2020年4月6日月曜日

たねいち会で島根の酒『天穏無濾過純米酒生酛にごり』


 いつも当ブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

先日、と言っても2月の中旬でしたが「たねいち会」がありました。私が若い頃に勤務させて頂いた会社名で、現場監督として一緒に働き、御指導を賜った方々と年に一度集まり、40年前の事をあれこれ思い出しながらお酒を頂いております。今回も居酒屋「酒と肴と男と女 海ぼうず」さんでの開催となり、品揃えの豊富な日本酒はもちろん、牛肉の陶板焼きや鍋料理、お刺身等に舌鼓みを打ちました。

愛知の菊鷹  純米一の矢

乾杯は御主人推薦の『菊鷹雲外蒼天山廃純米吟醸無濾過生原酒』を頂きましたが、皆さんはとりあえずビールです。小さめのグラスでは味わう間も無くお酒がスイっと口腔に消え、さあ次!となってしまいます。

2杯目は福岡県の『杜の蔵採れたて純米一の矢』を頂き、3杯目に岩手の『酔仙純米生貯蔵原酒』、4杯目、秋田の『一白水成特別純米ささにごり』、5杯目、福島の『会津中将生純米原酒無濾過初しぼり』、6杯目、三重の『三重錦三号うすにごり生』を矢継ぎ早に頂きました。これで本当に会話してるのか?疑惑が‥。

酔仙生貯原酒  一白水成ささにごり

会津中将初しぼり 三重錦うすにごり生

少し酔いが来たところで7杯目に頂いたのが、島根県出雲市で創業が明治四年の板倉酒造が醸す『天穏無濾過純米酒生酛にごり』です。酒名は日蓮宗の経文「天が穏やかならば窮することは無い」の無窮天穏から命名されており、酒米は奥出雲産改良雄町を70%精米し、出雲北山山系からの伏流水(中硬水)で醸している日本酒度+5、酸度1.71回火入れのお酒です。

立ち香はそれほど感じません。口に含むと乳酸発酵による程好い酸味を感じ、甘さは控えめに辛口でした。さすが生酛。予想通り。フルーティ系で呑み進んでいたので酸味と辛さが突出しているように感じますが、魚系の肴が合う美味しいお酒でした。

天穏生酛にごり   東洋美人ippo

土田「壱」生酛   みんな年配に

その後も冷蔵庫より山口県の『東洋美人直汲み生ippon本生槽垂れ』を頂き、ラストオーダーで選んだお酒が、『土田はつしぼり「壱」生酛仕込み』で、群馬県利根郡の創業明治40年の土田酒造が醸しており、関東で唯一「名誉賞」を受賞した酒蔵です。「名誉賞」とは戦前の日本酒品評会で連続入賞した酒蔵に与えられる栄誉です。しかし、本醸造のお酒の需要が目減りする中、これではいけないと平成29年より全てのお酒を山廃仕込みの純米酒にして、添加物を一切使わず、自然の菌に頼った酒造りに舵を切りました。「壱」はタンクナンバーです。

酒米は群馬産の飯米で低精白(90)とし、酵母は発酵力が強く淡麗に仕上がる協会601号と蔵付き酵母、仕込み水は日本百名山の武尊山の伏流水で、日本酒度は-3、酸度3.1のデータ的には甘酸っぱいお酒です。グラスに注ぐと仄かな濁りで、香りも微かにフルーティ。酸味が結構あり、辛さは後からじわっときました。日本酒度-3だったのに‥。

「家庭料理ぼたん」で 楯野川無我

私の長男が生まれた年の秋にその会社は残念ながら倒産して、もうすぐ40年になります。「たねいち会」の先輩方との楽しい語らいは、尽きるはずもなく、二次会の「家庭料理ぼたん」に河岸を変えて続きました。♪

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