2025年7月27日日曜日

三人で呑む会のシメは圧巻の『十四代 龍月 斗瓶囲い純米大吟醸七垂二十貫』

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連日30℃越えの日々が続いております。仕事の日は炎天下の中で心が折れそうになるのですが、その中で作業している方々を目の当たりにしていると、線路の脇にただ立っている列車見張員の私ごときが暑い暑いとは言えず、汗だくの皆さんを心の中でただただ応援している毎日です。

さて、ここ何年か以前勤めていた会社の社員の人たちと、一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、彼らが持ち込む美味しい日本酒を頂いております。そして、熊本の至宝『産土2024香子(かばしこ)五農醸生酒』で乾杯し、佐賀の新進気鋭が醸す『光栄菊甕月無濾過生原酒』を美味しく頂いた後で、F君が満を持して持ち込んでくれた真打酒の登場です。平たく言うと。先週の後編となります。

そのお酒は、創業が元和元年(1615)の高木酒造が醸す、超希少価値の高い『十四代 龍月 斗瓶囲い純米大吟醸七垂二十貫』です。素晴らしい!。ブラボー!。酒蔵は、積雪が2mほどにもなる豪雪地域の、山形県村山市にあります。主力酒は今も販売している『朝日鷹』でしたが、平成6年に十五代目の杜氏の高木顕統(あきつな)さんが、初めて造って命名し世に出した十四代が、当時の主流だった『越乃寒梅』などの端麗辛口酒を押し退けて、フルーティなお酒のブームを巻き起こし、今では入手困難酒の筆頭を走っている酒蔵です。

十四代 龍月 斗瓶囲い純米大吟醸七垂二十貫』の七垂二十貫とは、二十貫(75)のお米から僅か七垂れ()しか搾れないほどの貴重なお酒で、高木酒造伝統の製法の最高傑作といわれています。しかも「龍月」は、希少価値の高い『十四代』の中にあっても、トップレベルの幻のお酒と云われており、実際になかなか見る事のできないお酒らしいのです。もちろん私も知りませんでした。あしからず。

十四代龍月  字は岩崎潮風氏

蓋には龍が  裏書をどうぞ







酒色はほぼ透明

酒米は兵庫県特A地区産の極上「山田錦」を35%まで磨いた大吟醸で、酵母は非公表。仕込み水は桜清水と呼ばれる出羽山系の葉山の伏流水で醸しており、醗酵させた後に丁寧にお酒を搾り、斗壜に入れて低温で熟成し、1回火入れをした生詰めALC15度のお酒です。スペックは残念ながら非公開です。

蛇の目に注ぐと、微かにトロミがあるようで、酒色はほぼ透明です。立香は爽やかに、そして上品に香ります。口に含むと優しくジューシーな旨味。甘さと酸味や辛さ、そして濃さのバランスが抜群で、肴を放棄してこのお酒だけが吞みたいと強く感じた次第です。『十四代』のこのバランスはなかなか真似のできないもので、近いお酒が『花陽浴』だったり『而今』なんだよねぇ。

 今回は夕方の5時半に開始で、夜9時までの酒宴でした。30分早かったのですが、アッという間に時間は過ぎてしまいました。F君からは常々入手困難なお酒を提供して頂いており、本当に感謝の念に堪えません。F君ありがとう。さて、皆さん方が帰ったあとで、食器を洗って片付け、ヨーグルトを食べて眠ったのですが、タクシーに乗った彼らを見送ってからの記憶がありません。本当に私が後始末をし、ヨーグルトを食べたのでしょうか。♪

(。・_・。)ノ

2025年7月20日日曜日

いつもの三人で乾杯は「産土2024香子(かばしこ)五農醸生酒」(前編)

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7月に入って暑い日が続いており、草花を愛でて且つ野菜を収穫している身には、なかなか大変な気候であり、また天気が良い事が全て幸せに繋がる事ではない事に、不信感を募らせている今日この頃です。

さて、ここ何年か以前勤めていた会社の社員の人たちと、一緒にお酒を呑む機会に恵まれ、彼らが持ち込む美味しい日本酒を、三人で頂いております。今回、私が彼らのために腕に撚りをかけて準備したお料理は、「サーモンのユッケ」「手羽中と大根のサッパリ煮」「カニカマと厚揚げのオイスターソース炒め」「かぼちゃのチーズホットサラダ」「白菜のサラダ」、そしてスーパーから購入したのは「お刺身」「ホッケの焼き魚」でした。以前、料理した中で美味しかったものを厳選して準備しましたが、どうだったんでしょうかねぇ。

今回、日本酒通のF君が、自宅の日本酒専用冷蔵庫から持ち込んでくれたお酒は、やっぱり入手困難酒ばかりで、日本酒が好きな方なら垂涎のお酒ばかりです。乾杯は熊本で人気ナンバーの花の香酒造が醸す『産土2024香子(かばしこ)五農醸生酒(四合壜)です。凄い!初産土だぁ~!。



産土香子  裏書をどうぞ

象形文字か? バブルが張付き

花の香酒造の創業は明治35年で、地下水の豊富な熊本県の北に位置する、玉名郡和水町に蔵を構えています。現在の主力酒は『産土(うぶすな)』で、「土地の守り神」「自然からの恩恵を生み出す母体」などをいう言葉を酒名にしています。全国の酒販売店員が消費者に最も薦めたいお酒を選ぶ「酒屋大賞2023」で第二位のシルバーを、花の香酒造が『産土(うぶすな)』で受賞しています。やっぱりねぇ。

そして酒名の『産土2024香子(かばしこ)五農醸生酒』の「香子」は酒米の名前で、江戸時代には高級米として九州地方で作付けが行われていました。名前に「香」の字がある通り香りが高く、普段の食用米にほんの少し混ぜ込むと、香り豊かになる特別なお米でした。40粒ほど残っていた種籾から、3年の月日を掛けて復活させ、漸く日本酒を醸すことができました。

また「五農醸」は、一・菊池川流域の酒米、二・生酛造り、三・木桶仕込、四・無施肥、五・無農薬の事を表しています。

酒米は前述の「香子」で、酵母は酸が穏やかで華やかな香りの熊本酵母とも云われる協会9号酵母。仕込み水は地下から湧き上がる自然水を井戸から汲み上げて使って醸しています。ALC13度と夏酒の領域です。

さて乾杯とキャップの保護シールをクルクル外したら、「ドンッ」という大音響とともに栓が天井にぶつかって床に落ちました。三人とも顔を見合わせビックリ。気を落ち着かせ蛇の目に注ぐと、内側に大きめのバブルがビッチリと張付いており、酒色はほぼ透明。香りは「香子」の割には大人し目のドライな香り。口に含むと口腔もシュワシュワとバブルが刺さりますが、ALC13度の軽快な口当たり。スッキリとした甘さと、果実のような優しい酸。後味に渋みがきて、キレてゆきました。白ブドウのスパークリングワインのようで、呑み飽きしない味わいに直ぐに無くなってしまいました。残念!。

感動の『産土』に続くお酒は、佐賀県が誇る小城市三日月町の光栄菊酒造が醸す光栄菊甕月無濾過生原酒で、創業は明治4年ですが平成18年に一度廃業しています。しかしその廃業した酒蔵を現在の蔵主が買い取り、銘柄もそのまま引き継ぎました。酒蔵は建物や醸造設備の傷みが激しく、屋根や内外装を張り替え、醸造設備も殆ど全部を揃えています。そして、愛知の藤市酒造で『菊鷹』を醸していた杜氏に酒造りに加わってもらい、一新した『光栄菊』を醸しました。

今回の光栄菊甕月無濾過生原酒の「甕月」は、平安時代に当地が甕月(みかづき)郷と呼ばれていたこと、そして2019年の水害でも挫折することなく、酒造りができた感謝の気持ちを胸に、三日月町から甕を壜に変えて多くの方々へ呑んで頂きたいと云う思いで名付けられています。



栄光菊甕月  裏書をどうぞ

酒色は透明で 三人で呑む

酒米は幻の酒米と云われる岩手県産「亀の尾」を40%まで磨いた大吟醸造りで、酵母は非公開ですが、菊鷹で使っていた泡有りの8号酵母かも。仕込み水には清水川の伏流水を使ったALC14度の無濾過生原酒です。スペックも非公表としていますが、日本酒度は±0、酸度1.6くらいでしょうか。

蛇の目に注ぐと酒色は透明で、香りは完熟メロンのようなセメダインっぽい香り。口に含むと優しくもキリッとした呑み口でジューシー。酸味は果物の酸のよう。「亀の尾」の旨味と、無濾過を感じさせない澄んだ味わいは、さすが『光栄菊』と思った次第です。

さて、三本目は真打登場です。F君渾身のお酒が登場する次回をお楽しみに。何が出るかなぁ。多分「よくこんなお酒を持ってきたな」と、皆さんビックリする事請け合いです。♪

(。・_・。)ノ

2025年7月13日日曜日

岐阜から移転、三千櫻酒造の『三千櫻純米吟醸九頭竜55生原酒』

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先月末に、おいらせ町が開催する「第40回おいらせ町いちょうマラソン」に参加させて頂きました。前回の「うみねこマラソン」では、一時間を切る納得の走りだったので、今回の目標を55分前後に定め、週3回の練習で自信を深めての出走でした。スタート後から順調で、これは目標をクリアするかと思ったのですが、何と7km付近で右足のふくらはぎが痛み出し、結果、肉離れで1時間2分と少し残念な結果となりました。青森市から参加した私のマラソンの師匠は、5kmあたりで私を軽々と抜き去り、ゴールした私を待っていて下さいました。さすが師匠。足の故障を早く治して、秋のレースに臨みたいと考えています。



自由の女神 第40回大会







青森市の師匠と

さて、先日、八食センターでウチの奥様からお酒を購入してもらえる機会に恵まれ、これはというお酒を購入しました。冷蔵庫の棚に並んだ中に『三千櫻純米吟醸九頭竜55生原酒』を発見し、おお、ハズレの無い岐阜のお酒だったなぁと裏書を見たら、何と北海道上川郡東川町とあり、同姓同名かと訝しんだのですが、スマホで調べたら酒蔵が北海道に移転していたという顛末。

三千櫻酒造の創業は明治10年。庄屋だった四代目の山田三千介さんが酒造業を起こし、その名前から三千櫻酒造としました。岐阜県中津川市で酒造りをしていましたが、蔵の老朽化で何と北海道に移転。何故、北海道かと云うと、地酒や酒造りのノウハウが無い東川町で公設民営型の酒蔵を全国に募集したところ、思惑が合致した三千櫻酒造が手を上げ採用になりました。ハードの部分の酒蔵は東川町で造り、酒造りは三千櫻酒造が担うのが公設民営型です。

三千櫻純米吟醸九頭竜55生原酒』の酒米は「九頭竜」という希少米で、2003年に生産が途絶えていたものを、2014年に福井県のプロジェクトチームが復活させた酒造好適米です。山田錦と同じ大粒の酒米で、心白も大きいのが特徴です。この「九頭竜」を55%まで磨いて使い、大雪山の天然水で醸しています。酵母やお酒のスペックは非公表でした。残念!。

三千櫻九頭竜  裏書をどうぞ







酒色は仄かに琥珀

蛇の目に注ぐと、お酒の色は仄かに琥珀色です。香りは甘さを伴った穏やかな吟醸香。口に含むと爽やかな呑み口で、重厚な甘さと優しい酸。しかし呑み込むと、口腔にジワジワと酸が刺さるようです。余韻は苦みがありますが、その苦みが次の一口に甘味を与えてくれました。甘さ・辛さ・酸味のバランスも良いお酒でした。

このお酒のラベルには龍が描かれています。酒米の九頭竜からきたものだと思いますが、九頭竜は頭が九つある龍で、龍の中の頂点に君臨しています。中国では九は久の発音と結び付けられる事から、九頭竜は永久に最強の龍となっているそうです。♪

(。・_・。)ノ