2025年12月14日日曜日

海ぼうずさんが移転後、初入店『吉田蔵u石川門モダン山廃火入れ』

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128日深夜に震度6強の地震が発生しました。津波警報が発令され、避難指示が出たため、私も家族全員で柏崎公民館に避難しましたが、14年前の東日本大震災を思い出しました。翌日、家に帰ると、棚から物が落ちたり、本棚が倒れたり、足の踏み場が無いほど、家の中がぐちゃぐちゃでした。夜が明けると、市内の被害の大きさが明らかになってきて、テレビやラジオで放送されている通りです。

さて、私の行きつけの居酒屋さんと云えば、「酒と肴と男と女 海ぼうず」さんでしたが、令和73月末で入居するビルが解体のため、新たな店舗として30mほど離れた大松ビルの3Fに、59日移転し再開しております。‥が、考えるところもあり、私は未だ顔を出しておりませんでした。

しかし、N常務、H氏に声を掛けて頂き、10月の末日に漸く新店舗へと入店の運びとなりました。目出度い。当日は彼らの友人で、何度か御一緒させて頂いたT氏と私の4名です。急な階段を上がり、辿り着いたフロアには看板が見えず、不安でしたが少し進むと見慣れた看板が。店内に入ると久々に見る御主人は元気溌剌そのもので、奥様も意気軒昂。

階段脇の案内看板  いつもの看板が

店内は全てテーブル席となっており、胡坐や膝打ちをしづらい方でも、ゆっくりできる御席となっています。また、いつもの日本酒専用冷蔵庫を見ると、ひやおろし・秋あがりと生酒が半々くらいで、最上段には貴重な日本酒がキラ星のように並んでいます。

飲み放題エリア  貴重酒エリア

私が乾杯に選んだのが、山形県の鯉川酒造が醸す辛口の『純米吟醸鯉川Beppin出羽の里』でした。いわゆる「ジャケ買い」という訳です。「海ぼうず」さんと云えば呑み放題なので、ドンドン果敢に攻めてゆきました。頂いたお酒は、写真の通りです。

鯉川Beppin  よこやまSILVER7

神渡旨口原酒  天狗舞山廃 

bo:スプラッシュ 津島屋無濾過生









光栄菊 清海

乾杯の次に頂いたのが長崎のよこやまSILVER7純米吟醸生詰です。このお酒は、長崎県壱岐島で創業大正13年の重家酒造が醸しています。元々壱岐には十七の酒蔵がありましたが、徐々に蔵の数が減り、最後に残った唯一の酒蔵が重家酒造でした。しかし、他の廃業した酒蔵同様、杜氏の高齢化と経営難により、1990年に日本酒造りを断念し、「ちんぐ」という焼酎を造っていましたが、現在の社長が2013年から山口の『東洋美人』を醸す澄川酒造場で5年間修業した後、2018年に自身の日本酒蔵を壱岐に建設し、重家酒造を復活させました。そして昨年4月の松尾大社第7回酒-1グランプリでは、『純米大吟醸よこやまPrrincessMichiko』が何とグランプリを受賞し、優勝蔵となっています。

よこやまSILVER7純米吟醸生詰』の酒米は、麹米、掛米とも酒造好適米の絶対王者「山田錦」を使い、酵母は「SILVER7」とある通り穏やかな吟醸香の協会7号酵母で、仕込み水は蔵の地下約90mから汲み上げた軟水で醸しています。日本酒度、酸度は非公開ですがALC15度で、無濾過の1回火入れです。

グラスに注ぐと酒色は仄かに琥珀色で、香りは香量も多くフルーティで華やかな香り。口に含むと生酒のようなフレッシュさで、やや淡麗ながらジューシーな甘さを感じます。少しすると仄かな酸の後に僅かに苦味を感じてキレてゆきました。長崎を代表する、実に旨いお酒でした。次に広島の『加茂金秀秋あがり純米酒』、そして写真の通りガンガン吞んでいきます。

賀茂金秀秋あがり 鳳凰美田初しぼり

メガネ専用コラボ W純米美郷錦

聖 渡舟70生酛   吉田蔵U石川門

最後の締めには冷蔵庫最上段よりチョイス。石川県を代表する『手取川』の吉田酒造店が、現7代目により2021年から醸している新シリーズの『吉田蔵U-石川門モダン山廃火入れ』を頂戴しました。創業が明治3年で、手取川扇状地の石川県白山市に酒蔵はあり、能登杜氏が最も得意とする山廃造りを行っています。今回のお酒は、吉田酒造店が独自に研究した「モダンな味わいの山廃」の技で醸した山廃の原酒です。そしてこのお酒の『』は「優しい」の優、「あなたへ」のYOUからとっているそうです。

酒米は、石川県が旨い酒を造るために特別に育成されたオリジナルの酒造好適米で、心白が大きく優しい甘さが特徴の「石川門」です。酵母は協会9号酵母に近い金沢系自社培養酵母で、香りのバランスが良く、淡麗な酒質となる特徴があります。仕込み水には「白山の名水」の伏流水を使った、日本酒度-3、酸度1.8、アルコール度数13%で、1回火入れの夏酒です。

グラスに注がれたお酒は滓でうっすらと濁っています。香りは華やかで、口に含むとフルーティで、瑞々しくジューシー。とてもとても山廃、しかも火入れとは思えません。呑み込むと穏やかな酸味と仄かな苦みでキレました。さすがに『吉田蔵U-』は旨いと唸った次第です。山廃なのになぁ。







ほろ酔いの皆さん

お陰様で久々に一升近く呑ませて頂きました。三人に深くお礼を申し上げ、足取りも不確かに三日町でタクシーを拾って帰路に着きました。

9日は家の中の片付けをして、何とか一息ついています。さて、この度の地震で被災した、各店舗の方々に心よりお見舞いを申し上げます。年末の書き入れ時だったのに、もう気の毒としかいえません。しかし頑張るしかないので、みんなで力を合わせて頑張りましょう。♪

(。・_・。)ノ

2025年12月7日日曜日

くるみやさんで最後の1本『帆波純米吟醸秋田酒こまちオレンジ熟成生酒』

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12月に入り、一日増しに厳しい寒さとなってきました。年末には愛知の孫娘が「八戸に行きたい」と言っているそうなので、風邪をひかせないように少し考える必要がありそうです。会えるのは嬉しいのですが、大丈夫かなぁと思っています。まぁ、少し先の話なので、どうなる事でしょう。

さて先日、「くるみや」さんのホームページを丹念に見ていたら、これはというお酒を発見しました。それは、蜃気楼が見える街で有名な、富山県魚津市の魚津酒店が醸す『帆波純米吟醸秋田酒こまちオレンジ熟成生酒です。くるみやさんのお酒の解説がとても上手なんです。

魚津市では唯一の酒蔵で、創業は1925年の本江酒造でしたが、魚津酒店へ改称しています。主力酒は『北洋』でしたが、令和4年より新ブランド『帆波』を醸しています。どちらも海を意識したネーミングですが、魚津港はサケマスの北洋漁業の基地であった事から、酒名が付けられています。また、令和4年からはアルコール添加を廃止し、純米蔵へと移行しています。

熟成生酒帆波  堂々のラベル




裏書をどうぞ  無濾過でも透明

帆波純米吟醸秋田酒こまちオレンジ熟成生酒の酒米は、酒造好適米の「秋田酒こまち」で、50%まで磨いた実質大吟醸です。酵母は華やかで高い香気、そして酸度が少なくソフトな口当たりになる9号酵母。仕込み水には立山山麓の豊富な伏流水を使って醸した、日本酒度-3、酸度1.8ALC15度の半年熟成させた無濾過の生酒です。

開栓し蛇の目へ注ぐと、無濾過の割に酒色は無色透明です。香りは爽やかにフルーティな吟醸香。口に含むとスッキリとした口当たりで、甘酸っぱい味わい。直ぐに仄かな苦味がきて、その後に辛さも。日本酒度-3ほどの甘さは感じませんでした。しかし絶品の食中酒で、料理が美味しくお酒も進む進む。当夜は二合どころか、少し呑み過ぎてしまいました。また、一升壜を4回に分けて呑ませて頂きましたが、味わいは殆ど口開けと同じで、最後まで美味しく美味しく頂戴できました。『帆波純米吟醸秋田酒こまちオレンジ熟成生酒』はオススメだなぁ。

東日本大震災で被災した、福島県浪江町の鈴木酒造の蔵主が、港町の船乗りは辛口を好むと話していましたが、当地もその通りなのでしょう。

孫娘が来たら、龗神社(おがみじんじゃ)で一緒に元朝参りをしたいけど、夜中まで起きていれるかなぁ。そもそも、雪靴で来るのかなぁ。あったかい防寒具を持っているのかなぁ。う~ん、元朝参りは難しいかも知れません。♪

(。・_・。)ノ

2025年12月1日月曜日

三人で乾杯の後は『十四代 龍の落とし子 大極上生』(後編)

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ここ何年か、以前勤めていた会社の社員の人たちと、一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、彼らが持ち込む美味しい日本酒を、三人で頂いております。乾杯は入手困難酒の『純米大吟醸 金雀有機米』で乾杯しました。今回は二本目のお酒から始まります。

その二本目は、創業が元和元年(1615)の高木酒造が醸す、その名も気高き十四代 龍の落とし子大極上生です。持ってくるか~、こんな酒を~。高木酒造は、豪雪地域の山形県村山市にあり、主力酒は今も販売している『朝日鷹』でしたが、平成6年に十五代目の杜氏の高木顕統(あきつな)さんが、初めて造って命名し世に出した十四代が、当時の主流だった『越乃寒梅』などの端麗辛口酒を押し退けて、フルーティなお酒のブームを巻き起こし、今では入手困難酒の筆頭を走っています。

十四代 龍の落とし子大極上生』の酒米は、兵庫県特A地区産の極上「山田錦」を35%まで磨いた大吟醸で、酵母は非公表。仕込み水は桜清水と呼ばれる出羽山系の葉山の伏流水で醸しており、醗酵させた後に丁寧にお酒を搾り、斗壜に入れて低温で熟成した生酒は、ALC15度のお酒です。酵母を含むスペックは残念ながら非公開です。




箱も一緒に 龍の落とし子

裏書をどうぞ  酒色は透明

蛇の目に注ぐと、酒色はほぼ透明です。立香はスッキリと爽やかに、そして上品に香ります。口に含むと重厚な甘さがあり、優しくジューシーな旨味。『十四代』特有の味わいですねぇ。優しい酸と仄かな辛さ、優雅な甘さがバランスよく酒の旨味を醸しています。本当にバランスが神配合なんだよねぇ。後味はスッキリとしてキレてゆきます。これが美味しく無かったら、何が美味しいのか。乾杯の『金雀』も美味しかったというのに、『十四代 龍の落とし子大極上生』まで超旨くて、今年のランキングはホント大変だぁ~。

呑み会は20時を回り、残り時間が1時間となった時に、冷蔵庫からF君が取り出したお酒が、三重県名張市で創業1818(文政元年)の木屋正(きやしょう)酒造が醸す『而今 純米吟醸酒未来生』の一升瓶でした。創業からの主力酒は今でも伊賀地方を中心に販売している『高砂』です。六代目は自身の蔵に入る前に、但馬杜氏の下で二年間修業しました。自身の蔵に入った2005年には、全ての工程を見直して、新たに『而今』というブランドを造りました。酒名の意味は「ただ、今、この一瞬を、懸命に生き抜く」という事で、過去は変えられないが、未来は今ここで変える事ができるという深い理があるのです。言わずと知れたプレミア酒で、抽選販売は当たり前、抱き合わせ販売でもなかなか手に入らないお酒です。




而今酒未来生  裏書をどうぞ

酒色は透明  超幸せな三人

酒米は酒造好適米の「酒未来」を50%まで精米し使っています。もともと十四代の蔵元だった高木辰五郎氏が18年もの歳月を掛けて造った酒米で、「山酒4号」と「美山錦」を掛け合わせ、1999年に完成させた酒米です。全国で約20蔵が「酒未来」を使っており、華やかで甘く瑞々しい味わいのお酒になる傾向があります。酵母は低温発酵に適し、且つ上品な吟醸香を醸す9号系の酵母を使用し、中軟水な性質の名張川伏流水の湧水で醸しており、ALC15.5度で日本酒度±0、酸度1.6の生酒です。

蛇の目に注ぐと酒色は透明で、香りは爽やかにフルーティ。口に含むと甘さと酸がお互いに主張するもバランスが良く、しっかりと旨味になっています。きっと「酒未来」が優しい甘さを作っているのでしょう。呑み込むときに咽喉の奥に苦味を置いてキレてゆきました。雑味の無いキレイな味わいに、改めてさすが『而今』と思いました。

 今回も夜9時までの酒宴で、三人で一升壜1本と四合壜2本を頂いたわけですが、時間切れで『而今』が三合ほど残りました。後日、私が頂いたのですが、味わいは開栓時とほぼ変わらないように感じ、改めて素晴らしいお酒だなぁと思った次第です。さて今回も、皆さん方が帰ったあとで、食器を洗って片付けました。その記憶が薄いので「帰巣本能」を別角度から上手く使って片付けをしているようです。♪

(。・_・。)ノ