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通常、無濾過生原酒などの日本酒が二千円吞み放題で、且つ品揃えが豊富という、類を見ない居酒屋「海ぼうず」さんですが、「オープン四周年記念イベント」を5月17、18日に開催するとの情報を得て同僚と二人で参加したきました。昨年は『而今』『鍋島』『九平治』『磯自慢』『飛露喜』等々、錚々たるお酒を呑み放題で頂戴しましたが、今年も吞み放題が何と2千5百円で、超有難い企画だと感謝しております。
全て呑み放題 十四代秘伝玉返し
乾杯のお酒は、同僚が未だ呑んだことの無いという『十四代本丸秘伝玉返し』を選びました。2月に当ブログで紹介しましたが、山形県村山市で元和元年(1615)創業の高木酒造が醸しています。秘伝玉返しとは、水の代わりに自社製造の酒粕焼酎を使用するという、通常のやり方を返上することから名付けられたようで、秘伝のアルコール加水という技術です。酒米は酒造好適米の「五百万石」で、酵母は一番酸が少なく吟醸香が高い協会10号(小川酵母)を使用した、日本酒度+2、酸度1.2で、アルコール添加の芳醇甘口本醸造酒です。
グラスからは仄かにフルーティな香りが。口に含むと微かにフルーティな甘さを感じ、酸味や辛さのバランスが良く上品な味わいでした。
鍋島純吟生酒 花陽浴無濾過生
続いては誰もが知る有名ブランドの『鍋島特別純米生酒』を冷蔵庫から取り出してグラスに注ぎます。佐賀県鹿島市の富久千代大村屋酒造場が醸しており、創業が大正の末期ですが平成10年に『鍋島』を新ブランドとして立ち上げています。酒米は山田錦と佐賀の華を使い、多良岳山系からの良質な地下水で醸しています。香りはフルーティで香量も多く、口に含むと先ずジューシーで透明感のある甘さを感じます。酸味はそれほど感じる事なく旨味だけを強調してキレてゆきました。二人とも一口呑んで「旨い‼」と声を出してしまいました。
しかし、本日一番は3杯目でした。埼玉県羽生市にある創業明治三年の南陽醸造株式会社が醸す『花陽浴純米吟醸山田錦無濾過生原酒』で、300石の小さくても入手困難な大人気の酒蔵です。お米は「山田錦」を使用し、仕込み水は利根川水系の伏流水を井戸から汲み上げて醸して、炭素ろ過せずに手間の掛かる瓶燗急冷を駆使し、日本酒度+1に仕上げました。但し、通常と違うのは「海ぼうず」の御主人が、1年間冷蔵庫で熟成させていたところです。昨年の『作プロトタイプ』もメロンの味わいで、超美味しかったなぁ。
開栓すると立ち香は華やかで香量も多く上品、口に含むと重厚でエレガントなジューシーさが口中に広がり、人々がパイナップルのようだと言うのが解ります。あのジューシーな『鍋島』を呑んだ直後でも、この味わいを感じさせられるとは、さすが『花陽浴』。また、熟成の効果か味の重厚さが増し、ものすごい旨味に変わっておりました。ファインプレーだね「海ぼうず」のダンナ。
モダン仙禽無垢 ちえびじん生酒
『花陽浴』の後にはジョッキで水を思いっ切り飲んでから、次の『モダン仙禽無垢2019』を頂戴しました。「やっぱ仙禽も旨い‼」と語り合っていたら、目に入ったのが『ちえびじん 純米吟醸八反錦おりがらみ生酒』です。これがあるのか!。以前、日本酒クラブで『ちえびじん』を呑んだ時には、超フルーティな味わいに度肝を抜かれる想いでしたが、このお酒は大分県杵築(きつき)市で明治七年創業の中野酒造株式会社が醸しており、現在の六代目が造ったブランドが『ちえびじん』で、創業当時の女将の名前から取ったようです。仕込み水は3年連続モンドセレクション金賞に輝いた六郷満山の御霊水を使っており、日本酒度±0、酸度1.8の荒走りを袋吊りで斗瓶に取っておりがらみにしています。
香りはフルーティで生酒特有の香りが。口に含むと優しくジューシーで、後味におりがらみの酸が口腔内にインパクトを与えています。旨さはハンパ無く軽くもう1杯頂戴しました。
くどき上手Jr 十八盛にごり
純米大吟飛龍 豊盃華想い
次々と冷蔵庫から出しては旨味を語り合い、酩酊目前のアッという間の100分が過ぎ、ラストオーダーは他人の迷惑を省みず誠に申し訳ありませんでしたが、再度『花陽浴純米吟醸山田錦無濾過生原酒』一年熟成を呑ませて頂きました。ごめんなさい。呑んだら、酔っていてもやっぱり美味しいと心に響くお酒でした。
「海ぼうず」さん、毎年美味しいお酒をありがとうございます。来年の5周年も早めにお知らせください。必ず2千5百円を持って伺います。えっ、お酒だけではダメ?・・。そりゃそうですね、肴代も忘れずに持って伺います。♪
\(。・_・。)ノ