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10月初旬には仕事で久慈市に通っておりましたが、久慈と云えば「マツタケ」。そう、あの香り高い、そして高価なマツタケを、日本酒クラブの会員だったT氏より作業現場で頂戴しました。さすが太っ腹!。心より、心より感謝申し上げます。早速、ウチの奥様からホイル焼きと、栗もたくさん入ったマツタケご飯を作ってもらい、美味しく頂きましたよ。ありがとうございました。
マツタケの雄姿 ホイル焼きで
さて、10月下旬には仕事場が三沢市し移り、仕事帰りには中居酒店さんに立ち寄って日本酒を物色します。この酒屋さんでは『一白水成』や『たかちよ』、『南』、『雅山流』、『口万』等など日本各地のお酒が一堂に会しています。しかし、今はひやおろしが幅を利かせており、生酒はなかなか探せない状況の中で発見したのが、『不動純米吟醸備前雄町生原酒』で通称不動パープルでした。
この『不動』を醸すのは、千葉県香取郡神崎町にある鍋店(なべだな)株式会社で、創業は元禄二年(1689年)の五代将軍綱吉公の御世まで遡ります。当時、鍋座(金座・銀座と考え方が同じ)での製造権を持っており、更に佐倉藩より1050石の酒造株をも与えられ、成田山新勝寺の門前で酒造りを行ったという老舗の酒蔵で、鍋の店で「なべだな」です。
鍋店株式会社の創業時の銘柄は『蓬莱山』で、平成11年より『仁勇』、また平成16年より『不動』を代表銘柄としています。現在の仕込みは4500石で一升瓶換算では45万本と大規模な酒蔵です。
不動パープル 堂々の不動
堂々の肩ラベル 裏書をどうぞ
酒色はほぼ透明
『不動純米吟醸備前雄町生原酒』の酒米は商品名の通り「雄町」で、55%まで磨いて使っています。酵母は爽やかな吟醸香と酸の生成が少ないM310酵母を使い、お不動様旧跡庭園内にある「不動の大井戸」の中硬水で醸しています。低温発酵でもろみ管理をした、手間を惜しまないお酒です。上槽は藪田を使用し加水せずに無濾過生原酒のまま壜詰めして、6ヶ月の低温熟成を経て出荷します。何という手間暇を掛けたお酒でしょう。日本酒度は-3.5、酸度1.7のお酒です。
酒色は無色透明で、香りは仄かですが爽やかでフルーティ。口に含むと重厚な甘さがあり、酸度1.7の強めの酸も主張しています。しかし甘さはベタつかず舌にスッキリと。呑み込む前には辛さが来て舌がジワジワしましたが、呑み込むと後味には若干の苦みがありました。「雄町」の米の旨味を極限まで醸すところは、さすが『不動』と思わせるお酒でした。
中居酒店は毎回驚きを与えてくれます。三沢市の米軍基地の米兵さんたちも、こんな美味しい日本酒を呑んでくれると、日本酒の素晴らしさがもっともっと分かるかも知れません。♪
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