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私のイチオシの居酒屋さんは、他の追随を許す事無く「酒と肴と男と女 海ぼうず」さんですが、何と入居しているビル(いわとくパルコ)が老朽化のために解体予定となり、3月31日で休業となりました。新たな場所で営業をするのですが、開店準備に一月ほどを要するため、3月末に呑み納めに伺いました。
いわとくパルコ 通路はさみしく
ご主人は、「閉店まであと数日なので、お酒の本数が大分少なくなっています」と仰っておりましたが、なんのなんの、乾杯に選んだのは奈良県桜井市三輪の今西酒造が醸す『みむろ杉DioAbita(ディオアビータ)無濾過原酒』でした。こんなお酒ばかりが林立しています。
乾杯のみむろ杉
酒蔵の創業は古く万治三年(1660)の創業で、酒名の由来は地元の三輪山を古来より三諸山とも呼んでおり、その山の杉の木には神が宿るとされたことから『みむろ杉』としています。醸造哲学は「清く、正しい酒造り」で、清くは一点の曇りも無い酒造り。正しいは手間暇がどれだけ掛かっても正しい手順を守る酒造り。その哲学を守り醸したこのお酒の横文字『DioAbita(ディオアビータ)』とは、イタリア語で「神宿る」と云う意味です。
酒米は酒米の絶対王者「山田錦」を60%まで磨いて使い、蔵内の井戸より湧き上がる「神の水」と称えられ飲めば万病に効くと云われる霊験あらたかな三輪山の伏流水で醸した、ALC13度の1回火入れの無濾過のお酒で、日本酒度、酸度は非公表となっています。
グラスに注ぐと酒色は透明で、香りはフレッシュで華やかな香りが。口に含むとキレイな口当たりで甘やかにジューシー。直ぐに酸味がきますが苦味はありません。低アルのお酒なので、いくらでも呑めそうなお酒でした。
咲耶美直汲み 紫宙スターラベル
純米五稜
一人乾杯の後は、群馬の『咲耶美純米吟醸直汲み生原酒』を頂き、岩手の人気急上昇中の『紫宙銀河のしずく純米吟醸スターラベル無濾過生原酒』も。4杯目に冷蔵庫から取り出したのが、北海道函館市の『純米五稜』でした。このお酒は、北海道の上川大雪酒造の函館五稜乃蔵が醸しており、2021年11月に完成した函館市内で54年ぶりとなる酒蔵です。母体となる上川大雪酒造も2017年の創業の若い蔵で、蔵主が前職当時に、知り合いの方と上川町の写真を見た際に「こんな場所でお酒を造ったらどんなにおいしいお酒ができることか」と云う話になり、一念発起して酒蔵を立ち上げたそうです。函館五稜乃蔵は上川大雪酒造が道内に構える三つ目の酒蔵になります。「五稜」の由来はもちろん、函館のシンボル「五稜郭」です。
『純米五稜』の酒米は北海道産の酒米を70%まで磨き、仕込み水には函館の松倉川水系の超軟水で使い醸しています。大きな仕込みタンクは使わずに、手造りの小仕込みで丁寧に仕込んだ火入れのお酒で、日本酒度、酸度等は非公開としています。
酒色は仄かに琥珀色で、香りは穏やかですがフルーティ。口に含むと円やかな口当たりで、ほんのりと甘いと思ったら、穏やかな酸と仄かに苦みがきて口腔をピリッとさせました。味わった感じでは、日本酒度+5~6、酸度1.7~1.8位でしょうか。
至純米生原酒 黒牛純米雄町
次のお酒は新潟県佐渡島の『至 純米生原酒』を頂き、岡山県産雄町を60%精米した和歌山の『黒牛純米酒雄町』と続けて美味しく頂きました。
三井の寿 春
7杯目のお酒は福岡県三井郡大刀洗町で、創業が大正11年みいの寿が醸す『三井の寿 春純米吟醸Quadrifoglio(クアドリフォリオ)生』です。先代の蔵主がフランスのボルドーに行った際、ワイン造りにかける情熱やプライドに感銘を受け、ウチの蔵もこうなるべきだと決意し、帰国後にタンクの既存の酒を全て捨て、純米酒に特化した酒蔵に方針転換して現在に至っています。スラムダンクに登場する「三井寿」の名前は、このお酒から名付けられているのは有名で『三井の寿+14』は背番号に日本酒度を掛けている辛口のお酒です。主力酒は『三井の寿』と『美田』で、福岡では五本の指に入る人気の酒蔵です。
『三井の寿
春純米吟醸Quadrifoglio(クアドリフォリオ)生』のQuadrifoglio(クアドリフォリオ)は、イタリア語で四つ葉のクローバーを云い、緑色の壜もラベルも、春に咲くシロツメ草をイメージしています。酒米は福岡県をはじめ五つの県で開発した「吟のさと」で、山田錦と遜色のない酒質を醸し、且つ、穂の高さは山田錦より20㎝以上短いため倒れにくく、しかも多収な酒米です。この「吟のさと」を60%に磨いて使っており、酵母は非公表ですが味わった感じでは酸の生成が少なく香気の高い9号系の自社培養酵母を使用しているのでしょうか。仕込み水は筑後川に注ぐ清流、小石原川の伏流水を地下86mから汲み上げて醸し、日本酒度+3、酸度1.8のうすにごりの生酒です。
グラスに注ぐとそれ程濁ってはおらず、香りは穏やかでフルーティな吟醸香。口に含むと爽やかでフルーティな口当たり。結構な甘さがきて、いやな感じの無い軽快な酸が次にやってきます。最後には仄かな辛さで、呑み込むと渋味が咽喉から湧き上がりました。バランスの良いお酒でした。
RYUSUISEN 一ノ蔵祥雲金龍
紀土春ノ薫風 一歩己うすにごり
日高見うすにごり
海ぼうずさんのご主人や女将さんとの会話も弾ませながら、長野県の『市野屋RYUSUISEN風さやか生原酒』、宮城の『一ノ蔵祥雲金龍純米吟醸』、未開封だった和歌山の『紀土純米吟醸春ノ薫風生』、福島の『一歩己純米吟醸うすにごり』、最後のシメは宮城の『日高見純米吟醸うすにごり生酒』で〆ました。
18時に入店し、家に到着したのが20時前で、ウチの奥様は「早かったねぇ」と驚いた様子でした。オレもやればできるのだ。海ぼうずさんの移転・新規オープンの日程は、ホームページで確認してほしいとの事でした。明日から毎日見なきゃならんと思った次第です。♪
\(。・_・。)ノ