、手間、暇を惜しまず醸したお酒を一献どうぞ」と云うコンセプトから生まれました。2017年からは、地元兵庫県原産の酒米のみで造っているこだわりの酒蔵です。



播州一献山廃愛山  愛山が凛々しい

裏書をどうぞ   酒色はほぼ透明だが

酒米は栽培が難しいため収量の少ない、いわゆる幻の酒米「愛山」を65%に削って使っていますが、大粒で心白が大きくそれでいて溶けやすいという特徴があり、それを最大限に活かすために低温長期醪で醗酵させています。一般的に甘口のお酒になる「愛山」ですが、山廃造りで酸味も活かしたキレの良いお酒になるように設計しています。酵母は酸が少なく香気の高い、それでいて醪で高泡を出さない協会901酵母で、仕込み水には氷ノ山の伏流水である揖保川水系の地下水を、自社の井戸で汲み上げて使い、低温長期醪で丁寧に発酵させて醸しています。残念ながら日本酒度、酸度などは非公開としています。

蛇の目に注ぐと酒色はほぼ透明…いや、ほんの少し琥珀色かも。香りは殆ど感じられません。口に含むと先ず重厚な甘さがきて、「愛山」の甘さとコクが生酒特有の味わいを増幅しています。その後直ぐに口腔にジワジワ感。そして鼻から華やかな酸味と辛さが抜けてゆきます。キレの良い「愛山」の旨味がタップリのお酒で、呑む度に重厚な甘さ、華やかな酸、辛さを繰り返します。私的には呑み易く美味しいと感じる、数少ない山廃のお酒でした。

Aさんは、中学時代はテニス部でイケメン。今も風貌は変わっていないばかりか、体重も60㎏を切っていて、お腹回りもペッタンコ。体型も変わっておらず、目指さなければならない方なのです。♪

(。・_・。)ノ

2022年6月13日月曜日

人生で二度目の『十四代七垂二十貫純米大吟醸』

いつも当ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

会社員だった頃に大変お世話になった建設会社のN常務のお宅で、昨秋に『田酒純米大吟醸四割五分』と美味しいお料理をご馳走になりました。「また機会があったら…」と言って頂いておりましたが、N常務の友人のH氏が『十四代七垂二十貫純米大吟醸』を手に入れたので、三人でまた一緒に呑みましょうと云う事になり、再度ご自宅へ伺う事になりました。

今回も会社員時代の話やスポーツの話、三人とも共通する大好きなお酒の話で盛り上がります。乾杯はもちろんH氏が持ち込んで下さった、昨年の3月以来の十四代七垂二十貫純米大吟醸です。このお酒は、超希少且つ超超超入手困難酒で、山形県村山市で創業元和元年(1615)の高木酒造が醸しています。『十四代』はどれでも入手困難なのに、幻のお酒をよく入手できましたねぇ。また、酒名にある七垂二十貫とは、二十貫(75)のお米から僅か七垂れ()しか搾れないほどの貴重なお酒で、高木酒造伝統の製法の最高傑作といわれています。

神々しい箱  七垂れ二十貫

幻の酒です  裏書をどうぞ







酒色は透明

酒米は深い味わいを造る希少な酒造好適米の兵庫県特A地区古川町産「愛山」を40%まで磨き、酵母には香り高く爽やかな仕上がりとなる山形酵母を、仕込み水には桜清水と呼ばれる出羽山系の葉山の伏流水で醸した、日本酒度+1、酸度1.6の大吟醸酒です。

酒色は透明でフルーティな香りは仄かに。乾杯の発生とともに口に含むと、くどくないフルーティな甘さと、ゆったりしたジューシーさ。そして大人し目の酸に心地よい辛さと、全てがバランス良く重厚な旨味のハーモニーとなっています。完成されたお酒とはこのような味わいなのだと感じ入りました。H氏に感謝しながら四合瓶はアッという間に空になりました。

次のお酒もH氏がサプライズで持ち込んでくれた、焼酎王国鹿児島県の日本酒で、その名も『純米吟醸「別誂仕込」日本酒№002 』です。焼酎の『富乃宝山』や『吉兆宝山』で有名な日置市の西酒造が醸しており、創業は江戸末期の弘化2年(1845)で、元々は焼酎メーカーでしたが2020年より醸造技術を活かして『天賦(てんぶ)という日本酒を製造しています。

純米吟醸「別誂仕込」日本酒№002 』の別誂仕込とはオーダーメイドに近いデリケートな造り方で醸したお酒という意味合いで、限定1000本となっています。よく手に入れたなぁ。



002の立ち姿  不思議なラベル

裏書をどうぞ  酒色は透明

酒米は大粒で柔らかく醪に溶けやすい「赤磐産雄町」を使い、仕込み水は蔵内の地下にある、薩摩峰山の深い地層を流れる天然水を汲み上げて醸しています。香りはフルーティで香量も多く、口に含むと『十四代』と遜色のないフルーティ感と酸や辛さの合体した旨味に、一同啞然としました。2020年から参入したとは思えない完成度の高さに脱帽です…と思ったら、実は現在の蔵主は、大学時代に前述の高木酒造の高木顕統氏の大学の後輩にあたり、酒造りに助言を受けているとの事で納得した次第です。

さて、私もお酒を持ち込ませて頂いており、『十四代七垂二十貫』には及ばないと知りつつも、準備してきたのが『鍋島純米吟醸山田錦生酒』でした。一応、このお酒も入手は簡単ではなく、本来であれば堂々と胸を張る主役級の立派なお酒ですよ。

鍋島パープル  裏書をどうぞ








酒色は透明

このお酒も入手困難且つプレミアが付くといわれるお酒で、佐賀県鹿島市の創業が大正末期の富久千代酒造が醸しており、四百石ほどの小さな酒蔵でしたが、平成10年にこの『鍋島』を新ブランドとして立ち上げてからは、平成14年の「国際酒祭り」純米酒部門で早くも日本一となり、平成23年ロンドンでのIWCでは大吟醸が「最優秀チャンピオンサケ」に選ばれるなど人気のブランド酒となりました。日本酒好きには、そんな説明不要の美味しい日本酒銘柄です。この銘柄はパープルラベルと親しまれ、鍋島ブランドの看板酒となっています。

鍋島純米吟醸山田錦生酒』は酒米が酒造好適米の帝王「山田錦」を100%使用、それを50%まで磨いた通常は大吟醸のお酒です。仕込み水には多良岳山系からの良質な地下水を汲み上げて醸しています。残念ながらスペックは非公表でした。

香りは甘さを含んだフルーティで上品な香り。口に含むと口中にジューシーさが広がり、生酒特有の米の旨味が凝縮され、穏やかな酸味と仄かな苦みが甘さとバランス良く、さすが鍋島と思った次第です。前者2本を吞んだ後でも『鍋島』は存在感を発揮し、美味しく頂けました。やっぱ一流は違いますね!。

美味しいお料理に美味しいお酒で、和気藹々とした楽しい時間もあっという間に過ぎました。またの再会を誓い合って帰路に着きました。♪

(。・_・。)ノ

2022年6月5日日曜日

『百十郎米吟醸 青波BlueWave爽快淡麗旨辛口』を義兄より

いつも当ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

一昨年にアレカヤシを頂戴しました。小さかったアレカヤシも徐々に大きくなって愛着が増した頃に驚きの減少が!。何と黄色く可愛らしい花が咲いたのです。何回か育てていますが初めて見ました。これは吉兆かもと、喜んでいる次第です。

まだ小さいアレカヤシ  黄色い花が

さて、先週お届けしたブログの『羽根屋』は義兄から頂戴したのですが、もう一本頂いたと書きました。それが今回ご紹介する『百十郎純米吟醸 青波BlueWave爽快淡麗旨辛口』です。いいチョイスですねぇ。

このお酒は、濃尾平野の北部に位置する、岐阜県各務原市の林本店が醸しており、創業は大正9年で主力酒は創業者の名前から頂戴し『榮一』となっていました。五代目蔵元は女優のように美しい林里榮子さんで、その方が20123月に立ち上げ命名した現低流通ブランドが百十郎です。

酒名の由来は以前にも述べていますが、地元に実在した歌舞伎役者の名前(市川百十郎)からきており、約90年も前に1200本もの桜を寄贈し、現在も桜の名所100選の百十郎桜として親しまれています。そんな桜の下で楽しく呑めるお酒をと、2010年に造ったのが『百十郎』でした。『百十郎純米吟醸 青波BlueWave爽快淡麗旨辛口』は夏酒として清涼感を追求したお酒で、ラベルには青い波の下地に紺色の隈取が施されています。



百十郎青波  隈取も鮮やかに

無添加マーク  裏書をどうぞ







仄かに琥珀色

酒米は五百万石を使用し、酵母は岐阜県で開発した華やかな香りを強く感じて、且つ後味がスッキとした呑み口となる岐阜G2酵母。長良川の伏流水を仕込み水に使い、日本酒度+10、酸度1.5の辛口のお酒です。

蛇の目に注ぐと、お酒の色は仄かに琥珀色です。香りは香量も多く華やかで爽快、そしてフルーティ。いわゆる吟醸香なのでしょう。口に含むと舌の上では何事もなかったかのように大人しいのですが、直ぐに乳酸菌醗酵によるきつい酸味がやってきます。呑み込むと辛さがジワジワと湧き上がりました。酸も同調し際立つことなく地味にやってきます。これはもうお料理を美味しく頂くためのお酒です。タイのお刺身やしめ鯖、酢豚など美味しかった~。

因みにこの酒蔵は、日本初の乳酸菌を活用した次世代無添加製法を確立しており、蔵元は美しいだけではなく遣り手なのです。現在日本酒は、健康志向飲料として見直されており、経済産業省が「ムテンカSAKE」プロジェクトと銘打って注力していますが、林本店はいち早く流れに乗っているのです。♪

(。・_・。)ノ